2017-18夏季、ポルトガル3強の補強診断。三者三様のチーム強化と注目の新戦力を紹介

2017-18シーズン夏季の移籍市場が閉幕した。例年、多くの主力選手を欧州のビッグクラブに引き抜かれ、この時期にはチームの陣容がガラッと変わるポルトガルリーグの3強。今季は、特にベンフィカが列強クラブの餌食となったが、その代わりの補強はどのように進めたのか。ベンフィカ、ポルト、スポルティング、例年以上に三者三様の特徴が出た移籍市場での動きを補強診断として採点し、注目の新戦力を紹介する。

(以降、主な移籍リストは、Aチームの加入・退団選手のうち、代表的な移籍のみ掲載)

ベンフィカ

目玉補強

ガブリエウ・バルボーザ(ガビゴウ)

今夏は、ルイ・ビトーリアが種を蒔き、花開かせた「ビトーリア・チルドレン」が、みな列強クラブに刈り取られた。シーズン途中にゴンサロ・グエデスがパリ・サンジェルマンに引き抜かれると、シーズン終了後には、RSBネウソン・セメードがバルセロナに、CBビクトル・リンデロフがマンチェスター・ユナイテッドに、そしてGKエデルソン・モラエスがマンチェスター・シティへ、ベストイレブンにも選ばれたリーグを代表するディフェンス陣が根こそぎ引き抜かれてしまった。

主力選手がこぞって退団したベンフィカだが、補強市場での動きは意外にも物静か。このまま新シーズンを迎えるのかに見えたが、移籍市場最終日に大きく動いた。

ポルトやスポルティングらと争奪戦を繰り広げ獲得した今夏の目玉補強が、インテルよりレンタルで獲得したガビゴウ。マルセイユに移籍したミトログルの穴を埋める補強として、ブラジルの逸材を確保した。

また、同日にはネウソン・セメードの後任として、バルセロナからドウグラスもレンタルで獲得。移籍市場開幕直後には、U-21ポルトガル代表の正GKとして活躍し、先日ポルトガル代表にも初選出されたブルーノ・バレーラを、マンチェスター・シティへ移籍したエデルソンの後継者として獲得するなど、何とかビトーリア・チルドレン退団の穴をおおむね埋めることに成功した。

しかし最大の懸念点は、クラブのバンデイラCBルイゾンの相棒を誰が務めるのかという問題。昨季はユナイテッドへ移籍したリンデロフがルイゾン以上の安定感を発揮したが、この夏、代替のCBは獲得できず。加齢による衰えも見られるルイゾンが1年間フル稼働できる保証もなく、CBのポジションが今季のベンフィカにとってアキレス腱となるおそれもある。

主な移籍

【OUT】
エデルソン・モラエス(マンチェスター・シティ)
ビクトル・リンデロフ(マンチェスター・ユナイテッド)
ネウソン・セメード(バルセロナ)
ルカ・ジョビッチ(フランクルフルト)
アンドレ・オルタ(ブラガ)
アンドレ・カリージョ(ワトフォード)
ミトログル(マルセイユ)
【IN】
ブルーノ・バレーラ(セトゥバル)
ミル・スビラール(アンデルレヒト)
ドウグラス(バルセロナ)
クリス・ウィロック(アーセナル)
ハリス・セフェロビッチ(フランクルフルト)
ガブリエウ・バルボーザ(インテル)

補強診断

70点
→エデルソンの穴埋めに、将来のポルトガル代表正GK候補を確保できたのは◎。また、駆け込み移籍でガビゴウと、セメードの後任ドウグラスの2人の大物も獲得した。しかし、リンデロフの後釜を獲得できず、CLを含めた連戦を戦うには、ディフェンスラインの陣容が物足りない感は否めない。

ポルト

目玉補強

セルジオ・コンセイサオン

今夏のポルトは、過去類を見ないほどに物静かな移籍市場を経験した。チームの若きエース、アンドレ・シウバがミランへ移籍したが、それ以外で大幅な戦力ダウンはなし。それどころか、他クラブでの武者修行でたくましく成長した選手がレンタルから復帰し、チームの中心選手として大活躍している。

主な補強は、第3GKのバナー・アウベスのみであったが、ニースで評価を高めた快速SBリカルド・ペレイラや、ポルト伝統の9番を取り戻したバンサン・アブバカル、昨季はギマラインスのエースとして活躍したムサ・マレガなど、レンタルからの復帰組がプレシーズンから大活躍。新戦力の獲得は必要ないほどに、チームに新たな活力をもたらしいている。

そんなポルトの注目の新戦力は、選手でないのであれば、やはり監督セルジオ・コンセイサオンだろう。今季3強の中では唯一監督交代を敢行し、フランスのナントで評価を高めたクラブOBにタイトル奪還を託した。フレン・ロペテギ、ヌーノ・エスピリト・サント両監督時代には冷遇されていた上記レンタル組をうまくチームに馴染ませ、ここまでファンを大いに期待させるフットボールを展開している。

主な移籍

【OUT】
グディーニョ(アポエル)
ホセ・アンヘル(エイバル)
チドージー(ナント)
ラファ・ソアレス(フルハム)
ウィリー・ボリー(ウルバーハンプトン)
ルーベン・ネーベス(ウルバーハンプトン)
ジョアン・テイシェイラ(ブラガ)
アンドレ・シウバ(ミラン)
ディオゴ・ジョッタ(ウルバーハンプトン)
ローラン・ドゥポワトル(ハダースフィールド)
アドリアン・ロペス(デポルティボ)
ルイ・ペドロ(ボアビスタ)
【IN】
バナー・アウベス(フェイレンセ)

補強診断

90点
→アンドレ・シウバの売却額3800万ユーロを使わず、レンタル復帰組をチームに融合させ、見事戦力アップに成功。コストパフォーマンスの観点から、非常に優れた移籍市場での動きとなった。また、上記「主な移籍」リストには掲載していないが、Bチーム所属選手を中心とする多くの若手をレンタル移籍に出し、中長期的なクラブの成長のための投資にも成功した。

スポルティング

目玉補強

ブルーノ・フェルナンデス

今夏のスポルティングの戦力補強は一味違う。ポルトガルリーグ3強の中でも、特にスポルティングは、無名選手を格安で買い、育て上げて高額で売るというポリシーを補強戦略としている。しかし、今夏は主にレンタル移籍など移籍金のかからない方法で、世界的な有名プレーヤーを大量に獲得した。バルセロナからジェレミー・マテューと、レアル・マドリードから監督ジョルジ・ジェズスの教え子ファビオ・コエントランを獲得するなど、現在世界で最も強いスペインの2強からディフェンスラインを大幅に増強。昨季のリーグ得点王バス・ドストに依存したFW陣には、元コートジボワール代表セイドゥ・ドゥンビアを獲得した。

このように多くの有名プレーヤーを確保したスポルティングだが、今季最注目の新戦力は、将来彼らのようにスタープレーヤーになることが有望視されている国内注目のヤングスター、ブルーノ・フェルナンデスだろう。ポルトガル人としては珍しく、国内でプロにならずに若き頃よりイタリアで己を磨いてきた逸材だ。リオ・オリンピックでは母国の10番を背負い、まさにチームの中心選手として奮闘。クラブ会長は、将来への期待も込めて、ポルトのフッキが記録した国内最高額の違約金と同額の1億ユーロの違約金を設定した。

主な移籍

【OUT】
ベト(ギョズテペ)
ルーベン・セメード(ビジャレアル)
パウロ・オリベイラ(エイバル)
アンドレ・ジェラウデス(ベレネンセス)
マルフィン・ゼーヘラール(ワトフォード)
リカルド・エスガイオ(ブラガ)
ジェフェルソン(ブラガ)
エセキエル・スケロット(ブライトン)
アドリエン・シウバ(レスター)
ジョエル・キャンベル(アーセナル)
ルーク・カスタイニョス(フィテッセ)
【IN】
アンドレ・ピント(ブラガ)
クリスティアーノ・ピッチー二(ベティス)
ファビオ・コエントラン(レアル・マドリード)
ジェレミー・マテュー(バルセロナ)
マテウス・オリベイラ(エストリル)
ステファン・リトフスキ(リエカ)
ロドリゴ・バターリャ(ブラガ)
ブルーノ・フェルナンデス(サンプドリア)
セイドゥ・ドゥンビア(ローマ)
マルコス・アクーニャ(ラシン・クラブ)

補強診断

100点
→ディフェンスラインを刷新したが、補強されたのはコエントランやマテューら大物選手。得点王バス・ドストとアシスト王ジェウソン・マルティンスの2人に頼り切ったオフェンス陣にも、ドゥンビアや、アシストランキング上位入りが期待できるブルーノ・フェルナンデスとアクーニャらを確保。キャプテン、アドリエン・シウバの離脱は痛いが、このポルトガル代表MFの穴を埋めるに十分な新戦力を獲得した。ブルーノ・フェルナンデスは、リーグ開幕直後から今季のリーグMVP級の活躍ぶり。ポルトガル代表にも選ばれるなど、大ブレイクの予感を漂わせている。

以上、2017-18シーズン夏の移籍市場におけるポルトガル3強の補強診断を実施した。駆け込みで移籍選手の穴をおおむね埋めたベンフィカ、レンタル復帰選手をチームに溶け込ませて補強は最小限にとどめ、余剰戦力の整理にも成功したポルト、大物選手を大量に獲得し、チームを大幅に増強したスポルティング。補強の成果もあり、3強は1994-95シーズンぶりに全チームが開幕3連勝を達成した。

今季も、逸材の宝庫であるポルトガルリーグで、上記新戦力の中からリーグを代表する選手へとブレイクするものが現れることだろう。

【動画付きコラム】スタメンの固定化進むポルティモネンセ、中島翔哉は割り込めるのか?見習うべきはスポルティングの2選手

リオ五輪で日本代表の10番を背負ったFC東京FW中島翔哉が、1年間のレンタル移籍でポルトガル1部ポルティモネンセへ加入することが決定した。

リオ五輪の日本代表では絶対的な地位を確立していたこの中島だが、FC東京では、Jリーグ得点王を獲得したこともある2人の偉人、大久保嘉人とピーター・ウタカの存在もあり、毎試合スタメンとしてプレーするには至っていない。

果たして、そのような状況の中で、中島はポルトガル1部のこのクラブで出場機会を確保し、レギュラーとして活躍できるのだろうか。今回は、すでにポルトガルリーグを代表するプレーヤーとなった2人の若手ポルトガル人選手をベンチマークとして、中島がポルティモネンセでレギュラーとして活躍できる可能性、そして、ポルトガルで名を上げるために必要な能力について論じたい。

中島が移籍するポルティモネンセは、現在スタメンの固定化が進んでいる。ポルティモネンセが1部に復帰した2017-18シーズンのポルトガルリーグもすでに3節を終えたが、開幕ボアビスタ戦、強豪ブラガ戦およびリオ・アベ戦の3試合のすべてで、スタメンには同じメンバーが名を連ねた。

2部で戦った昨季は2トップ気味で戦う試合もあったポルティモネンセだが、今季の基本フォーメーションは4-3-3。

(※以下、カッコ内は年齢ではなく背番号)

GKはチームの絶対的守護神であるリカルド・フェレイラ(33)。

DFの4枚は、右から35歳の大ベテランRSBリカルド・ペッソーア(5)、CBにルーカス・ポッシニョーロ(3)とルーベン・フェルナンデス(26)、LSBにはルーマー・アグベニュー(15)。

MFの3枚は、左利きのポルトガル人ペドロ・サー(21)、昨季はMFながら9ゴールを記録したブラジル人パウリーニョ(8)、そしてエースナンバーを背負うエウェルトン(10)。(※ペドロ・サーとエウェルトンは、左右を入れ替えることもある)全員が23~24歳で中島と同年代の選手たちである。

FWの3枚は、RWGに開幕戦のボアビスタ戦で決勝ゴールを挙げ、ビトーリア・ギマラインスが関心を寄せるという新進気鋭20歳の若手レフティー、ブルーノ・タバタ(11)、CFにチームのエースである元鹿島ファブリシオ(90)、LWGに昨季ペナフィエルでシーズン8ゴールを記録した24歳の新加入ブラジル人FWウェリントン・カルバーリョ(27)。

これらスタメンをベースに、クラブのレジェンドである36歳ジョルジ・ピレス(9)や、23歳のギニアビザウ系ポルトガル人FWウィルソン・マナファ(19)、19歳のナイジェリア人FWチデラ(70)などが交代によって途中出場する戦術が固定化している。

中島翔哉が加入した場合、ポジションを争うことになるのは、主に両ウイングのブルーノ・タバタ(11)とウェリントン(27)になるだろう。彼らは、ほとんどの試合でともに途中交代しており、両ウイングには中島が途中出場できる機会が存分にある。同時に、3枚の交代枠を争うマナファ(19)やチデラ(70)なども試合出場をかけて競うライバルになり得るだろうし、中島がセントラルの位置でプレーするのであれば、ペドロ・サー(21)やエウェルトン(10)とのレギュラー争いも待ち受けることになる。

言及したウィングの4選手はみな中島と同年代、もしくは、中島よりも若く勢いがあり、ブラジルやアフリカにルーツを持つなど、スピードとテクニックに長けたウィンガーである。たとえリオ五輪で10番を背負い、将来日本代表の中心選手としてプレーすることが期待されている中島にとっても、出場機会を簡単に奪える相手ではない。当面は、決まり文句にはなってしまうが、途中出場で機会を伺いながら、ポルトガルサッカーの技術やスピード、プレーリズムに慣れ、同時にポルトガル語を習得してチームの一員として馴染んだ上で、限られたチャンスをものにしていくのが、スタメン出場に向けた現実的な路線だろう。ただ、中島がポルティモネンセで試合に出場するチャンスは、十二分にあるはずだ。

ではその中で、中島翔哉はどのようなプレーを身につけるべきなのか。是非、相手にとってより嫌な選手になるため、また、ポルティモネンセの絶対的なプレーヤーへと成長し、ポルトガルリーグを代表するアタッカーになるために、中島と同年代ながらすでにポルトガルリーグを代表する若手スタープレーヤーとして活躍する2選手のようなプレーを目指してほしい。

その2選手とは、ともにスポルティングに所属するFWジェウソン・マルティンスとMFブルーノ・フェルナンデスだ。

1人目のジェウソン・マルティンスは、現在22歳の若手ポルトガル人。カーボベルデにルーツを持ち、77番を背負うRWGということから、スポルティングのレジェンドFWナニと比較されることが多い。昨2016-17シーズンにポルトガル代表に定着し、代表のキャプテンでスポルティングの先輩でもあるクリスティアーノ・ロナウドが、レアルのペレス会長に獲得を進言したとも噂される、ポルトガル最注目のヤングスターである。

ジェウソン・マルティンス最大の武器は、サイドで相手DFを置き去りにする、圧倒的な突破力。CLで対戦したレアル守備陣、ブラジル代表マルセロやスペイン代表セルヒオ・ラモス、フランス代表ヴァランらも翻弄したほどだ。

このジェウソン・マルティンスは、昨季のポルトガルリーグで唯一2桁アシストを記録し、アシスト王に輝いたリーグを代表するドリブラーである。ルイス・フィーゴやクリスティアーノ・ロナウド、リカルド・クアレスマにルイス・ナニなど、ポルトガルおよびスポルティング伝統のウィンガーの系譜を継ぐ逸材だ。中島は、このジェウソンまでとは言わずとも、ポルトガルリーグでプレーするウィンガーとして、参考にすべき点は多いだろう。ジェウソンのように、個の力で相手守備陣のバランスを崩し、得点に結びつけるアシストを積み上げ、目に見える結果を残すことが、中島がポルティモネンセで絶対的な存在になるための鍵となる。金崎夢生もポルティモネンセでの約2年間で18ゴールと、しっかり結果を残したからこそ信頼を勝ち得ていた。

2人目のブルーノ・フェルナンデスは、今季スポルティングがサンプドリアから獲得したポルトガル人の攻撃的MF。中島と同様にリオ五輪で母国代表の10番を背負った選手である。スポルティングは今季獲得したこのブルーノ・フェルナンデスに、ポルトがフッキにつけたのと同額でリーグ最高額タイの違約金である1億ユーロを設定したことからも、その期待度の高さが伺える。

サンプドリア以前に所属したウディネーゼ時代は、パスセンスに優れ、豊富な運動量を武器に前線に飛び出したり、守備に貢献したりと「走れるファンタジスタ」のような印象が強かったブルーノだが、今季より加入したスポルティングでは、持ち前のテクニックにパワーが上乗せされ、ミドルレンジからのシュートなど新たな武器に磨きをかけている。

スポルティングがアウェイで昨季4位のビトーリア・ギマラインスを0-5で粉砕したポルトガルリーグ第3節の一戦で、ブルーノ・フェルナンデスの新たな武器が覚醒した。目の覚めるようなスーパーミドルを1試合に2度も沈め、スポルティングの新エースに名乗り出た。

中島翔哉もミドルシュートの意識が高い選手であり、実際にリオ五輪アジア予選のイラン戦での2ゴールを始め、いくつものスーパーミドルを沈めてきた。得意のミドルレンジからのシュートにさらに磨きをかけると同時に、ブルーノ・フェルナンデスがウディネーゼ時代から備えていたような豊富な運動量による前線からの守備でチームに貢献することができれば、ポルティモネンセにいる他のウィンガーにはない、中島独自の強みとなるだろう。

もちろん、ジェウソン・マルティンスとブルーノ・フェルナンデスはポルトガル3強の一角スポルティングでプレーする国内トップトップの選手であり、中島翔哉がポルティモネンセでこのレベルを求められることはないだろう。(当然、ポルティモネンセよりも高みを見据え、ポルトガル3強以上のクラブを目指すのであればこのレベルが求められる)

中島翔哉の武器である、敏捷なドリブル突破やゴールへ向かう強烈な意識、ミドルレンジからの得点力などは、十分ポルティモネンセでも通じるものであるし、前線での日本人らしい献身的な守備は、ポルティモネンセの他のウィンガーが備えていない中島特有の武器となり得る。最初は途中出場から徐々にポルトガルおよびポルティモネンセのサッカーに馴染み、スタメン出場の機会を虎視眈々と狙うこと。そして、ポルティモネンセで絶対的なレギュラーとして活躍し、ポルトガル3強以上のクラブへのステップアップを望むのであれば、ジェウソン・マルティンスのような、相手守備陣を独力で切り裂く圧倒的な突破力を身につけ、ブルーノ・フェルナンデスのような、中距離から得点を量産できる走れるファンタジスタへと変貌を遂げてほしい。

ポルトガルリーグのFW陣には、独力で試合を決定づけられる力が大いに求められているのは間違いない。結局、鍵を握るのは、中島本人が移籍に際して「Jリーグより確実に個の能力が高いのは明らか」と語ったように、独力で状況を打破する突破力や、一発で状況をガラッと変える得点力など、ゴール・アシストという結果に繋がる「個」の力を磨きあげることに尽きるのかもしれない。

ポルティモネンセ、2017-18シーズン第3節までのハイライト動画

第1節 ボアビスタ戦 2-1 ○

第2節 ブラガ戦 1-2 ●

第3節 リオ・アベ戦 0-2 ●

中島翔哉が移籍したポルティモネンセってどんなクラブ?8つの特徴をご紹介

かねてから日本メディアが報じていたFC東京FW中島翔哉のポルティモネンセ移籍がついに決定。クラブの公式サイトによると、契約は2018年6月30日までの期限付き移籍となった。

このポルティモネンセとは一体どのようなクラブなのか。ふとぽるは、開設当初よりポルティモネンセについては特に頻繁に取り上げてきた。その理由はただ1つ。「ポルトガルで最も日本への理解が深いクラブ」であるためだ。

ただ日本では、このポルティモネンセは、一部鹿島サポーターを除き、まだまだ認知度の低いクラブのように思える。そこで今回は、中島翔哉が移籍するポルティモネンセを語る上で欠かせない8つの特徴をご紹介したい。

(以下、緑字から該当記事にリンクできます)

今季よりポルトガル1部に復帰

2016-17シーズン、2部リーグを圧倒的な強さで優勝したポルティモネンセは、2017-18シーズンから1部リーグへ復帰。ポルトやベンフィカ、スポルティングなど、世界的な名門クラブが並み居る激戦リーグに挑む。すでに第3節を終え、ブラガとリオ・アベの強豪2チームには敗れたものの、残留を争うライバルであるボアビスタとの開幕戦を2-1で制すなど、1部残留も十分狙えるチームだ。

かつては金崎夢生が10番として所属

ポルティモネンセが、最も日本と関わりの深いクラブになった最大の理由は、鹿島アントラーズFW金崎夢生の存在。2013-14シーズンに当時2部に所属していたポルティモネンセにニュルンベルクより金崎が加入した。そして、翌年2014-15シーズンには、10番を背負い、チームのエースとして21試合で11ゴールを記録。シーズン途中に鹿島アントラーズへのレンタル移籍が決まった。2015-16シーズンには、レンタル中の鹿島からポルティモネンセへ復帰し、直後に完全移籍で鹿島に電撃復帰するなど、珍しい「往復移籍」でポルトガルメディアを賑わしたが、現在もポルティモネンセが金崎の保有権の20%を保持している。

現在は元鹿島FWファブリシオと日本人FW亀倉龍希が所属

鹿島サポーターの間では、このポルティモネンセの知名度は高い。2016-17シーズンにポルティモネンセから鹿島へファブリシオがレンタル移籍していたためである。このファブリシオといえば、川崎フロンターレとの天皇杯ファイナルで決勝ゴールを沈め、クラブに19つ目のタイトルをもたらした立役者。復帰したポルティモネンセでも、現在はエースFWとして活躍している。

また、中島翔哉と関係が深いという意味では、東京ヴェルディユース出身の亀倉龍希も所属していることを言及せずにはいられない。2013-14シーズンにポルトユースからポルティモネンセへレンタル移籍した亀倉は、今年で同クラブでの5シーズン目を迎える。クラブをよく知り、ポルトガル語も堪能な亀倉の存在は、中島がチームに馴染むうえで大きな助けになることだろう。

現在クラブのTDを務めるのは元浦和ポンテ

クラブの海外交渉担当テクニカルディレクターを、元浦和レッズの10番ロブソン・ポンテ氏が務めている。

今夏は、ポルティモネンセから2選手が来日

2017-18シーズン開幕に備えた夏、ポルティモネンセは2選手を日本クラブへ移籍させた。マリティモと50%ずつの保有権を保持していたマウリシオ・アントニオを浦和レッズへ、そして、ブラジル人FWブバを岡田武史氏が会長を務めるFC今治へ送り出した。なお、マウリシオの浦和移籍ついては、前述のポンテ氏が絡んでいた。

日本人選手が頻繁に練習参加

専修大学FW葛谷将平FC今治の3選手など、日本人選手が頻繁に練習に参加している。

現在チームを率いるのは、ポルトガルきっての「昇格王」

現在チームを率いるビトール・オリベイラ監督は、ポルトガルでも有数の「超」がつく名将。昨季ポルティモネンセを1部リーグに導いたことで、5年連続で2部クラブを昇格に導き、これまで合計10クラブを1部に引き上げた「昇格王」である。ポルトガルを代表する名将の指導を受けることは、中島翔哉のキャリアにおいてもプラスになることだろう。

若手選手は、活躍次第でポルトガルのビッグクラブからの関心も

20歳の若手ブラジル人FWブルーノ・タバタが、昨季リーグ4位の強豪ビトーリア・ギマラインスから注目されていることが報じられた。活躍次第では、このギマラインスやブラガ、また、スポルティングにポルト、ベンフィカなど、ポルトガルのビッグクラブに引き抜かれることもある。

以上、ポルティモネンセの特徴を8つご紹介した。このように、中島翔哉の新天地は、日本人にとってプレーしやすい環境が整い、かつ、世界的なビッグクラブとの対戦やポルトガルを代表する名将からの指導も経験できる理想的な移籍先といえる。中島の活躍次第では、ポルトやベンフィカ、スポルティング、ブラガ、ギマラインス、リオ・アベなど、欧州のメガクラブもスカウトを派遣する名門クラブへ移籍する可能性もあるだろう。

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【保存版】17-18季、ポルトガル1部全18チームの監督人事と3名の注目監督を紹介!

ベンフィカの4連覇で幕を閉じたポルトガルリーグ2016-17シーズン。昨季もベンフィカの強さが際立った1年になったが、特筆すべきは、何と言っても、異常なまでの監督の流動性だろう。昨季は、1部所属18チーム中13チームが監督を途中交代させ、そのうち6チームは2度も指揮官を入れ替えた。1年に19回もの監督交代が行われるなど、世界でも類を見ないほどに、ポルトガルリーグの監督にとっては厳しい1年となった。

来たる2017-18シーズンも、10数回は監督交代が行われることだろう。新シーズンを迎えるにあたり、1部所属全18チームが昨季どのように監督を入れ替え、今季は誰を指揮官に据えてシーズン開幕を迎えるのか整理した。ぜひ、新シーズンの監督名鑑としてご利用頂きたい。

ベンフィカ:ルイ・ビトーリア

1位 ベンフィカ
ルイ・ビトーリア(続投)

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就任2年目の昨季は、前年のリーグ得点王・年間MVPであるジョナスが負傷離脱に悩まされるなど、リーグ2連覇に一時暗雲が立ち込めた。それでも、シーズン途中にパリ・サンジェルマンへ移籍したゴンサロ・グエデスや、リーグ最優秀若手選手に選ばれたRSBネウソン・セメード、リーグ最優秀GKに選ばれたエデルソン・モラエスら、監督自身が1年目に抜擢し、重宝した若手選手がチームの中心選手としてたくましく成長した。初年度に植えた種を見事に花開かせ、リーグ2連覇を達成。ジョルジ・ジェズス期から続き、ベンフィカにリーグ4連覇の快挙をもたらした。

就任3年目となる今季は、リーグ5連覇に向け最大の正念場となる。2シーズン前にビッグクラブへ羽ばたいたレナト・サンチェス(バイエルン)に続き、今季は前述のグエデスのみならず、セメード(バルセロナ)やエデルソン(マンチェスター・シティ)、CBビクトル・リンデロフ(マンチェスター・ユナイテッド)ら「ビトーリア・チルドレン」が一斉に退団。プレシーズンに行われたヤングボーズとのテストマッチでは1-5で大敗するなど、早速チーム状況が心配されている。

リーグ3連覇の快挙を達成するためにも、ルイ・ビトーリアには、就任1年目のように無名な若手選手を、ルイゾンやジョナス、ミトログルら経験豊富なベテラン選手と高度に融合させることが求められる。「第2期ビトーリア・チルドレン」を輩出しないことには、リーグ5連覇の夢はライバルに阻まれてしまうことだろう。

ポルト:セルジオ・コンセイサオン

2位 ポルト
ヌーノ・エスピリト・サント(今季:ウルバーハンプトン)
→セルジオ・コンセイサオン(前季:ナント)

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かつてアンドレ・ビラス・ボアスビトール・ペレイラが成し遂げたリーグ3連覇の黄金時代も今や昔。パウロ・フォンセッカ、フレン・ロペテギ、そしてヌーノ・エスピリト・サントと、監督を取っ替え引っ替えし、チームは安定性を喪失。タイトルから長らく見放されている。昨季はバレンシアで名声を高めたクラブOBヌーノでも、王座奪還とはならず。リーグ戦では、ペレイラのもと無敗優勝を成し遂げた2012-13シーズン以来となるリーグ戦ホーム無敗を達成したものの、得点力不足に悩まされ、全コンペティションを通したドローの回数は、クラブ史上最多となる16回という不名誉に。ヌーノ・エスピリト・サントは、シーズン終了後に事実上の解任の形で、愛する古巣の監督を自ら辞した。

新監督に迎えられたのは、2年連続となるクラブOB。かつてモウリーニョが率いたポルトでもプレーした元ポルトガル代表FWセルジオ・コンセイサオンが就任した。ベンフィカやスポルティングらライバルと比較して、移籍市場では全くと言っていいほど動きを見せなかったポルトにとっては、ブラガやビトーリア・ギマラインスなど、ポルトガル屈指の強豪クラブでキャリアを積んだ監督自身が最大の補強に。ポルトガル代表期待の若手FWアンドレ・シウバをミランに放出したが、プレシーズンはエースFWチキーニョ・ソアレスと、ベシクタシュから復帰したバンサン・アブバカルの2人が絶好調。ニースからRSBリカルド・ペレイラも復帰するなど、最小限の補強と、ロペテギ・ヌーノ時代に冷遇された選手たちの復帰により、監督が望むベストな布陣が整った。

開幕のエストリル戦に向けては、平日開催ながら4万枚のチケットがすでに販売されるなど、ポルティスタからの期待も一際厚い。王座奪還へ、今季のポルトは一味違う。

スポルティング:ジョルジ・ジェズス

3位 スポルティング
ジョルジ・ジェズス(続投)

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イスラム・スリマニとテオ・グティエレスの2枚看板を失い、シーズン開幕前から前線の陣容が心配されたスポルティング。一昨年は就任1年目のジョルジ・ジェズスのもと、リーグ王者まで勝ち点2差まで迫っていたが、昨季は厳しいシーズンになることが予想され、案の定、一時ブラガに3位の座を奪われるなど苦戦が続いた。それでも、リーグで唯一30ゴールの大台を超え得点王に輝いたバス・ドストと、ポルトガル代表にも定着したアシスト王ジェウソン・マルティンスの2人に支えられ、何とか3強の地位は死守した。

今季は就任3年目となるジョルジ・ジェズスに、もう戦力が十分ではないとの言い訳は許されない。クラブは、かつてベンフィカで国内3冠を達成した名将を援護すべく、これまでのクラブ史の中でも類を見ないほどに積極的な補強を実施。リオ五輪ポルトガル代表10番ブルーノ・フェルナンデスや、CSKAモスクワで本田圭佑とプレーしていたセイドゥ・ドゥンビア、ジョルジ・ジェズスのベンフィカ時代の教え子ファビオ・コエントラン、そして、バルセロナからジェレミー・マテューを獲得するなど、ポルトガル国民も驚く大型補強を敢行した。

プレーシーズンマッチでは、昨季CLベスト4のモナコに2-1で勝利するなど、メンバーがガラッと変わったチームの連携もまずまず。ベンフィカ時代から多くの選手を引き抜かれながら強固なチームを築き上げてきたジョルジ・ジェズスにとっては、ゼロからチームを作り直すのはお手の物。2001-02シーズン以来となるタイトル奪還へ。今季はサポーターも大いに期待できる1年になりそうだ。

ビトーリア・ギマラインス:ペドロ・マルティンス

4位 ビトーリア・ギマラインス
ペドロ・マルティンス(続投)

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9年ぶりに北のライバル、ブラガを上回り、リーグ4位の快挙を成し遂げたギマラインスは、国内屈指の名将になりつつあるペドロ・マルティンスが、引き続きチームを指揮。新監督を探していたポルトや、国外ではオリンピアコスなどからの引き抜きの噂もあったが、ひとまず監督の慰留に成功した。

昨季は、シーズン途中にチキーニョ・ソアレスがポルトに引き抜かれる中、エースFWムサ・マレガが奮闘。しかし、同選手は今季からポルトへレンタルバックしており、前線の破壊力は昨季に比べてやや物足りない印象。ELに出場するポルトガルクラブの多くはリーグ戦で調子を落とす傾向があるため、今季は踏ん張りどころだ。

ブラガ:アベル・フェレイラ

5位 ブラガ
アベル・フェレイラ(続投)

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昨季は、50年ぶりにカップ戦のタイトルをもたらしたパウロ・フォンセッカがシャフタールに引き抜かれ、ポルトからジョゼ・ペゼイロを招聘。リーグでは4位以上を維持し、開幕から最低限の結果を残していたが、ディフェンディング・チャンピオンとして臨んだポルトガルカップで、2部コビリャン相手にまさかの敗退を喫したことを機に、突然の監督解任。ここから雪崩のようにチーム状況は悪化した。

後任として、昇格組シャービスでリーグ7位と奮闘していた国内きっての若手監督ジョルジ・シマオンを引き抜くも、若き名将もシーズン途中からではチームを上向きにできず、失意の途中解任に。最終的には、アシスタントコーチであるアベル・フェレイラが、今季の監督にも落ち着いた。

今季の最低条件は、ギマラインスからのリーグ4位奪還。戦力としては、スポルティングからリカルド・エスガイオとジェフェルソンをダブルで獲得し、DFラインの両翼を大幅に強化。シーズン9ゴールを決めたリカルド・オルタもマラガから完全移籍するなど、リーグ4位奪還に向け陣容は万全だ。38歳の青年監督にとっては、名将へのキャリアを築くにあたり勝負の1年となる。

マリティモ:ダニエル・ラモス

6位 マリティモ
ダニエル・ラモス(続投)

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昨季は新監督パウロ・セーザル・グスマオンが振るわず、シーズン開幕当初から絶不調に。しかし、早々に監督解任の手を打ったことが奏功し、終わってみればリーグ6位と大健闘した。

今季は、後半戦の躍進を主導したダニエル・ラモスがシーズン開幕からチームを指揮するため、リーグ5位以上も射程圏内だろう。2部クラブが主戦場であった同監督にとっても、1部の主要クラブで自身の手腕を見せつける絶好のチャンスとなる。

リオ・アベ:ミゲウ・カルドーゾ

7位 リオ・アベ
ルイス・カストロ(今季:シャービス)
→ミゲウ・カルドーゾ(前季:シャフタール アシスタントコーチ)

上位進出を狙った昨季は、新監督ヌーノ・カプーショが途中解任。新監督として、前年にアンドレ・シウバを主力に据えてポルトBで2部優勝に輝いたルイス・カストロを招聘。見事、同監督はチームを7位に引き上げ、今季はシャービスに引き抜かれた。

新監督には、昨季シャフタールでパウロ・フォンセッカ監督のもとアシストコーチを務めたミゲウ・カルドーゾが就任。フォンセッカのアシスタントは、前任者ルイス・カストロと通ずるものがあるが、カルドーゾは、スポルティングやブラガ、アカデミカなどでドミンゴス・パシエンシア(現ベレネンセス)のアシストコーチも歴任しており、ポルトガルリーグでの経験は十分。近年ポルトガルリーグの上位チームに割り込みつつあるリオ・アベで上位進出ができれば、名アシスタントから名監督への道が拓けることだろう。

フェイレンセ:ヌーノ・マンタ

8位 フェイレンセ
ヌーノ・マンタ(続投)

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2部リーグ3位から1部に昇格したフェイレンセは、降格の最有力候補とみられていたが、周囲の期待を良い意味で裏切り、リーグ8位とまさかの大躍進を遂げた。

その立役者となったのが、ジョゼ・モッタ解任後に途中就任したヌーノ・マンタであった。監督としてフェイレンセ一筋でキャリアを積み上げてきた39歳の青年監督は、今季より、ついに念願叶いシーズン開幕からトップチームを率いることに。昨季後半戦からの勢いを維持できれば、上位進出も夢ではない。

ボアビスタ:ミゲウ・レアウ

9位 ボアビスタ
ミゲウ・レアウ(続投)

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昨季はクラブOBエルウィン・サンチェスを途中解任し、ミゲウ・レアウを招聘。モレイレンセを1部昇格に導いた名将に、今季もチームを託す。ボアビスタは、2014-15シーズンに不正疑惑が晴れ、3部から1部に復帰してからすでに4シーズン目。リーグ優勝経験のある5チームの一角として、そろそろ古豪復活といきたい。

エストリル:ペドロ・エマヌエル

10位 エストリル
ペドロ・エマヌエル(続投)

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昨季は2度の監督交代を敢行するなどチームは大混乱。クラブのレジェンド監督マルコ・シウバ(現ワトフォード)が退任して以来、当初想定されていた「暫定監督」としては異例と言えるほど長らく指揮を執ったファビアーノ・ソアレスもついに解任された。後任のペドロ・ゴメス・カルモーナも早々に見限り、クラブはキプロスのアポロン・リマソールで実績を積んだ若き名将ペドロ・エマヌエルに救いを求めた。

無事、13-14シーズンに4位となったエストリルの面目を保ち残留は決定。今季は、ジョゼ・モウリーニョのポルトでプレーし、アンドレ・ビラス・ボアスのアシスタントとしてリーグ無敗優勝を果たすなど驚異のDNAを持つ指揮官のもと、上位返り咲きを果たしたい。ペドロ・エマヌエルは、マルコ・シウバ以来となるクラブの英雄となれるか。

シャービス:ルイス・カストロ

11位 シャービス
リカルド・ソアレス(今季:アービス)
→ルイス・カストロ(前季:リオ・アベ)

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シーズン途中に、国内屈指の若手監督ジョルジ・シマオンをブラガに引き抜かれる中、リーグ11位でシーズンを終えるなど、昇格組としては大健闘。監督リカルド・ソアレスは、来季より昇格するアービスに引き抜かれた。

今季は、リオ・アベを7位に導いたルイス・カストロと2年契約を締結。ポルトの育成年代を長らく支えてきた同監督にとって、シーズン開幕からトップチームを率いるのは、2005-06シーズンのペナフィエル以来となる。ポルトの裏方の人間から、いよいよその名を全国に知らしめることができるか。

ビトーリア・セトゥバル:ジョゼ・コウセイロ

12位 ビトーリア・セトゥバル
ジョゼ・コウセイロ(続投)

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かつてはポルトやスポルティングなどのビッグクラブで監督を歴任したが、近年は国外を含め所属クラブを転々。14-15シーズンにはマルコ・シウバが築いたエストリルをぶち壊すなど、最近ではすっかり「過去の人」となってしまったジョゼ・コウセイロ。しかし昨季は、18チーム中監督が解任されなかった5チームの監督のうちの1人となり、思わぬ形で脚光を浴びた。(残りの4チームが、ベンフィカ、ポルト、スポルティング、ギマラインスの上位4チームだったからなおさらだろう)

今季は、ポルトがクラブの将来を担うと期待を寄せる2名、リオ五輪ポルトガル代表エースFWゴンサロ・パシエンシアと、世代別代表の常連であるトーマス・ポズタウスキーらが加入するなど、若い力がチームに参画。戦力は整ったが、あとは監督自身が名誉挽回のチャンスをものにできるか。

パソス・デ・フェレイラ:バスコ・セアブラ

13位パソス・デ・フェレイラ
バスコ・セアブラ(続投)

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パウロ・フォンセッカとジョルジ・シマオンが、上位の常連チームに育てあげたパソスだが、昨季はカルロス・ピントのもと、かつてのような下位チームに逆戻り。シーズン途中に就任した33歳の若手監督バスコ・セアブラのもと、何とか降格は免れた。

続投となるバスコ・セアブラにとっては、来季は1部のトップチーム監督して迎える初めてのシーズン。かのビラス・ボアスがポルトで伝説の4冠を成し遂げたのは、現在のセアブラと同じ33歳のとき。若手監督としてひとつ抜きん出るために、今季は目に見える結果を残したい。

ベレネンセス:ドミンゴス・パシエンシア

14位 ベレネンセス
ドミンゴス・パシエンシア(続投)

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昨季は期待を一身に浴びたフリオ・ベラスケスがシーズン途中にまさかの辞任。その後任として監督就任したキン・マシャードは、チーム状況を悪化させ早々にお役御免。ポルトのレジェンドFWであるドミンゴス・パシエンシアが、62年ぶりのスポルティング戦勝利など奮闘し、何とか残留を達成した。

ブラガ時代には、EL決勝でビラス・ボアス率いるポルトと激戦を繰り広げたパシエンシアだが、近年はスポルティングやビトーリア・セトゥバル、その他海外クラブでもいまいち結果を残せずにいる。名誉挽回に向け、今季こそはこの古豪クラブを上位に導かなくてはならない。

モレイレンセ:マヌエル・マシャード

15位 モレイレンセ
プティ
→マヌエル・マシャード(前:アロウカ)

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昨季はリーグ杯でポルトやベンフィカ、ブラガなど強豪クラブを次々と打ち破り、まさかの初優勝を飾ったモレイレンセだが、リーグでは低迷を続け、ペパとアウグスト・イナーシオの2人の監督を解任した。シーズン末まで指揮を執ったプティが、ポルトとの大一番に勝利するなど、何とかチームを残留に導いたが、シーズン末には同監督もクラブと双方の合意のもと契約を解消した。

モレイレンセは新監督として、61歳の老将マヌエル・マシャードと単年契約を締結。同監督は昨季、5シーズン率いたナシオナルを解任され、チームはのちに最下位に沈み降格。また、シーズン途中から率いたアロウカでも、早期に解任され同じくのちに降格するなど、関わった2チームがともに降格する見事な疫病神っぷりを発揮。大宮アルディージャへ移籍した昨季の中心選手カウエも退団するなど、今季は残留に向けまさに正念場。疫病神に足を取られ、再び2部に落ちるのだけは避けたいところだ。

トンデーラ:ペパ

16位 トンデーラ
ペパ(続投)

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新シーズンは、シーズン途中に就任したペパと契約を1年延長。同監督は、2010-11にアシスタントコーチとして率いたチームへの残留を決めた。昨季は開幕から長らく最下位に沈み、プティも退任するなど低迷を続けたが、ペパの監督就任もあり、前半の勝ち点「10」から、後半は「22」を上積み。昨季後半戦の勢いそのままに、早いうちに残留を決めたい。

ポルティモネンセ:ビトール・オリベイラ

2部1位 ポルティモネンセ
ビトール・オリベイラ(残留)

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昨季はポルティモネンセを2部リーグ優勝に導き、自身は5年連続10回目の1部昇格を達成したビトール・オリベイラ。例年、昇格の任務を終えると他の2部クラブへ引き抜かれる同監督だが、今季はポルティモネンセに残留し、2004-05シーズンぶりに強豪並み居る1部に挑戦。ポルトガルいちの「昇格王」は、久々の1部リーグに爪痕を残せるだろうか。日本でも馴染み深い元鹿島FWファブリシオと、日本人FW亀倉龍希の2選手にも注目だ。

アービス:リカルド・ソアレス

2部2位 アービス
ジョゼ・モッタ(今季:スファクシアン(チュニジア))
→リカルド・ソアレス(前:シャービス)

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後半に怒涛の追い上げを見せ、圧倒的首位に立っていたポルティモネンセから一時王者の座を奪いかけたアービス。今季はシャービスからリカルド・ソアレスを引き抜き、1部定着に挑む。

注目監督

1.ペドロ・エマヌエル(エストリル)
記事中でもご紹介したように、驚異のDNAを持つ、次期ポルトガル人名監督候補のひとり。マルコ・シウバ以来となるエストリル上位復活の鍵を握る。

2.バスコ・セアブラ(パソス・デ・フェレイラ)
パウロ・フォンセッカはパソスでリーグ3位の奇跡を起こした翌年にポルトへ。ジョルジ・シマオンもリーグ7位から回り回ってブラガへ。近年パソスを上位に導いた若手監督にとって、同クラブはビッグクラブへの登竜門的な存在となりつつある。今季のポルトガルリーグでも、33歳と飛び抜けて若いセアブラにとっては、今季の成績次第では名門クラブ行きも夢ではなくなる。

3.ヌーノ・マンタ(フェイレンセ)
降格の最有力チームを8位に導いた手腕はお見事。シーズン開幕からチームを指揮できる今季は、さらなる上位進出も期待できる。リオ五輪で日本代表相手に4得点を沈めたチームの10番エテボ・オグヘネカロの残留次第では、今季のポルトガルリーグでフェイレンセが台風の目になる可能性は十分に考えられる。

以上、2017-18シーズンの1部18チームについて、監督人事を紹介した。今季は歴史上初めて1部・2部の全クラブが、ポルトガル人指揮官を監督に据えて新シーズンを迎える。今年もこの中から、将来世界のビッグクラブに羽ばたく人材が生まれることを期待したい。

僕のポルトガル時代13-14シーズンを戦った監督たちの出世具合がハンパない件

ポルトの新監督にセルジオ・コンセイサオンが就任した。本サイトのニュース記事に使う写真を探していると、当時ポルトを率いていたパウロ・フォンセッカと、当時アカデミカ監督であったコンセイサオンが並んで写る写真があることを思い出した。

そういえば、僕がポルトガルに住んでいた2013-14シーズンの監督たちは、このフォンセッカやコンセイサオンを含め、今では世界中にその名が知れ渡りつつある。そう思い、ポルトガルリーグ14-15シーズン開幕前に執筆した全1部クラブの監督人事の記事を読み返すと、当時は世界的にはまだまだ無名で、当然日本でも知られていないが、今ではここ日本でもその名が知れ渡るほどに、大出世を遂げている監督が続々と見つかった。

そこで今回は、僕がポルトガルに住んでいた13-14シーズンにはまだまだ無名だったものの、今ではすっかり世界的に有名になった監督たちを紹介していきたい。

(以下、順位と所属クラブは13-14のデータ)

1位 ベンフィカ
ジョルジ・ジェズス(現スポルティング)

なかなか海外クラブを率いる経験がないことから、世界的にはイマイチ知名度があがらないジョルジ・ジェズスだが、当時13-14シーズンのポルトガルでの知名度は今回紹介する監督の中でもトップ。この年は、不調に沈んだリーグ3連覇王者ポルトを上回り、見事ベンフィカにタイトルを取り戻した。翌シーズンは、国内3冠とELでも2年連続決勝に進出するなど、急速にその評価を高め、現在はスポルティングでベンフィカ時代の成功を再現しようとしている。

2位 スポルティング
レオナルド・ジャルディン(現モナコ)

13-14シーズンの1年間だけスポルティングを率い、見事前年7位のチームをCL圏内に引き上げたのが、今ではフランスリーグ制覇とCLベスト4進出ですっかり有名になった現モナコ監督レオナルド・ジャルディン。この年ポルトガルリーグを率いた監督の中でも、その出世具合は圧倒的だろう。

また、当時のスポルティングに所属していたのは、RSBセドリック・ソアレス(サウサンプトン)やCBマルコス・ローホ(マンチェスター・ユナイテッド)、FWイスラム・スリマニ(レスター)、そして現在もクラブでプレーするポルトガル代表MFウィリアン・カルバーリョアドリエン・シウバなど、レオナルド・ジャルディンが抜擢した若手~中堅の選手たちの知名度の上がり具合も、眼を見張るものがある。

3位 ポルト
パウロ・フォンセッカ(現シャフタール)

この年は、アンドレ・ビラス・ボアスビトール・ペレイラが達成したリーグ3連覇中のポルトに4連覇をもたらすという重責が課せられ、そのプレッシャーに負けたのか、残念ながら途中解任となり、ビッグクラブには相応しくないというレッテルを貼られてしまったフォンセッカ。しかし、前年に弱小パソスをリーグ3位に導いた手腕に疑いの余地はなく、その後はブラガに50年ぶりにカップ戦のタイトルをもたらし、今シーズンはシャフタールでウクライナリーグとカップ制覇の2冠に輝くなど、名誉挽回に成功。ウクライナリーグ最優秀監督に輝き、その知名度はうなぎのぼりだ。

4位 エストリル
マルコ・シウバ(現ワトフォード)

(残念ながら、現地で撮影した写真はなし)

レオナルド・ジャルディンにつぎ、当時からの出世具合がハンパないなのが、エストリルを4位に導いたマルコ・シウバだ。クラブの英雄として最期のシーズンを送った13-14の翌年には、スポルティングの監督に就任。クラブ会長との不仲を理由に1年で解任されたが、スポルティングに7年ぶりのタイトルをもたらしていた。またこの年は、田中順也があのブラガ戦での直接FKを披露するなど、日本でもよく知られる監督となった年であった。

その後は、オリンピアコスでリーグ開幕17連勝21戦無敗の新記録を打ち立て、今シーズンはハル・シティでプレミアリーグを席巻するなど、すっかり世界のフットボール界ではホットな監督へと出世。来季はワトフォードを率いることが決まっている。

6位 マリティモ
ペドロ・マルティンス(現ビトーリア・ギマラインス)

(残念ながら、現地で撮影した写真はなし)

マリティモでの集大成となった13-14シーズン、ペドロ・マルティンスはクラブを6位に導き、翌年にはリオ・アベが監督として抜擢。この中堅2クラブを上位に導いた手腕が評価され、今シーズンはビトーリア・ギマラインスへ。見事、ライバルのブラガを抑え、リーグ4位に躍進した。いよいよポルトガルリーグを飛び越え、オリンピアコスなど海外クラブが注視し始めるなど、国内で知る人ぞ知る優秀な監督という立場から、ポルトガルリーグではトップクラスの名将として評価を高めつつある。

8位 アカデミカ
セルジオ・コンセイサオン(現ポルト)

13-14シーズンにポルトを解任されたパウロ・フォンセッカにとって、当時アカデミカを率いていたセルジオ・コンセイサオンは忘れられない存在となった。僕がこの写真を撮影したコインブラでの一戦でポルトはまさかの敗戦を喫したが、この辺りから、フォンセッカの手腕に疑問が噴出し始め、後の解任へと繋がった。

選手としては有名だったが、13-14シーズンのコンセイサオンは、監督としてはまだまだ駆け出しの存在。しかし、その後はブラガを4位、降格圏に沈んでいたギマラインスを10位に導くなど、国内では指折りの若手監督のひとりに。今季は初めてトップチーム監督として海外リーグに挑戦し、モナコでリーグ制覇を達成したレオナルド・ジャルディンとともに、ナントでその知名度を高めた。そして来季からは、古巣ポルトを指揮する。

10位 ビトール・ギマラインス
ルイ・ビトーリア(現ベンフィカ)

(残念ながら、現地で撮影した写真はなし)

この監督は、まるでノーマークだった。13-14シーズンのギマラインスはリーグ10位で、前掲の監督人事の記事でも、書く内容に困ったのはご覧の通り。

しかし、翌年にギマラインスを5位に導き、そのまた翌年にはベンフィカの監督に就任すると、シーズン序盤は解任の噂が生じるなど苦戦したが、終わってみれば初年度からリーグ制覇とCLベスト8進出を達成。今季はベンフィカにリーグ4連覇をもたらし、すっかり国内No.1の評価を得る名将へと出世した。

このルイ・ビトーリアの手腕は若手育成の面でも発揮され、彼がベンフィカで重宝した若手選手は、下記の通り、続々とビッグクラブへと羽ばたいていった。

レナト・サンチェス→バイエルン
ゴンサロ・グエデス→パリ・サンジェルン
エデルソン・モラエス→マンチェスター・シティ
ビクトル・リンデロフ→マンチェスター・ユナイテッド(移籍合意が正式発表の段階)

11位 リオ・アベ
ヌーノ・エスピリト・サント(現ウルバーハンプトン)

リーグでは11位ながら、この年ポルトガルカップとリーグカップの2つのカップ戦で決勝に進出するなど、実は大躍進を遂げていたリオ・アベ。そんなクラブを率いていたのが、ヌーノ・エスピリト・サントだ。翌年にはバレンシアへ羽ばたき、日本を含めた世界中のフットボールファンから「誰だ」と声が相次いだが、その実力はスペインで実証済み。前年にポルトガルの中位クラブであるリオ・アベを率いていたとはにわかに信じがたいほどの出世を遂げた。今季はポルトを1年で退任することになったが(辞任とされているが、おそらく独裁者ピント・ダ・コスタ会長の圧力による事実上の解任だろう)、チームは得点力不足に悩まされ引き分けまみれとなるなか、ホームでは無敗と実は良い成績を残していた。継続性のなさというポルトの悪い癖が出た監督人事となったが、ヌーノ・エスピリト・サントは、友人ジョルジ・メンデスのツテで早くも新たな挑戦の場を獲得。来季はイングランドチャンピオンシップのウルバーハンプトンを率い、名誉挽回に挑む。

他にも、13-14シーズン当時はアロウカを率い、その後はアポロン・リマソールを経て、今季エストリル監督に途中就任したペドロ・エマヌエルや、当時はベレネンセスを降格から救い、今ではCLにも度々登場するマッカビ・テル・アビブを指揮するリト・ビディガルなどもいた。

ポルトに住んでいた当時は、アンドレ・ビラス・ボアスも去り、選手としてはラダメル・ファルカオやフッキ、ハメス・ロドリゲス、ジョアン・モウティーニョらも退団し、パウロ・フォンセッカ率いるポルトへの期待感の薄さも相まり、「ポルトガルリーグの谷間の時期に不運にもポルトガルに来てしまった」と物足りなさを感じていた。実は毎週ドラガオン・スタジアムで観戦していたリーグ戦の監督席には、今ではすっかり世界的な名将の仲間入りを果たそうとしている「監督の原石」が大量に眠っていたのは知る由もなかった。

リーグ無敗優勝のレジェンド監督が、好調の古巣ポルトに言及「追い上げの圧力に耐えられるか」

『O JOGO』

上海上港を率いるアンドレ・ビラス・ボアスが、ポルトガルリーグ開幕以降7試合で全勝を飾り、単独首位に立つ古巣ポルトについてコメントした。

2010-11シーズンにポルトを率い、ポルトガルリーグ無敗優勝、ポルトガルカップ、EL、そしてポルトガルスーペルタッサの「4冠」を獲得し、ポルトミュージアムに自身の像が建てられるなどクラブのレジェンドとなった同監督。ポルトでの戦績は49勝5分4敗と圧倒的な強さを見せつけていた。リーグでは常に首位に立ち、無敗を続けるプレッシャーと戦っていたビラス・ボアスらしい言葉を残した。

「大変素晴らしいスタートを切り、この上ない期待を感じられる。ベンフィカのような直接のライバルが勝ち点を落としているのがなおのこと良い。シーズン終了時までこのようにいられること(ライバルと勝ち点差を維持していること)を願っている。だがそれは、追い上げてくるプレッシャーに耐え得るポルト自身の力にもかかっている」

近年、フレン・ロペテギ監督やヌーノ・エスピリト・サント監督に率いられてきたポルトは、冬以降の失速によりベンフィカに王座の座を受け渡してきた。4冠を達成したレジェンド監督のアドバイス通り、プレッシャーに耐え我慢強く1試合1試合を戦えば、2012-13シーズンぶりのリーグ優勝も現実的だろう。ここから先は、新監督セルジオ・コンセイサオンのチームマネジメント力が問われてくるに違いない。

©FutePor -ふとぽる-

ポルト相手にゴールの中島翔哉を「勇敢なポルティモネンセを映す鏡」と絶賛

『maisfutebol』

開幕から無敗を維持するポルトを相手に、チームとしては5-2と大敗を喫してしまったものの、個人としては、リーグ屈指のCBフェリペをかわし、元スペイン代表のレジェンドGKイケル・カシージャス相手にゴールを奪った中島翔哉。加入したばかりながら、早くもリーグ3点目を記録し、ポルトガルメディアにおける注目度は日に日に増している。

『maisfutebol』は、この日のゲームに関する記事のうち、2本の記事において中島翔哉について言及。1本目の記事では、中島がカシージャス相手にゴールを決めたシーンを振り返り、「この日本人の技術的クオリティが垣間見えたシーン。カシージャス相手にトリベーラを決めた。翔哉は、(チームメイトの)パウリーニョと同じく、ポテンシャルの高いクラッキだ」と、昨季チーム最多得点を記録した主軸とともに中島翔哉を評価した。

また、この試合で活躍した選手を紹介した2本目の記事では、2ゴールを決めたポルトFWヤシン・ブライミを最も際立った選手として紹介したのち、その他活躍選手のコーナーで、得点を決めたポルトのマルカーノ、バンサン・アブバカル、ムサ・マレガらを差し置き、中島翔哉を一番最初に紹介。「すでにシーズンは開幕していたが、良い時期にポルティモネンセに日本人が現れた。シャービス戦で途中出場からデビューし、ベンフィカ戦でスタメンにステップアップし、フェイレンセ戦で2ゴールを決めた。ポルト戦では、ボールタッチはまたも期待を裏切ることはなく、ポルティモネンセが試合に臨んだ果敢な姿勢を映す鏡であった。ドリブルで強さを見せ、1対1の場面で速く、ゴールに照準を合わせて向かっていた。荒々しく、疲れ知らず。スコアを3-1まで縮めたトリベーラは一級品であった」と、強豪相手にも怯まず自身の武器を見せつけた中島を称賛した。

3強の一角ベンフィカを苦しめ、そしてこの日はポルト相手にゴールを決めた中島翔哉。今後のさらなる活躍を確信せずにはいられない、そんなドラガオンデビュー戦となった。

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【動画付き】中島翔哉、ポルト相手にゴール!カシージャス攻略もチームは5-2で大敗

ポルトガルリーグ第7節、ポルト対ポルティモネンセの一戦がドラガオン・スタジアムで行われ、ホームのポルトが5-2で大勝した。

開幕から6戦全勝のポルト相手にチームは敗れたものの、ポルティモネンセ中島翔哉は、ベンフィカ戦に次いで3強相手に大きなインパクトを残した。ポルトが3-0でリードする前半36分、中島はポルトDFの裏へ抜け出しパスを受けると、昨季のリーグベストイレブンでユベントスからの関心も伝えられていたブラジル人DFフェリペを鋭い切り返しでかわし、右足から繰り出したトリベーラで、イケル・カシージャスが守るゴールネットを揺らした。ポルトはこの失点で、リーグのホーム戦で維持していた無失点記録が307分で途絶えた。

チームは敗れてしまったが、中島翔哉は、マリティモ時代の相馬崇人に次いで、ドラガオン・スタジアムでゴールを決めた2人目の日本人に。ポルトガルの地で十分すぎるインパクトを残した。

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「日本へ戻ることも夢見ている」元鹿島FWファブリシオがロングインタビューに応じる

『Público』

今季より昇格したポルティモネンセのエースとして、強豪並み居るポルトガル1部リーグで戦うファブリシオ。かつて鹿島アントラーズでプレーした、日本でも馴染みの深い同選手が、ポルトガルメディアのロングインタビューに応じた。王者ベンフィカ戦でゴールを沈め、日に日にポルトガルでの注目度が増しているファブリシオは、ポルティモネンセへの愛情のみならず、「一番辛い時期から救ってくれた」日本への想いも語った。

-ポルトガルで6年が経過し、ついに1部リーグに到達しました。主にどのような違いがありますか?

ファブリシオ:
時間がかかってしまったね。でも、僕をヨーロッパに連れて来てくれたポルティモネンセで1部リーグを戦えて、夢が叶った。とても幸せだよ。この6年間は本当に良かった。1部のチームから何度もオファーをもらっていたけど、ずっとポルティモネンセが昇格できると信じていた。時間はかかり過ぎてしまったね。ある年は勝ち点4差まで迫り、昨季は勝ち点で並びながら得失点差で昇格できなかった。時間はかかったけど失敗ではない。(先日の)リーグ、フェイレンセ戦のようにね。良いプレーをしながらいつも負けてきた。でも、いつに勝利の瞬間が訪れた。

-1部の方がプレーしやすいですか?

1部は、フットボール、そして質の面でずっと良いね。スタジアムも良いし、対戦相手はよりクオリティが高い。1部でプレーする方がずっと好きだね。(笑) 所属チームのクオリティが高く、展開するフットボールも美しいから、2部よりも難しくないんだ。対戦相手も「プレー」しているし、僕らにも「プレー」させてくれる。プレーするためのスペースが広いんだ。2部ではボールが空を舞うことが多く、1部と比べてスペクタルに欠けるね。

-1部での初ゴールは、敵地ルス・スタジアムでベンフィカ相手に挙げましたね。あの瞬間はいかがでしょうか?

素晴らしかった。神様からのプレゼントだね。いつまでも僕の心に思い出として残るだろう。美しいスタジアムで、偉大なチーム相手に、1部での初ゴールを決められた。しかも、本当は2点だったね。(ゴールラインテクノロジーにより)取り消されてしまったけどね。(笑) まあ、僕にとって、そして僕のキャリアにとってスペシャルなゴールになったよ。本当に特別な思いだね。

-次は敵地ドラガオン・スタジアムでのポルト戦が控えています。そこでもゴールを決めたいですか?

僕のゴールでポルティモネンセを助けられたら本当に幸せだと思う。ドラガオンでのデビュー戦になるけど、チームを信じている。満員のスタジアムでプレーすることになるだろうから、最大限楽しみ、そして最善を尽くしたい。

-ポルトは現在リーグで首位です。しかも、スポルティングと並んで全勝ですね。気が早いですが、タイトル争いはどうなると思いますか?

順位表でひときわ目立っている2チームだね。どの3強クラブも開幕直後にライバルの下位にはいたくないはず。1月の移籍市場で何もかも変わるけど、いまリードしているチームが優勝候補なのは間違いないね。現時点でタイトルへの最有力候補であるチームと、彼らのホームで戦うのは大きな挑戦になる。僕にとっても、ドラガオンのようなスタジアムでプレーできるのは幸せなこと。

-聞いていると、ポルティマオンでの生活を気に入っているようですけど、合っていますか?

うん、好きだ。もし僕が他の選手だったら、すでにお金のために退団していただろうね。でも、僕はポルティモネンセへの愛のため、そして家族のために残った。ポルティモネンセとともに昇格するという目標を持っていたし、このクラブで1部を戦うことは、すごく特別なんだ。この目標は達成したから、将来はまた次の目標を追いかけるよ。

-ポルティモネンセの昇格に関して、ビトール・オリベイラ監督の名前は外せません。彼が監督就任すると知ったとき、クラブは昇格がグッと近づいたと感じていましたか?

偶然にも、僕は半分フットボールとは離れている人間だから、監督のことは、監督が来た時に初めて知ったんだよ。(笑) モレイレンセで監督と一緒にやっていた友人のひとりがいろいろ話してくれて、一緒にやり始めてから、監督が勝者のビジョンを持っていることが理解できた。監督は勝つことに慣れていて、ポルティモネンセにうまくはまってくれた。経験、勝者のメンタリティをチームにもたらしてくれ、全てがうまくいった。勝ち慣れている人のそばにいられるのは良いことだね。

-この6年で、アジアで2度プレーしましたね。最初は中国で次は日本。この経験はどうでしたか?

素晴らしかった。型にはまった状況から出ることは良いことだね。中国にはちょっと驚かされた。僕にとって初めてのアジアでの生活だったからね。何をしても苦労したけど、受け入れてもらえたし、日本人の岡田武史監督と一緒に働くことができた。彼は、僕にとって一番良い監督のひとりだった。あの経験をした後は、より強く、より自信を持てるようになった。

日本への移籍も素晴らしかった。個人的に人生で最も辛い時期を過ごしていた。生まれたばかりの娘を亡くしていたんだ。本当に辛かった。そんな状態で、娘を亡くした1ヶ月後に鹿島アントラーズに到着した。でも、神様は僕を護ってくれた。2つのタイトルを獲得でき、レアル・マドリードと対戦したクラブW杯の決勝戦にも到達できた。乗り越えられたのは日本でたった。だから、日本がいつまでも僕の心に在り続けるのは当然。心の傷は一生治らないけど、でも、日本では決して忘れることのできない幸福な瞬間を過ごせたんだ。

-鹿島アントラーズは、レアル・マドリードとの決勝戦を延長まで持ち込みました。サプライズを信じていましたか?

うん、みんなモチベーションが高かった。2-2になり、可能性を感じていた。延長では2度もゴールに迫った。でも不幸にも、彼を2度もエリア内でフリーにさせてしまい、全てが難しくなったね。エリア内でクリスティアーノ・ロナウドをフリーにしてしまったら、彼は容赦してくれないね。(笑)

-日本での生活はいかがでしたか?

何もかも違っていた。一番驚いたのは物価。僕が今まで生活してきた国はどこも安かったけど、あそこは何もかも高い。でも、素晴らしい。食事もトレーニングのコンディションもね。全部気に入っていた。

-何か日本語は話せるようになりましたか?ポルティモネンセには日本人のチームメイトもいますね。

おはよう、こんにちは、こんばんは、こんな基本的なことだけだね。通訳がいたから怠けてしまった。そんなに勉強しなかったんだ。本当に基本的な日常会話だけだね。

-これまで対戦した中で、一番苦労したディフェンダーは誰ですか?

1度しか戦っていないけど、セルヒオ・ラモスだろう。本当に速いんだ。2、3回対峙しただけだけど、最も苦労したディフェンスのひとりだったことを覚えている。

-尊敬している選手は誰ですか?

小さい頃は、カカとロナウジーニョ・ガウーショにインスピレーションを受けていた。彼らのことが本当に好きだった。怪物ロナウドのようにね。でも幼少期に一番見ていて、好きだったのは、カカとロナウジーニョ・ガウーショだね。

-どのリーグでプレーしたいですか?

ヨーロッパでプレーしたい国はたくさんある。スペイン、ドイツ、イタリアだね。でも、日本に戻ることも夢見ているよ。計画して夢見れば、神様が導いてくれるさ。

ポルティモネンセへの大きな愛情、そして人生で最も辛い時期を乗り越えさせてくれた日本への感謝。ファブリシオの言葉の節々に、彼の人間味が溢れている素晴らしいインタビューだった。

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ポルト監督、開幕6戦全勝もポルティモネンセを警戒「質の高い『個』がいるチーム」

『maisfutebol』

ポルトのセルジオ・コンセイサオン監督が、ポルトガルリーグ第7節、金曜日にホームで開催されるポルティモネンセ戦に向けた記者会見に応答。ここまで開幕から6戦全勝で首位に立つなど好調を維持する中でも、前節フェイレンセ戦で勝利を取り戻したポルティモネンセへの警戒心をあらわにした。

「難しい試合になると予想している。クオリティの高い『個』と、経験豊富な監督のもとのびのびとプレーするチームと対戦する。ポルティモネンセのアウェイゲーム3試合を見たが、(ブラガ戦、リオ・アベ戦、ベンフィカ戦。ポルティモネンセは3戦3敗で終えた) 結果はピッチで起きたことを反映してはいない。競争力があり、対戦相手を恐れていない。間違いなく、ここに戦いに来て、我々を苦しめるチームと対戦することになるだろう。責務を持ち、勝つために戦わなくてはならない」

コンセイサオンが、「アウェイの3試合を見た」と取り上げたのは、今節がポルトのホームでの対戦、すなわち、ポルティモネンセのアウェイゲームであるためだろう。当然、前節ポルティモネンセのホームで行われたフェイレンセ戦を研究していないはずはなく、強烈な2ゴールを挙げた中島翔哉のプレーも目に焼き付けているはずだ。同監督が「クオリティが高い」と語った「個」の中には、この中島翔哉や、ベンフィカ戦で好パフォーマンスを発揮した元鹿島ファブリシオ、チームの主軸パウリーニョらが含まれているであろうことは推測できる。

開幕から無敗を維持するポルトだが、下位に沈む昇格組ポルティモネンセに油断はしていない。敵将コンセイサオンをそうさせたのは、まさに、ベンフィカやリオ・アベなど、強敵相手にも怯むことなく勇敢に立ち向かっているポルティモネンセの面々だ。

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