【保存版】16-17シーズン、ポルトガル1部リーグ全18チームの監督人事と注目監督

ベンフィカのリーグ3連覇で幕を閉じた15-16シーズンのポルトガル1部リーグは、監督人事に関して言えば、まさに「歴史的な」1年だった。6年間ベンフィカを率いたジョルジ・ジェズス監督が、宿命のライバルであるスポルティングへ禁断の電撃移籍を果たし、ポルトガル全土を震撼させたのだった。(参照:【保存版】2015-16ポルトガル1部リーグを戦う18チームの監督人事)

来る16-17シーズンの監督人事最大の注目は、史上稀に見る3強の名監督対決である。14-15シーズンのジョルジ・ジェズス(ベンフィカ)、マルコ・シウバ(スポルティング)、ロペテギ(ポルト)の三つ巴も見応えのある激戦ではあったが、今季は彼ら以上の実力者が揃った(ジョルジ・ジェズスはチームを替え再び激戦へ)。ベンフィカを率いるは、昨季就任1年目でリーグ制覇やCLベスト8の偉業を成し遂げたルイ・ビトーリア。スポルティングを率いるは、国内トップのタイトルホルダー、ジョルジ・ジェズス。そして、ポルトの新監督に就任したのは、バレンシアで歴代最多勝ち点を稼ぎ、CL経験も有するヌーノ・エスピリト・サント。名実ともに名将に相応しい3者が、16-17シーズンのポルトガルリーグを席巻することは確実だろう。

さて、前置きが長くなってしまったが、今季も例年通り、新シーズンの1部リーグを戦う18チームの監督人事をまとめてみた。今回の特徴は、国内名監督の「名誉挽回」、そして2部クラブからステップアップを果たした若手監督らの「下剋上」であろう。ぜひ、3強以外のクラブを率いるこれら監督にも刮目いただきたい。

(以下、かなりの文量になりますので、閲覧したい項目に絞ってご覧いただくなど、名鑑としてご活用ください)

16-17シーズン18チーム監督一覧

ベンフィカ-ルイ・ビトーリア

昨季1位 ベンフィカ
ルイ・ビトーリア(続投)

6年の長期政権を築いたジョルジ・ジェズスが最大のライバル、スポルティングへ。10つのタイトルを獲得した名将の後釜として迎え入れられたルイ・ビトーリアへの期待値は当初は微々たるものであった。リーグ開幕直後の第2節アロウカ戦では早速黒星をつけられ、前半戦の不調から解任騒動までもが巻き起こった。
しかし蓋を開けてみれば、後半戦に失速したスポルティングとポルトを尻目に破竹の連勝でリーグ3連覇を達成。リーグカップでも優勝を果たし、自身初となるCLではベスト8の快挙を成し遂げた。
当初の期待値を大幅に上回ったルイ・ビトーリアだったが、その功績はタイトルだけにとどまらない。同監督が抜擢し、ポルトガル代表に選ばれたゴンサロ・グエデスネウソン・セメード、バイエルンに移籍し、クラブに莫大な資金をもたらしたレナト・サンチェス、そして、ベンフィカの控えGKからブラジル代表にまで登り詰めたエデルソン・モラエスなど、フットボール界の未来を担う若手選手をわずか1シーズンで大量に輩出した。
EURO2016で大ブレイクを果たしたレナト・サンチェスこそ失ったが、その他有望な若手選手は残留が有力。2年目となる今季も、ベテランと若手が高度に融合し、ユースから次々と新戦力が台頭する理想的なチームになるだろう。リーグ4連覇へ、「絶対王者」の地位を確立するとしたら、今季はまたとない機会だ。

スポルティング-ジョルジ・ジェズス

昨季2位 スポルティング
ジョルジ・ジェズス(契約更新)

名将ジョルジ・ジェズスに率いられ、2001-02シーズン振りのリーグタイトル奪還が期待されたスポルティング。チームはシーズン序盤から好調を維持し、スリマニやジョアン・マリオら中心選手も、キャリアでベストと言えるパフォーマンスを発揮した。しかし、シーズン後半にベンフィカの猛追撃に屈し、最終的には勝ち点2差でリーグ王者の座を逃した。それでも、ブルーノ・デ・カルバーリョ会長のジョルジ・ジェズスへの信頼は厚く、シーズン終了後には2019年までの契約延長を結んだ。
これにてジョルジ・ジェズス政権は2年目に。チームの完成度はポルトガルリーグでも随一である。主力選手の大量引き抜きが噂されているからこそ、ベンフィカ時代に多くのスターを失いながらも国内3冠を達成したその手腕になおのこと注目が集まる。

ポルト-ヌーノ・エスピリト・サント

昨季3位 ポルト
ジョゼ・ペゼイロ(来季:ブラガ)
→ヌーノ・エスピリト・サント(元:バレンシア)

シーズン前半、リーグ無敗をひた走ったチームの好調が嘘かのように、後半戦に大失速したロペテギ率いるポルト。事態がさらに悪化する前にと、ショック療法として招聘したジョゼ・ペゼイロは、大半のポルティスタの予想通り、チームをさらなる泥沼へと陥れてしまった。
当然ながら途中解任となったペゼイロの後任には、クラブの元GKヌーノ・エスピリト・サントが就任。バレンシアをCLの舞台に引き戻し、クラブ歴代最多勝ち点数を獲得するなどスペインで一躍脚光を浴びた若き指揮官と2018年までの契約を結び、クラブの再建を託した。同監督は、中小クラブであるリオ・アベを2つの国内カップ戦で決勝に導くなど、ポルトガルでの実績は合格ライン。ルイ・ビトーリアとジョルジ・ジェズスがシーズンをかけて「仕上げた」ベンフィカとスポルティングを相手に優勝戦線に割り込めるか。クラブ会長ピント・ダ・コスタの目にはもう、3年連続でベンフィカに譲り渡したリーグ王者のタイトルしか映っていない。1年目であろうと絶対的な「結果」が求められる。

ブラガ-ジョゼ・ペゼイロ

昨季4位 ブラガ
パウロ・フォンセッカ(来季:シャフタール・ドネツク)
→ジョゼ・ペゼイロ(前季:ポルト)

ブラガを最低限のミッションであるリーグ4位に導き、ポルトガルカップではクラブに50年ぶりのタイトルをもたらしたパウロ・フォンセッカが、さらなる挑戦を求めて辞任を表明。国内リーグの戦績とともに躍進を遂げたELにおいて、ベスト8で敗れた対戦相手シャフタール・ドネツクと2年契約を結んだ。
後任には、昨季途中ポルトに就任したジョゼ・ペゼイロが抜擢。昨季はポルトを不調から救うどころかさらなる泥沼に陥れ、ポルトガルカップでは新たに就任することとなったブラガ相手に決勝で敗れた同監督。他の後任候補であったロペテギらと比べ、期待値はどうも低そうだ。監督自身の名誉挽回もしたいところだが、フォンセッカが再び強豪クラブへと復興させたブラガを、まずはリーグ4位に「維持」することが現実的な目標だろう。

アロウカ-リト・ビディガル

昨季5位 アロウカ
リト・ビディガル(契約更新)

誰がアロウカの5位など予想しただろうか。そして、誰がリト・ビディガルのこれほどまでの躍進を予想しただろうか。世間の期待を良い意味で裏切りまくったビディガル率いるアロウカ。今季はEL挑戦でヨーロッパ全土を轟かせたい。2年の契約延長を果たした監督自身も「昨季成し遂げたことはもう関係ない」と、さらなる進化に向け意気揚々としている。ただ、近年のパソスやベレネンセスなど、ポッとEL圏に進出してしまった中小クラブは、ELとの両立に失敗し、リーグでも低迷するのがトレンドではあるが…

リオ・アベ-ヌーノ・カプーショ

昨季6位 リオ・アベ
ペドロ・マルティンス(来季:ビトーリア・ギマラインス)
→ヌーノ・カプーショ(前季:バルジン)

2シーズンに渡りリオ・アベを率い、無事上位戦線に引き上げたペドロ・マルティンスは、強豪クラブの復活を任される形でギマラインスへ。後任には、2年契約を結んだヌーノ・カプーショが選ばれた。
同監督は、選手として長らくポルトガル代表を支え、2002年の日韓W杯にも出場した元名選手。監督になってからは、選手時代を捧げた古巣ポルトでユース監督やアシスタントコーチを務め、昨季は2部のバルジンを指揮していた。監督として初の挑戦となる1部リーグで結果を残せるか。前任者の結果が結果だけに、ハードルは極めて高い。

パソス・デ・フェレイラ-カルロス・ピント

昨季7位 パソス・デ・フェレイラ
ジョルジ・シマオン(来季:シャービス)
→カルロス・ピント(前季:サンタ・クラーラ)


最終節に6位を逃し、念願のEL出場の夢が儚く散ったパソス。しかし、ジョルジ・シマオンは、前シーズンの8位からひとつ順位を上げ、クラブの英雄パウロ・フォンセッカの後任という難しいタスクを若手監督ながら存分にやり切った。その手腕を買われ、2年の契約更新を提示されたという報道もあるが、新たな挑戦を決意し、昇格組のシャービスへ移籍した。
39歳の青年監督の後任には、こちらもまだまだ若い43歳カルロス・ピントが就任。1992-94シーズンを選手として過ごした古巣へ、約20年ぶりの復帰となった。二桁得点を記録し、チームの絶対的エースに君臨したワンダーボーイ、ディオゴ・ジョッタ(アトレティコ・マドリード)の退団を補えるかが鍵となる。

エストリル-ファビアーノ・ソアレス

昨季8位 エストリル
ファビアーノ・ソアレス(契約更新)

クラブを3強に迫る地位に押し上げた英雄マルコ・シウバが去った後、次なる監督ジョゼ・コウセイロ解任後の「暫定監督」としてファビアーノ・ソアレスが監督就任してからはや2シーズン。約半年と見積もられていた同監督の暫定政権は、周囲の期待を裏切り、ついには3シーズン目に到達。クラブも期待を込めて4年の長期契約を用意した。目標はELリーグ出場。監督のみならず、クラブとしても「サプライズ」を起こしたい。

ベレネンセス-フリオ・ベラスケス

昨季9位 ベレネンセス
フリオ・ベラスケス(契約更新)

サー・ピント監督のもと、ELとの両立に苦しみ下位に沈んだベレネンセス。古豪クラブに途中就任したスペイン人監督は、見事にチームを一桁順位まで建て直した。シーズン途中に2018年までの契約延長を果たした昨季後半戦の勢いそのままに、上位返り咲きを目指す。

ビトーリア・ギマラインス-ペドロ・マルティンス

昨季10位 ビトーリア・ギマラインス
セルジオ・コンセイサオン
→ペドロ・マルティンス(前季:リオ・アベ)

前年5位のギマラインスは、ルイ・ビトーリアをベンフィカに引き抜かれ、後任監督アルマンド・エバンジェリスタのもとで大失速。そうして降格圏に沈んでいたクラブに途中就任したコンセイサオンは、破竹の勢いで勝ち星を重ね、一時はリーグ5位へと躍り出た。しかし、シーズン後半に失速し、最終的には二桁順位に。監督自身にも、ギマラインスで監督を続ける意思はなく、両者は別れの道を歩むこととなった。
国内屈指の名将の後任には、ペドロ・マルティンスが就任。リオ・アベでの手腕が評価され、ブラガと双璧をなす北の強豪クラブと2018年までの契約を結んだ。1994-95シーズンに選手としたプレーした古巣をELの舞台に引き戻すことが最低限の目標となる。

ナシオナル-マヌエル・マシャード

昨季11位 ナシオナル
マヌエル・マシャード(続投)

年々順位が下降気味のナシオナルだが、マヌエル・マシャードはポルトガルの中位クラブでは「異例」の監督5年目に突入。変化を避けたクラブの決断が吉と出るか凶と出るか。

モレイレンセ-ペパ

昨季12位 モレイレンセ
ミゲウ・レアウ
→ペパ(前季:フェイレンセ)

当時の昇格組モレイレンセを1部にキープさせたミゲウ・レアウが、さらなる経験を求めて2シーズンを過ごしたクラブを退団。
後任には、今季の1部リーグで最年少監督となる35歳のペパが就任。1年の延長オプションが付いた単年契約を結んだ。昨季は、3月に7戦2勝と不調に陥って突然の解任を宣告されるまで2部フェイレンセを指揮しており、今季から1部に昇格する同クラブの土台を形成。3名の2部リーグ最優秀監督賞候補にもノミネートされた。

マリテイモ-パウロ・セーザル・グスマオン

昨季13位 マリティモ
ネロ・ビンガーダ(来季:ノース・イースト・ユナイテッド(インド))
→パウロ・セーザル・グスマオン(前季:ジョインビレ(ブラジル))

イボ・ビエイラの途中解任にともないマリティモへ到来した64歳の老将ビンガーダ。カルロス・ケイロスのアシスタントコーチとして、1989および1991のU-20ワールドユースで母国の優勝に貢献した同監督は、不調に陥るマリティモをリーグ杯で決勝に導くなど、暫定監督としては十二分な成績を残した。
新監督に選ばれたのは、ブラジル人監督パウロ・セーザル・グスマオン。母国ではフラメンゴ、ボタファゴ、セアラー、パウメイラスなど、数々の強豪クラブを率いた経歴を持つ54歳にクラブの再建を託した。

ボアビスタ-エルウィン・サンチェス

昨季14位 ボアビスタ
エルウィン・サンチェス(契約更新)

プティ監督の突然の辞任から、降格の危機にあった古豪を見事残留に導いたかつての名プレイヤー。選手時代を過ごした古巣と1年の契約延長を果たし、上位進出を目指す。

ビトーリア・セトゥバル-ジョゼ・コウセイロ

昨季15位 ビトーリア・セトゥバル
キン・マシャード
→ジョゼ・コウセイロ(元:エストリル)

トンデーラを2部優勝に導き、鳴り物入りでセトゥバルの監督へ就任したキン・マシャード。前半戦こそ好調を維持したが、チームのエースFWソク・ヒョンジョンがシーズン途中にポルトへ引き抜かれてからは大失速。契約を1年残し、無念の退団となった。
後任に選ばれたのは、マルコ・シウバ政権後のエストリルを率いて以来となる現場復帰のジョゼ・コウセイロ。すっかりコメンテーターとしての印象が強くなった同監督と、2年契約を締結した。エストリルでは無念の途中解任となったが、2013-14以来の復帰となるセトゥバルにて名誉挽回し、フットボール監督としての威厳を取り戻したい。

トンデーラ-プティ

昨季16位 トンデーラ
プティ(契約更新)

昨季は、2度の監督交代の大ナタを振るったトンデーラ。2部優勝の成績を引っさげ1部に臨むも、高い壁を越えられず下位に沈んでいた。しかし、昨季途中に突然ボアビスタを辞任し、チームにやってきた「3人目の監督」プティのもと、見事残留に成功。その功績が認められたかつての名プレイヤーは、2018年までの契約延長を果たした。今季も1部残留が現実的な目標となる。

シャービス-ジョルジ・シマオン

昨季2部2位 シャービス(1位は昇格権のないポルトB)
ビトール・オリベイラ(来季:ポルティモネンセ)
→ジョルジ・シマオン(前季:パソス)

3年連続で2部チームを1部に導いていた「昇格請負人」ビトール・オリベイラが監督就任したシャービス。その実力は噂に違わず、同氏9チーム目・4年連続となる2部昇格を果たした。当の監督自身は、例年通り昇格のミッションを果たしてお役御免。昨季は最終節に昇格を逃し、リーグ4位となったポルティモネンセの監督に就任した。日本では金崎夢生が所属したことで有名な同クラブの昇格を請け負うこととなった。
後任には、昨季パソスをEL出場圏目前の7位に導いた39歳の青年監督ジョルジ・シマオンと2年契約を締結した。パソスは、アトレティコ・マドリードに移籍したディオゴ・ジョッタらタレントが揃ったチームであったが、今回は2部上がりのシャービス。残留に向け、我慢強い戦いが求められる。

フェイレンセ-ジョゼ・モッタ

昨季2部3位 フェイレンセ
ジョゼ・モッタ(続投)


順調に勝ち星を重ねたペパ率いるフェイレンセは、年明けに急失速。監督は突然の不調を理由に解任された。後任に選ばれたジョゼ・モッタは、ポルティモネンセとの昇格をかけた接戦を制し、同クラブの敗北を尻目に最終節に辛うじて1部昇格を果たした。
その功績が認められた同監督は続投が決定。1部挑戦の権利を手にした。しかし、強豪並み居る1部リーグである。チームの残留よりも、まずは監督自身が解任されないことが現実的な第一目標だろう。

注目監督ベスト3

同率1位 ルイ・ビトーリア、ジョルジ・ジェズス、ヌーノ・エスピリト・サント

今季は、例年にも増して「3強によるタイトル争い」の様相が強まることだろう。3強による独占体制を切り崩す有力候補ブラガは、パウロ・フォンセッカを招聘した昨季とは違い、ジョゼ・ペゼイロ率いる今季は順位を下げる可能性が否めない。ベンフィカ、スポルティング、ポルトを打ち負かす有力クラブがおらず、また、3強のチーム力が拮抗していることから、今季は熾烈なタイトル争いが見られることだろう。リーグ4連覇で名実ともに名将の仲間入りを果たしたいルイ・ビトーリア、今季こそは是が非でもタイトルが欲しいジョルジ・ジェズス、失墜したポルトのタイトル奪還を課せられたヌーノ・エスピリト・サント。三者三様の使命を課せられた監督によるただ1つのタイトル争いは、史上かつてない激戦が予想される。

ダークホース監督候補

ペドロ・マルティンス(ビトーリア・ギマラインス)
昨季はルイ・ビトーリア→アルマンド・エバンジェリスタと、監督交代の失敗をあからさまに露呈したギマラインス。しかし、前半戦を降格圏に沈みながら、後半戦は一時5位に躍り出るなど、チームの実力は衰えず。リオ・アベを6位に導いたペドロ・マルティンスがうまくハマれば、リーグ4位も夢ではない。

フリオ・ベラスケス(ベレネンセス)
ポルトガルで異彩を放つスペイン人監督ベラスケス。途中就任ながらベレネンセスを一桁台に引き戻した実力はお見事。シーズン開始からチームを率いられる今季は、昨季築いた土台もあり、上位進出が予想される。

以上、新シーズンを控えた監督人事と注目監督を紹介した。ぜひ本コラムを片手に、今季も熱きポルトガルリーグに注目していただきたい。

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鹿島が獲得したポルティモネンセ「10番」ファブリシオについてご紹介します

ポルトガル2部のポルティモネンセが、ブラジル人MFファブリシオの鹿島アントラーズへの移籍を正式に発表。チームのエースナンバー「10番」を背負う26歳のブラジル人は、レンタル移籍の形で日本へ到来する。

このファブリシオとは一体何者か。そして、なぜ鹿島アントラーズへの加入となったのかご紹介したい。

ファブリシオは、2015-16シーズンにポルティモネンセの10番を背負った名実ともにチームの大エース。金崎夢生が鹿島へレンタル移籍する前に背負った10番を継承していた。2012年にブラジルから加入して以来、4シーズンに渡りポルティモネンセでプレーしている。昨季は50試合で14ゴールを記録するなど、1部昇格まで目前にあったチームの大黒柱として活躍。ポルトガルリーグの選手と監督が投票する2部リーグの年間MVP候補3名にノミネートされた実力者である(賞自体はポルトBのアンドレ・シウバが獲得)。ポルティモネンセでの4年間で、143試合に出場し、26ゴールを記録している。

ポルティモネンセの10番が鹿島アントラーズへ加入するに至ったのは、日本代表FW金崎夢生の存在が大きい。金崎夢生は鹿島に加入する以前ポルティモネンセに所属していた。昨季は一度、鹿島からポルティモネンセへ復帰し、約2ヶ月ポルトガルでプレーしてから、鹿島へ電撃復帰を果たしていた。その際に、鹿島のディレクター鈴木満氏と、ポルティモネンセのディレクター、サンパイオが仲睦まじく写真に写るなど、チーム間の関係を強化したことが推測される。

ファブリシオは、鹿島で金崎夢生と再会することになった。両者はチームの活動内外で生活をともにした親友として知られている。現在は、そのサンパイオ氏と、昨季は監督を務め今季よりディレクターに就任したジョゼ・アウグスト氏とともに来日途中。木曜日の午前中に日本へ到着する予定である。

鹿島にとっては、チームのエース金崎夢生と連携を深めたポルティモネンセのエースが加入する、心強い補強となった。「ポルティモネンセの点取り屋コンビ」の日本での活躍に期待したい。

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絶望からの歓喜。12年を彩る4色の涙。「監督」ロナウドがついに手にした最後のピース

開始直後のまさかの負傷離脱。監督への「転身」。そして12年間を彩った「4色の涙」。初の主要国際タイトルを獲得したポルトガル代表において、やはり話題の中心はこの男が独占した。

EURO2016決勝。フランスとの決戦。ポルトガルにとっては、自国開催となった2004年にギリシアに敗れて以来、12年ぶりとなるヨーロッパ王者をかけた戦い。全世界が注目したのは、当然、マンチェスター・ユナイテッド時代からの盟友ナニとツートップを組んだクリスティアーノ・ロナウドだった。欧州CLからバロンドールまで、あらゆるタイトルを勝ち取った男が、未だ勝ち得ない代表でのタイトル。12年ぶりに目前まで迫った機会を、母国国民も固唾を飲んで見守った。

きっとクリスティアーノがどうにかしてくれる。そう思っていたに違いないポルトガル国民は、試合開始数分で悲壮感に包まれることになる。

フランス代表パイエから激しいタックルを浴びせられたロナウドは、それ以降終始具合を気にしていた左足を抱え、17分に突然倒れ込んだ。一度ピッチを離れ、応急処置としてアイシングを終え強行出場。しかし、ロナウドがこの試合にかけた溢れんばかりの想い、ポルトガル国民が一旦は感じた安堵感が、23分に悲劇に変わった。

再度ピッチに倒れこんだロナウドの目には大粒の涙が浮かんでいた。溢れ出る想いをもう体が受け止めきれない。これ以上プレーできないことを本能的に悟ったロナウドを、絶望の涙が襲ったのだった。

2004年の決勝。まさかの敗北を喫した若きロナウドが流したあの悔し涙とは違う。今の自分には、その悔しさを味わうことすらできないのだ。やるせない絶望感を抑えきれないロナウドは、担架で運ばれトンネルの暗闇へ。ロナウドにとってのEUROは儚く幕を閉じた。

チームの大黒柱を失ったポルトガル代表メンバーだったが、勝利を望む熱き火を消すことはなかった。ピッチに立てないキャプテンを必ず優勝台に連れて行こう。そう口を揃えるかのように、残されたメンバーは一丸となって死闘に臨んだ。

気迫のセーブで幾度となく決定機を阻止したルイ・パトリシオ。ロナウドを破壊したパイエに報復するかのように飛び蹴りを食らわしたセドリック。レアルの盟友の後を継ぎ、チームを後方から支えたペペ。足を痙攣させながらも、敵エースグリーズマンを抑え切ったジョゼ・フォンテ。名手コエントランの不在を感じさせないほどピッチを駆け回ったラファエル・ゲヘイロ。チームに落ち着きを与えた若きMFウィリアン・カルバーリョ。猛獣のようにボールを追いかけ回した驚異の18歳レナト・サンチェス。攻守にわたり体を張り続けたジョアン・マリオ。交代後にはロナウドに足をぶっ叩かれることになるなど知る由もなく、彼のために決死のプレーを見せたアドリエン・シウバ。盟友ロナウドなき後、若きチームを鼓舞し続けたナニとクアレスマの両雄。焦るチームを引き締めたベテランMFジョアン・モウティーニョ。そして、ブラジルW杯では戦犯に挙げられながらも、この日歴史的な決勝点を挙げたエデル。

ピッチに立つ全員が、優勝杯を掲げさせるために死に物狂いで駆け回った。そう、テクニカルエリアでジョゼ・モウリーニョの如く感情を爆発させるあの男に。

ロナウドのEUROはまだ終わっていなかった。そこには、選手としてはプレーできないが、フェルナンド・サントス監督を凌駕する存在感を発揮する「監督」ロナウドの姿があった。

喜怒哀楽を剥き出しにし、声を荒げる名将ロナウドに、歓喜の瞬間は突然に訪れる。大会にあたり「ヨーロッパいちのストライカーになる」と豪語していた途中出場のエデルが、有言実行となる美しいミドルシュートをゴール左隅に沈めた。ピッチサイドで雄叫びをあげるメンバーの中心にいたのはもちろんロナウド。「インポシーベウ!」ポルトガル語で「信じられない!」。現実を現実と受け止められない顔をしたロナウドの目には、優勝が眼前に迫った希望感から、またもや涙が浮かんでいた。

試合終了のホイッスルを聞いたポルトガル代表の面々は我を忘れ踊り狂った。左足を負傷したはずのロナウドも、この瞬間だけは痛みを忘れて飛び跳ねた。ピッチを後にする際にナニへ託した母国の誇りキャプテンマーク。盟友から再度腕章を譲り受けたその腕で、ついにロナウドが「ポルトガル代表のキャプテン」として、初めてチャンピオンズカップを掲げた。

一体何度王者のトロフィーを掲げただろうか。そんな男でもこの優勝杯は格別だ。幾度となく公に口にしてきた念願の代表での初タイトル。12年前に一度手にしかけたからこそ、その喜びは計り知れないものだったのだろう。

12年前の悔し涙、そして今宵流した絶望の涙と希望の涙。ロナウドがタイトルを願って止まなかった12年間を彩る、4色の涙を締めくくったのは、チャンピオンズカップを掲げながらその目に走らせた、歓喜の涙だった。

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新潮流によるポルトガル若手市場の変革

「ブラジルW杯グループリーグ敗退」

ポルトガル代表に突きつけられた現実であった。国内では「クリスティアーノと10人の仲間たち」と揶揄されるほどに、エースへの依存体制から脱却できずにいた。さらに畳み掛けるように、コエントランら中心選手に負傷者が続出したことで代表は満身創痍に。選手層の薄さを露呈し、若手が育ってないのではないかとの不満が国内から噴出した。

筆者もW杯直後にはそのような想いを抱いていた。果たして、本当に有力な若手選手は育っていないのだろうか

答えはノーである。

当時の世論には反して、現在のポルトガルには世界に誇れる若手選手が多く存在している。その証拠として、2015年チェコで開催されたU-21欧州選手権でポルトガルは準優勝に輝き、優勝したスウェーデンの3名を超える5名もの選手がベストイレブンに名を連ねた。ポルトガルが世界のトップクラスで活躍し得る若手選手に恵まれている証であろう。

この若手の豊作期とも言える状況の一端を担っているのは、紛れもなくスポルティングである。ブラジルW杯にも出場し、U-21欧州選手権ではMVPに輝いたウィリアン・カルバーリョを始め、A代表とU-21代表を兼任するジョアン・マリオや、クラブで主力〜準主力として活躍するカルロス・マネやトビアス・フィゲイレードなど、有望な若手選手をU-21代表に送り込んでいる。国産の若手選手を手塩にかけて育てる文化があるスポルティングが、今後も豊作期を支えるのは間違いない。

しかし、ここで特筆すべきなのはスポルティングではない。フィーゴやクリスティアーノ・ロナウド、ナニらを排出したスポルティングが、ポルトガルの若手市場を席巻したのは今に始まった事ではないからだ。筆者は、最近新たに見られ始めた「ある潮流」こそが、これからのポルトガルサッカー界の若手市場を形成していくと予想している。そして、この風潮はポルトガルが長年抱えてきた重大な構造的問題をも解決し得るのである。

この新潮流の代表的な産物こそが、前述のU-21欧州選手権においてベストイレブンにも選ばれ、ポルトガル代表のエースに君臨したベルナルド・シウバである。同選手は、ベンフィカでは強力な外国人助っ人の陰で出場機会に恵まれず、膨大な資金力を武器に積極補強を進めていたモナコへ移籍した。富豪の地で同郷監督レオナルド・ジャルディンの指導を受けたことで、その才能が花開いたのだ。

本事例からも帰納される「新潮流」とはすなわち、外国人助っ人とのレギュラー争いに敗れた若手選手の国外CL級ビッグクラブへの移籍である。

筆者はこれまで、ポルトガルサッカー界が抱える構造的問題点を声を大にして唱え続けてきた。すなわち、ポルトやベンフィカなどのクラブが勝利を過度に追求するあまり、リーグが強力な外国人選手に寡占され、国産若手選手の育成機会が奪われていることである(参考:筆者過去記事『ポルトガルサッカーの縮図としてのFCポルト』)。この深刻な問題によるポルトガル人若手選手の競争力低下こそが、ブラジルW杯において同国が期待外れに終わった一因なのかもしれない。しかし、(後述するが)これまでの国外移籍とは明らかに異なる新潮流下の国外武者修行により、多くの若手選手がCLレベルの経験を積むことで、ポルトガル代表が世界のフットボール界を再び席巻する可能性があるのだ。

このような若手選手の国外移籍を「新潮流」などと取り立てているのだから、当然これまでのポルトガル人若手選手の移籍とは毛色が異なる。本題に入る前に、まずは伝統的な国外移籍の状況を詳述したい。

これまでの常識として、外国人助っ人とのレギュラー争いに敗れ、出場機会を失った若手選手が置かれる状況は、主に以下の5パターンに分類された。

  1. 所属クラブでの飼い殺し
  2. Bチームでの武者修行
  3. 国内下位チームへの移籍
  4. 国外上位リーグ(スペインなど)下位チームへの移籍
  5. 国外下位リーグ(トルコやブラジルなど)チームへの移籍

1つ目の状況は、すでにBチームレベルを超えている選手が陥りがちである。シーズン途中に、買い手が見つからなかったり、クラブがベンチには控えていて欲しい一応の戦力とみなしたりした場合に散見される。2つ目の状況は、AチームとBチームを行き来するクラスの選手に多い。そして、これら2つの状況に置かれていた若手選手が、シーズンを終えて移籍先を模索する際に、上記3-5の3パターンの選択を迫られるのである。3つ目の代表的な例は、U-21代表トゼ(ポルト→エストリル、2014-15)や、今季よりポルトへ復帰するセルジオ・オリベイラ(ポルト→パソス)などが挙げられる。4つ目の例は、ロペテギ監督下で構想外となった元ポルトのリカーが良い例だ。ポルトで戦力外となり、リーガ・エスパニョーラのラージョへ移籍した。最後5つ目の例として、ジョズエの名前を挙げたい。同選手はパソスの3位躍進に貢献し、鳴り物入りでポルトへ入団したが、思うような結果を残せなかった。リカーと同じくロペテギ監督の構想に入ることができず、トルコのブルサスポルへ活躍の場を移した。

これら5パターンからも明白なように、これまでは、ポルトやベンフィカのようなクラブで出場機会を獲得できなかった選手が、所属クラブと「同格」もしくは「格上」のチームへ移籍することはごく稀であった。しかし、前述のベルナルド・シウバのように、近年は彼らがCL級の国外クラブに即戦力として迎え入れられているのである。これまでの「格下」チームへの移籍とは明らかに種類が異なるのは、誰の目にも明らかだろう。

ここで一つの疑問が生じる。

ポルトやベンフィカで出場機会を奪取できなかった若手選手が、モナコやバレンシアなどのより強力なビッグクラブで出場機会など得られるのだろうか?

イエス・ノーで解答を提示する代わりに、3選手の例を挙げよう。1人目が、既出のベルナルド・シウバである。ベンフィカのAチームでは公式戦3試合出場のみに終わった同選手が、新天地モナコでは45試合10ゴールと大爆発。レバークーゼンとの一戦では、念願のCLデビューを果たし、若干20歳ながらチームの主力として躍動している。2人目は、ベンフィカAでは公式戦19試合1ゴールに沈んだイバン・カバレイロだ。最初の移籍先はリーガ・エスパニョーラのデポルティボであり、これまでの伝統的な国外移籍パターンを辿っていた同選手だが、2015-16シーズンからは新潮流に乗りモナコへ。移籍金1500万ユーロ、5年契約という破格の条件で迎え入れられた。プレシーズンでは、早くもスタメンデビューを飾り、ゴールを決めている。ベルナルドとカバレイロはU-21欧州選手権でベストイレブンに輝いた、まさにモナコとポルトガル双方の未来を担う、将来を嘱望された若手選手である。3人目は、バレンシアに所属するジョアン・カンセーロである。ルイゾンやガライといった世界的な名DFの陰で、ベンフィカAでは2試合の出場にとどまった。翌年にレンタル移籍したバレンシアでは13試合に出場し2021年までの長期契約を勝ち取った。本契約となり、今後はより多くの出場機会を手にすることだろう。

このように、近年は、ポルトガルでは外国人選手とのレギュラー争いに敗れた若手選手が国外のCL級クラブへ移籍し、母国での出場機会よりずっと多くのゲーム経験を積んでいるのだ。紹介した3選手はポルトガル代表としてU-21欧州選手権にも参加しており、数年後にはフル代表での活躍も期待されている。彼らが出場機会を求めて移籍した強豪クラブでトップレベルの経験を積んだことが、同代表が準優勝という好成績を残せた一因だろう。

なぜ、これら強豪クラブは、母国で試合に出られるレベルにない若手ポルトガル人を獲得するのだろうか。そこには、彼らの実力を熟知し、将来性に期待を寄せる同郷監督の存在があった。この新潮流を生み出したのは、国外へ活躍の場を移したポルトガル人若手監督であると言っても過言ではないほどに、彼らが新潮流を主導する重要なファクターとなっている。

国外の若手ポルトガル人選手を語る際に度々メディアにその名が挙がるのは、バレンシアとモナコであろう。この2クラブは、若手ポルトガル人選手の獲得に特に躍起になっている。バレンシアのヌーノ・エスピリト・サントとモナコのレオナルド・ジャルディン両監督は、母国若手選手の能力に大いなる可能性を見出し、彼らにCL級の舞台を用意することで成長を促している。これらビッグクラブが若手ポルトガル人選手を重宝する陰には、同郷の若手を信頼してチームの勝利を託し、母国サッカー界の未来を憂うポルトガル人監督の姿があるのだ。今後は、バレンシアやモナコだけにとどまらず、ビトール・ペレイラが指揮するトルコのフェネルバフチェや、マルコ・シウバが監督就任したギリシアのオリンピアコスも新時代の波に乗っていくことだろう。(参考:筆者過去記事『「ポルトガル・ドリームチーム」を推し進める3クラブ』)

母国では公式戦経験を多く積むことができなかった若手ポルトガル人選手が、同郷監督のサポートのもとで、スペインやフランスなどの上位リーグやCL・ELといったヨーロッパ最高峰の舞台を体感できる新潮流は、外国人選手の寡占による国産若手選手の育成機会阻害というポルトガルサッカー界が抱える深刻な問題を解決し得る。この新たな風潮によって、国内の「ポルトガル人選手の空洞化」が加速するのは確かである。ポルトガルリーグのレベルを超越したスター選手だけでなく、将来リーグの中心選手となるべき若手選手までもが国外へ移籍するのだから当然であろう。しかし、この国内空洞化という確かなデメリットを凌駕するほどのメリットが、新潮流によって生み出されるのである。

これまでの伝統から、外国人選手によって寡占されたポルトガルリーグが抱える問題点は主に2つあった。まず、レギュラー争いに敗れた若手選手が飼い殺しされた、もしくは下位チームで低質な試合経験しか積めなかったゆえに、彼らの成長が阻害されたこと。そして、それに伴うポルトガル代表の弱小化と、コロンビアなどポルトガルリーグで選手の育成に成功した他国代表の強大化である。つまり、外国人選手の寡占により「ポルトガル代表の絶対的かつ相対的な弱体化」が引き起こされた。

しかし、近年の新潮流により代表の弱体化を食い止めることができるのだ。まず1点目に、国外CL級クラブへ移籍した若手選手が、国内で経験でき得た以上の高質な試合経験を積むことができること。2点目に、ポルトガルでは敗者の烙印を押された彼らが、実際にはビッグクラブの即戦力となれることを証明したことである。新潮流の1期生とも言える若手選手が、「埋め潰された」実力を世界に見せつけたことで、今後は2期生、3期生が後を追うことが予想される。すなわち、若手ポルトガル人選手の国外移籍の裾野が広がり、より多くの選手が高質な試合経験を積めるのである。U-21ポルトガル代表が証明したように、新潮流に乗る若手選手の成長が母国代表を強化することは言うまでもない。

今後、ポルトガルの強豪クラブは、若手を国外に売却した資金で外国人選手の買い漁りを加速させるだろう。その証拠に、レアルのカシージャスを電撃補強したポルトのような、これまでの外国人助っ人とは毛色の違う有名選手のポルトガル到来という「逆方向の新潮流」までもが生まれ始めている。ポルトガルリーグから国産選手が姿を消すことは、母国のサッカーファンを失望させ、サポーターのクラブへのロイヤリティを低下させるなど、新たな問題を引き起こす可能性は確かにある。しかし考え様によっては、このような逆方向の新潮流がポルトガルクラブを強大化させ、ヨーロッパの舞台でのプレゼンスを高めるというメリットもある。また、強力な外国人を抱えるポルトやベンフィカに、母国の若手選手を多く抱えるスポルティングやブラガといったクラブが挑む構図が極端化すれば、ポルトガル人若手選手は国内でも十二分に成長できる。

「新潮流」とそれに伴う「逆方向の新潮流」が生み出され、前者によってポルトガル人若手選手が成長し、代表が底上げされる。後者によってポルトガルクラブがヨーロッパのコンペティションで存在感を増す。またはスポルティングなどのクラブが彼らに対抗することで、国内で若手選手を強化できる。代表のエース、クリスティアーノ・ロナウドもすでに三十路を超え、彼にばかり頼ってはいられなくなった。その状況を憂うポルトガル人監督によって、偶然か必然か生み出されたこの新潮流こそが、ポルトガルの若手市場に大変革を与え、ポルトガルサッカー界が抱える重層な閉塞感を打ち破る鍵となるだろう。

元浦和のポンテが、金崎夢生が所属したポルティモネンセのテクニカルディレクターに就任!

『O JOGO』

かつてブンデスリーガのレバークーゼンやウォルフスブルクでプレーし、日本では浦和レッズでアジア王者を始め数々のタイトルを総なめにしたロブソン・ポンテが、ポルトガル2部リーグポルティモネンセのテクニカルディレクターに就任したことをクラブの公式ホームページが発表した。

ポンテは、多くの海外クラブを転々としたそのキャリアを活かし、ポルティモネンセの海外エリアを担当するディレクターに就任。選手時代に代理人を務めたテオドロ・フォンセッカ氏に誘われポルティモネンセへ到来したとされている。

ブラジル代表フッキや金崎夢生の代理人を務め、ポルティモネンセには息子の亀倉龍希も所属している敏腕代理人は、「ロブソンは、選手としてもプロフェッショナルとしても並外れた存在。私がこれまで出会った中で、最も模範的な性格を持った人物だ。ポルティモネンセはこのような重要な人物に頼ることができ光栄に感じている」と期待を込めた。

現在は亀倉が所属し、かつては金崎夢生もプレー。鹿島にファブリシオを貸し出すなど日本と関係を強めつつあるポルティモネンセは、再びJリーグの歴史にその名を残した人物を迎え入れることとなった。

(リンクは浦和時代のポンテの写真など同氏を紹介するページ)

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メッシ、ネイマールに続き…Football Leaksがクリロナとモウリーニョの脱税を指摘

『Público』

メッシやネイマールに脱税疑惑が浮上しフットボール界を騒がす中、ポルトガルの2大スター、クリスティアーノ・ロナウドとジョゼ・モウリーニョにも同様の疑惑が生じている。

本疑惑は、ヨーロッパ12のメディアが構成するグループが指摘。これまでフットボール界を騒がせてきたハッカー集団『Football Leaks』からの情報であるようだ。

クリスティアーノ・ロナウドには、7年間にわたり約1億5000万ユーロをタックスヘイブンに置き、税金の支払いから逃れた疑惑が指摘されている。この脱税システムを考案したのが、敏腕代理人で同選手とも親しいジョルジ・メンデスだとされており、1200万ユーロの税金から逃れたとされているジョゼ・モウリーニョのケースにも同様の手法が用いられているという。

これら疑惑に対し、ジョルジ・メンデスが社長を務めるGestifuteは声明を発表し、クリスティアーノ・ロナウドとジョゼ・モウリーニョの脱税疑惑を完全に否定した。

これまで多くのスタープレーヤーに報じられた脱税疑惑。そのどれもが、真偽の程は定かではない。クリスティアーノ・ロナウドとモウリーニョの本件についても、今後様々な憶測が飛び交うことだろう。

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【動画つき、必見!】もはや定例。ポルト監督がまたもや戦術論を語る。「4-4-2でも4-3-3でもない」

『O JOGO』

ポルトのヌーノ・エスピリト・サント監督が、ブラガ戦に向けた記者会見で冒頭の約15分間にわたりチームの戦術論を語った。

クラブ初となる4試合連続のスコアレスドローを演じ、サポーターからの解任要求も生じるなど、ポルトを取り巻く環境は日に日に悪化。そんな中、エスピリト・サントは、サポーターからの信頼を取り戻す意味合いも込め、「記者会見の前に、我々のアイディアを知ってほしい」と、ピッチの枠線が書かれた模造紙を用いながら戦術論を披露した。

まず、ポルトが3年連続でタイトルから見放されている状況について「我々の目標はタイトル。そのためにはベースが必要であり、それがチームであり、チームのアイディアだ」とし、そのアイディアを力説した。

「ポルトのシステムがどのようなものかを明かす。我々は相手のエリアでプレーできるチームだ。サイドバックは常に高い位置まで上がり、ミッドフィルダーは中盤をかき回し、フォワードは相手のペナルティエリア付近でプレーする。この60メートルの中に、特定できるようなシステムはない。4-4-2でもないし、4-3-3でもない。そこにあるのは「アイディア」だけだ。多くの試合でこのようにプレーできている。結果は、試合内容とイコールではない」と、得点不足に苦しむチームを擁護し、試合内容は優れたアイディアに担保されていることを明言した。

また、直近の引き分け続きの5試合については、「極めて勝利に近かった」と自信を見せ、「チームは成長している」ことを力強く明言。次のブラガ戦では「良いプレーができる」とメディアやサポーターに宣言した。

10月に行われたとアロウカ戦後にもホワイトボードでチームの戦術を披露し、メディアを賑わせたエスピリト・サント。同氏による「レッスン」はもはや定番化してきており、今後も記者会見の場での熱い講義を、多くのメディアが注目することだろう。

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モウリーニョがシャペコエンセの飛行機事故を哀悼「仲間を巻き込んだ悲劇だ」

『O JOGO』

マンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ監督が、飛行機の墜落事故で71名の死者を出したシャペコエンセの悲劇を哀悼した。

特にモウリーニョが悲しんだのは、監督カイオ・ジュニオールの死去。同氏はかつてポルトガルでプレーしており、モウリーニョにとってもポルトガル国民にとってもよく知られる人物だった。

「忘れることはできない。長年ポルトガルでプレーしていた監督ら多くの仲間を巻き込んだ悲劇だ。彼はポルトガルにとって懐かしさを感じさせてくれる存在だ。なぜなら、我が国ではよく知られており、多くの友を残したからだ」

スポルティングのジョルジ・ジェズスら、ポルトガルの名将たちと同世代の監督であるカイオ・ジュニオール。モウリーニョも、同世代の仲間を失い悲しみに暮れた1人であったようだ。

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クリスティアーノ・ロナウドが悲劇にコメント「僕は家族、そして友人たちの側にいる」

『maisfutebol』

シャペコエンセの飛行機事故を受け、ポルトガル代表クリスティアーノ・ロナウドが自身のFacebookにメッセージを投稿した。悲劇にショックを受けながらも、犠牲となった選手たち、そしてその関係者へのサポートを表明した。

「シャペコエンセに起きた悲劇にショックを受けている。僕はすべての犠牲者の家族、そして友人たちの側にいる。クラブ、そしてブラジルフットボール界に抱擁を送る」

世界のフットボール界が悲しみに包まれる中、クリスティアーノは同じポルトガル語圏の仲間たちとの「団結」を宣言した。

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