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【動画付き】中島翔哉、2G1Aの大暴れで5試合目にして初白星!現地メディアも大絶賛「メッシのようなゴール」

18-19季ポルトガルリーグ第5節、ポルティモネンセ対ビトーリア・ギマラインスの試合が行われ、ホームのポルティモネンセが一昨季4位の強豪チームを3-2で撃破。5試合目にして今季リーグ初白星を挙げた。

ようやく長いトンネルから抜け出したポルティモネンセ。暗闇に沈むチームで一際輝いたのが日本代表FW中島翔哉だった。試合開始早々の5分に個人技で先制点を挙げ、嬉しい今季リーグ初ゴールを記録。さらに、1-1で迎えた69分には、ポルトから復帰した昨季の黄金コンビ、パウリーニョのゴールをお膳立てして勝ち越し弾を演出した。その後82分にギマラインスFWオラ・ジョンの得点により2-2に追いつかれるも、直後の86分には相手守備陣のミスからライン裏に抜け出すと、芸術的な「シャペウ(ポルトガル語でループシュート)」でGKとの1対1を制し、決勝点を叩き込んだ。

2ゴール1アシストと大車輪の活躍を見せた中島翔哉をポルトガルメディアはこぞって称賛。以下の通り、各メディアが同選手の活躍ぶりをタイトルにした記事を掲載した。

『zerozero.pt』:「ナカジマという名の小さな天才」

『Record』:「東洋の輝きが美しい試合を決定づける」

『Record』:「動画-ポルティモネンセに勝利をもたらしたナカジマの「メッシのような」ゴール」

中島の決勝点により強豪ギマラインスを下したポルティモネンセは、15位に浮上して降格圏を脱出。試合終盤には、今夏獲得した元ポルトガルリーグ3年連続得点王ジャクソン・マルティネスが、中国で大怪我を負って以来約2年ぶりにピッチに戻り、即座に2度の決定機を作るなど明るい話題尽くし。破壊的な攻撃力でリーグを席巻した昨季のように、今季もダークホースとなれるか。新たなエースFWをエンジンに搭載し、いよいよポルティモネンセがそのアクセルを踏み出した。

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日本初の放映年、ポルトガルリーグへ復帰した4人のスーパースターを紹介

例年と比べてもの静かな移籍市場を送った18-19シーズンのポルトガルリーグ。前クラブ会長の選手批判により数名の主力選手が退団したスポルティングを除き、ポルトやベンフィカは中心選手を慰留し、大幅な選手の流出を避けることに成功した。

そんな中でも、例年とは異なる形で市場を賑わせたのは、かつてリーグでプレーしたレジェンドたちの復帰であった。ある選手はスーパースターへの階段を駆け上がる第一歩となった古巣に帰還。そしてある選手は所属したことのない新クラブに加入してかつての名声を取り戻すチャレンジに挑む。今回は、それぞれの思惑交わる移籍劇が繰り広げられた末にポルトガルリーグに復帰した4名のスーパースターを紹介する。

1.ジャクソン・マルティネス(ポルティモネンセ)

かつてポルトで3年連続リーグ得点王の栄光を手にしたストライカーは、センターFW不足に苦しむポルティモネンセに加入した。失意のシーズンを送ったアトレティコ・マドリードを経て、中国の広州恒大では大怪我に見舞われ、ついには無所属になるまでキャリアは失墜。欧州の表舞台から忘れ去られた中でのポルトガルリーグ復帰となった。

昨シーズンのリーグ得点ランキング4位の点取り屋ファブリシオ(浦和レッズ)やベテランFWピレス(ペナフィエル)らがチームを去り、本来はウイングの選手がセンターFWを務めるほかない窮地に陥っていたポルティモネンセと、ポルト時代の栄光の日々を取り戻したいジャクソン・マルティネス。両者の思惑が合致した期限終了間際の駆け込み移籍となった。与えられた背番号は9番。10番を背負う中島翔哉との共演にも期待がかかる。

2.ファビオ・コエントラン(リオ・アベ)

ジャクソン・マルティネスのポルティモネンセ加入と同じく、移籍市場閉幕間際のサプライズとなったのが、ファビオ・コエントランのリオ・アベ復帰だ。ベンフィカでの活躍や2010年南アフリカW杯ポルトガル代表でのパフォーマンスを受け、レアル・マドリードに加入した同選手だったが、銀河系軍団加入以降は、レンタル移籍を繰り返した。昨季はベンフィカ時代の恩師ジョルジ・ジェズスの後を追い、スポルティングへの禁断の移籍でポルトガルリーグ復帰を果たしていた。そして、今回は華々しいキャリアを送るきっかけとなったベンフィカよりも前、駆け出し時代の古巣リオ・アベに電撃復帰した。ポルト郊外のこの中小クラブは、コエントランがユース時代を過ごしプロデビューを飾った思い出の地。キャリアの礎を築いてくれたクラブに、世界トップクラスの経験を還元できるか。

3.ルイス・ナニ(スポルティング)

愛するスポルティングに加入すること、実に3度目。またもやクラブのレジェンドがリスボンに帰還した。

2度目の古巣復帰となったナニは、ユース時代を過ごしたスポルティングでプロデビュー。その後、マンチェスター・ユナイテッドでの経験を経て、2014年にレンタルの形で古巣に初復帰した。レンタル期間は1年で終わり、その後フェネルバフチェとラツィオを経由。そして今季、またもスポルティングに舞い戻ったのだった。現在チームの指揮を執るジョゼ・ペゼイロは、ナニをスポルティングのトップチームに引き上げた監督。恩師のもと、数十年リーグタイトルに見放されている強豪に念願のリーグ制覇をもたらせるか。

4.ダニー(マリティモ)

ユース時代を過ごし、プロデビューも果たした古巣に、エースナンバー10番を背負って復帰した。ロシアでは、ディナモ・モスクワとゼニトの2クラブで合わせて10年以上プレーするなどポルトガル人選手としては異才を放つ経験を、愛する古巣の上位定着に還元できるか。

例年、ポルトガルリーグを観る楽しみといえば、ビッグクラブに羽ばたくスターの卵を発見できる点はひとつあるが、今季は、満を持してリーグに復帰した上記4名のスター選手の活躍を拝めるのもまたひとつ見どころになるだろう。特に、今季はスカパーがポルティモネンセの試合の放映権を獲得し、史上初めてポルトガルリーグを日本で見られる年である。ポルティモネンセのエースとして活躍するジャクソン・マルティネス、そして彼らと対戦するファビオ・コエントラン、ルイス・ナニ、ダニーら元ポルトガル代表の名手らのプレーに是非とも注目いただきたい。

18年9月のU-21ポルトガル代表メンバーが発表!トゥーロン日本戦で芸術弾の次世代エースも招集

『maisfutebol』

U-21ポルトガル代表監督ルイ・ジョルジが、9月のルーマニア戦およびウェールズ戦の2連戦に臨む22名の代表メンバーを発表した。

注目は、今年U-19世代の欧州選手権で王者に輝いた2人の飛び級選手。アーセナルの下部組織に所属するGKジョアン・ビルジーニアが初選出され、トゥーロン国際大会では日本戦で芸術的なFKを沈め、U-19欧州選手権では得点王に輝いたジョアン・フィリペも再度選出された。

他にも、マンチェスター・ユナイテッドから今季セトゥバルにレンタル移籍したジョエル・ペレイラや、今季ポルトのトップチームでデビューし早くも得点を記録したディオゴ・レイテ、アメリカに活躍の場を移したアンドレ・オルタ、20歳で名門ブラガの10番を背負うブルーノ・シャダス、ウルバーハンプトンで活躍するディオゴ・ジョッタら注目の若手選手もリストに名を連ね、ロシアW杯では悔しい結果に終わった母国の将来を担う若手選手が集った。

以下、U-21ポルトガル代表メンバー22名
(☆は筆者の独断と偏見による注目選手)

GK
ジョアン・ビルジーニア(アーセナル)☆ 初
ジョエル・ペレイラ(ビトーリア・セトゥバル)☆☆

DF
フェルナンド・フォンセッカ(ポルト)☆
ディオゴ・レイテ(ポルト)☆
フェーホ(ベンフィカ)
イバニウド・フェルナンデス(モレイレンセ) 初
ジョルジ・フェルナンデス(トンデーラ)
ペドロ・アマラウ(ベンフィカ)
ユーリ・ヒベイロ(ベンフィカ)☆☆

DF
ぺぺ(ビトーリア・ギマラインス)
ステファン・エウスターキオ(シャービス)
ブルーノ・コスタ(ポルト)
アンドレ・オルタ(ロサンゼルス)☆☆
ブルーノ・シャダス(ブラガ)☆☆☆
ジョアン・カルバーリョ(ノッティンガム・フォレスト)
ジョアン・フェリックス(ベンフィカ)☆
ペレイラ・ラージュ(クレルモン・フット) 初

FW
ディオゴ・ゴンサウベス(ノッティンガム・フォレスト)☆
ディオゴ・ジョッタ(ウルバーハンプトン)☆☆☆
ジウ・ディアス(ノッティンガム・フォレスト)☆
エリベルト(モレイレンセ)
ジョアン・フィリペ(ベンフィカ)☆☆

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ロシアW杯後初のポルトガル代表が発表!ロナウド不在で準王者戦と新リーグ開幕戦の2連戦へ

『zerozero.pt』

ポルトガル代表のフェルナンド・サントス監督が、ロシアW杯以後初となる代表メンバーを発表した。

新しく始まるネーションズ・リーグ、大会王者として臨むEURO2020、そしてベスト16に終わったロシア大会からの挽回を目指す2022年カタールW杯。新たな4年間の船出となる新生ポルトガル代表には、多くのサプライズ招集が巻き起こった。

これまでポルトガル代表を牽引してきたキャプテンでありエースのクリスティアーノ・ロナウドは、ユベントス移籍による新環境への適応を考慮して選外に。ロシア大会を戦ったジョゼ・フォンテやリカルド・クアレスマ、ジョアン・モウリーニョらベテラン選手のほか、これまで主軸として代表を支えてきたジョアン・マリオアドリエン・シウバらもリストから外れた。

代わって、多くの若手選手やサプライズ選出となる選手が招集された。トンデーラGKクラウディオ・ラモス、モンペリエDFペドロ・メンデス、リーグ王者ポルト中盤の要セルジオ・オリベイラらは、20代も中盤に差し掛かる年齢でようやくフル代表に初招集。次世代のDFリーダーとして、ロシア大会では出場機会なしに終わったルーベン・ディアスが引き続き選出された。中盤にはベンフィカの新生ジェドソン・フェルナンデスが初選出され、ウルバーハンプトンで好調を維持するルーベン・ネーベスや、EURO2016で大ブレイクした怪物レナト・サンチェス、ポルトガルリーグで開幕から得点を量産するピッツィらが復帰。FWには、ロニー・ロペスやブルーマなど若手選手が復帰し、前線の陣容は一気に若返った。

大エース、クリスティアーノ・ロナウドを温存した新生ポルトガル代表は、9月6日にロシアW杯準王者のクロアチアと親善試合を行い、10日には新大会ネーションズ・リーグの初戦イタリア戦を戦う。

以下、新生ポルトガル代表メンバー24名

GK
クラウディオ・ラモス(トンデーラ)初
ルイ・パトリシオ(ウルバーハンプトン)
ベト(ギョズテペ)

DF
ジョアン・カンセーロ(ユベントス)
ルイス・ネト(ゼニト)
ペドロ・メンデス(モンペリエ)初
ぺぺ(ベシクタシュ)
ラファエル・ゲヘイロ(ドルトムント)
ルーベン・ディアス(ベンフィカ)
マリオ・ルイ(ナポリ)
セドリック・ソアレス(サウサンプトン)

MF
ジェドソン・フェルナンデス(ベンフィカ)初
ルーベン・ネーベス(ウルバーハンプトン)
ピッツィ(ベンフィカ)
セルジオ・オリベイラ(ポルト)初
レナト・サンチェス(バイエルン)
ウィリアン・カルバーリョ(ベティス)
ブルーノ・フェルナンデス(スポルティング)

FW
ロニー・ロペス(モナコ)
ブルーマ(ライプツィヒ)
アンドレ・シウバ(セビージャ)
ベルナルド・シウバ(マンチェスター・シティ)
ゴンサロ・グエデス(バレンシア)
ジェウソン・マルティンス(アトレティコ・マドリード)

リストから外れたロシアW杯出場選手

アントニー・ロペス
ブルーノ・アウベス
ジョゼ・フォンテ
リカルド・ペレイラ
マヌエル・フェルナンデス
ジョアン・モウティーニョ
ジョアン・マリオ
アドリエン・シウバ
リカルド・クアレスマ
クリスティアーノ・ロナウド

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【保存版】18-19季、ポルトガル1部全18チームの監督人事と3名の注目監督を紹介!

2017-18シーズンのポルトガル1部リーグは、ジョゼ・モウリーニョが記録したクラブ最多勝ち点数を更新する史上最高のシーズンを送ったポルトが、5年ぶりのリーグタイトルを獲得して幕を閉じた。リーグ5連覇を目指したベンフィカは主力選手の穴を埋められないまま、後半戦の猛追も実らず2位に。積極補強を敢行したスポルティングは、クラブの大混乱に巻き込まれ期待外れの1年を送った。
相変わらず3強が上位を独占する1年となったが、その中でも、4位ブラガはクラブ史上最多勝ち点を稼ぎスポルティングに肉薄。国内屈指の戦術家に率いられたリオ・アベも5位と躍進するなど、近年上位常連となっているクラブが、新たな監督のもとリーグを席巻した。

今季もリーグのタイトル争いはポルトとベンフィカを中心に繰り広げられるだろう。しかし、スポルティングがいまだ混乱を引きづる中、ブラガらにも3強体制の撃破を狙えるまたとないチャンスが訪れる。その他中小クラブにも、将来のポルトガル人監督界を背負って立つであろう有望な指揮官が控えており、彼らの躍進にも注目が集まる。

それでは、2018-19シーズンのポルトガル1部リーグを戦う全18チームの監督人事と、注目すべき3人の指揮官を紹介する。是非とも、新シーズンに向けた監督名鑑としてご活用いただきたい。

1位ポルト:セルジオ・コンセイサオン

セルジオ・コンセイサオン(契約延長)

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アンドレ・ビラス・ボアスビトール・ペレイラが無敗優勝を含むリーグ3連覇を達成してから約5年の月日が経過した。その間、ライバルのベンフィカがトロフィーを掲げる瞬間を4度も見届けてきたポルトがついに王座を奪還した。

かつてジョゼ・モウリーニョが率いたポルトでプレーし、監督として古巣に舞い戻ったセルジオ・コンセイサオンは、恩師が自身初のリーグタイトルを獲得した2002-03シーズンに記録した勝ち点86のクラブ記録を塗り替える偉業を達成。新たに勝ち点88の記録を打ち立て、クラブ史にその名を刻んだ。これは、ベンフィカが15-16シーズンに達成したリーグ歴代記録に並ぶ数字。リーグ公式のベストイレブンには最多の5名を輩出し、監督自身も最優秀監督賞に輝くなど、まさにコンセイサオン率いるポルトがリーグを象徴する1年となった。

クラブは同監督の手腕を評価し、1年の契約延長を締結。ボビー・ロブソンやジョゼ・モウリーニョ、アンドレ・ビラス・ボアスなど、クラブのミュージアムに銅像を擁する偉大な先人を追い越した未来のレジェンド候補のもと、王者の新たな歴史の針が動き出す。

2位ベンフィカ:ルイ・ビトーリア

ルイ・ビトーリア(続投)

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自身リーグ3連覇、クラブとしてはリーグ5連覇を目指したシーズンだったが、エデルソン・モラエスビクトル・リンデロフネウソン・セメードらビッグクラブに羽ばたいた主力選手の穴を埋められず、シーズン開幕のスタートダッシュに失敗した。CLは6戦6敗という不名誉な記録を打ち立て早々にグループステージ敗退。シーズン折り返しの時点で、ポルトガルカップとリーグカップの2つのカップ戦からも早々に姿を消した。

タイトルの可能性が残されたリーグ戦では、序盤のつまずきを猛烈な勢いで取り返し、一時はポルトから首位を奪還したが、終盤に迎えた事実上のタイトル決定戦、ホームのクラシコでは、ポルトMFエクトル・エレーラに劇的な決勝点を浴びて万事休す。5連覇を目指したシーズンは、主要タイトル無冠で幕を閉じ、涙を飲んだ。

タイトル奪還を狙う今季もチームの指揮を託したのはルイ・ビトーリア。背水の陣で臨むシーズンは、国内タイトルの奪取はもちろん、予選から出場するCLでの上位進出も必須となる、まさに勝負の1年だ。成果を残せなければ、4年目を迎える同監督の長期政権が終わりを告げる可能性も否定できないだろう。クビを切られないため、そして、いよいよ欧州のトップステージへと飛躍するためにも、リーグタイトルの奪還とCLベスト16進出は最低ノルマだ。

3位スポルティング:ジョゼ・ペゼイロ

ジョルジ・ジェズス(来季:アル・ヒラル)
→ジョゼ・ペゼイロ
(前:ビトーリア・ギマラインス)

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天国から地獄へ。希望から絶望へ。そんな言葉が当てはまる1年だった。

レアル・マドリードからファビオ・コエントラン、バルセロナからジェレミ・マテュー、ローマからセイドゥ・ドゥンビア、そしてサンプドリアからポルトガル史上最高額タイとなる違約金1億ユーロを設定したブルーノ・フェルナンデスら、近年稀に見る大型補強を敢行し、2001-02以来実に17シーズンぶりのリーグタイトルが期待されたシーズン。この年リーグMVPに輝いたブルーノ・フェルナンデスの想像以上の活躍もあり、シーズン序盤はポルトと熾烈な首位争いを演じ、中盤にはポルトガルリーグカップのタイトルを獲得。順風満帆な1年が期待されたが、シーズン終盤に1人の傲慢な男によりクラブは泥沼へと足を踏み入れていく。

事の発端は、ELアトレティコ・マドリード戦の敗北。当時のクラブ会長ブルーノ・デ・カルバーリョが、一部の主力選手を自身のSNSで公然と批判した。最後まで選手との間に生まれた亀裂は修復せず、シーズン終了後にはソシオにより会長が罷免される事態に陥った。また、期待外れのシーズンに終わったことへの不満から、覆面を被った50名のフーリガンが練習場に押し入り、選手・コーチらを襲撃する未曾有の大事件も勃発。カップ戦の決勝を控える中、エースFWバス・ドストらが心身ともに深い傷を負った。そして直後、シーズン2冠を目指したポルトガルカップ決勝では、格下アービスにまさかの敗北を喫した。この大混乱を受けて、ルイ・パトリシオウィリアン・カルバーリョ、ブルーノ・フェルナンデス、ジェウソン・マルティンスなど、この年ロシアW杯にも出場したチームの主軸選手が、痺れを切らしてこぞってクラブとの契約解除を申し出た。

結局、シーズン最後の最後まで混乱は収束せず。前会長時代に新監督として招聘されたシニシャ・ミハイロビッチが、会長交代により試用期間中にクビにされ、新監督には前年にビトーリア・ギマラインスでリーグ9位に終わったジョゼ・ペゼイロを古巣復帰させるゴタゴタな監督人事を敢行。主力選手が一斉に退団しチームは崩壊、新監督への期待感も醸成されず、新たな1年を迎えることとなった。

新会長を中心とする新たなマネジメント体制の尽力実り、リーグMVPブルーノ・フェルナンデスや、チーム得点王バス・ドストらはクラブと再契約を締結。ペゼイロ監督期にプロデビューを果たしたルイス・ナニが3度目の古巣復帰を果たすなど、明るい兆しも。しかし、クラブ・サポーターが、彼ら世界レベルの選手たちがフットボールに集中できる環境を醸成できない限り、前年以上の悲劇、つまり3強の一角から引きずり降ろされる可能性も十分。マネジメント、現場ともに大刷新された新体制のもと生まれ変わり、ポルトガル屈指の名門としての面目を保てるか。

4位ブラガ:アベル・フェレイラ

アベル・フェレイラ(契約延長)

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クラブレゴードとなる勝ち点75を積み上げ、史上最高のシーズンを送ったブラガ。3位スポルティングには同3差まで詰めより、5位リオ・アベとは同24も引き離すなど、「ポルトガルの4強」の地位を確固たるものにした1年となった。シーズンを通したドローの回数は3で、優勝したポルトの4を超えるリーグNo.1。引き分けの試合を勝ちに持っていく粘り強さを発揮していた。

ジョゼ・ペゼイロ、ジョルジ・シマオンと監督交代を繰り返す非常事態となった一昨季から、挽回を期したシーズンに歴史を築いたアベル・フェレイラ。その功績を評価して、クラブは同監督と2021年までの長期契約を締結した。リーグ3強のうち、足元をすくえる可能性が最も高いであろうスポルティングは、かつてブラガを泥沼に陥れた凡将ジョゼ・ペゼイロを招聘して、クラブは会長交代により大混乱に陥るという願ってもない状況。昨季はあと白星1つ分にまで迫った3強撃破を叶える環境は、これ以上ないほどに整った。

5位リオ・アベ:ジョゼ・ゴメス

ミゲウ・カルドーゾ(来季:ナント)
→ジョゼ・ゴメス(アル・タアーウン)

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トップチーム監督初年度で、ソリッドなサッカーをチームに植え付け、リオ・アベを5位に導いた稀代の戦術家ミゲウ・カルドーゾは、フランス1部ナントに引き抜かれる。シャフタールで名アシスタントコーチとしてにわかに話題を集めていた次世代の名将は、わずか1年で国外のトップリーグへと活躍の場を移した。

後任には、サウジアラビアのアル・タアーウンで指揮を取っていたジョゼ・ゴメスを招聘した。近年はハンガリーのビデオトンやこのアル・タアーウンなどで監督を務めるなど、欧州の表舞台からは長らく遠ざかっていた47歳。ヌーノ・エスピリト・サントペドロ・マルティンス、ルイス・カストロにミゲウ・カルドーゾら国内屈指の名将が積み上げで強化をしてきたクラブを任せるには少々荷が重い。ブラガに次いで3強体制への対抗勢力としてのポジションを確固たるものにするのか、それとも新監督のもとかつての凡庸な中位クラブへと戻ってしまうのか。分岐点となる1年を迎える。

6位シャービス:ダニエル・ラモス

ルイス・カストロ
(来季:ビトーリア・ギマラインス)
→ダニエル・ラモス(前:マリティモ)

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昇格3年目の弱小クラブを6位と大躍進させたルイス・カストロが、不本意なシーズンに終わった北の古豪ビトーリア・ギマラインスに引き抜かれる。代わって、マリティモを2シーズンにわたりリーグ6位(2016-17)、7位(2017-18)と上位にキープさせたダニエル・ラモスと2年契約を締結した。

ダニエル・ラモスにとっては、2部リーグ時代の2004-05シーズン以来の古巣復帰となる。 マリティモで積み上げた1部リーグでの経験を古巣に還元し、前監督が残した偉業を超えないまでも、最低でも1桁順位はキープしたいところだ。

7位マリティモ:クラウディオ・ブラガ

ダニエル・ラモス(来季:ジャービス)
→クラウディオ・ブラガ
(前:フォルトゥナ・シッタート)

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マリティモを上位に定着させたダニエル・ラモスは、昨季6位と大健闘したシャービスの新監督に就任。代わって、オランダリーグのフォルトゥナ・シッタートからクラウディオ・ブラガを招聘した。

クラウディオ・ブラガは、これまでPSVやユトレヒトなどオランダの名門クラブでユースチームを率いた経験を豊富に持つ。昨季はオランダ2部でフォルトゥナ・シッタートの監督に途中就任すると、クラブを16年ぶりの1部昇格に導いた。ポルトガルリーグでの指導は、2014-15にサンタ・クラーラでアシスタントコーチを務めたのが最後で、トップチーム監督としての経験はない。ゼニトなどでプレーした生え抜きのレジェンドFWダニーが10番を背負って復帰したメモリアルシーズンに、オランダで築き上げてきた異彩のキャリアを持つポルトガル人監督のもと、さらなる上位定着に向けて一皮剥けたい。

8位ボアビスタ:ジョルジ・シマオン

ジョルジ・シマオン(契約延長)

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成績不振に陥ったミゲウ・レアウを早々に見限ったボアビスタ。この思い切った決断は、ちょうど一昨年にブラガで途中解任の憂き目にあって以来フリーの身となっていた国内最高峰の若手監督ジョルジ・シマオンの招聘という幸運を呼び込んだ。次世代のポルトガル人監督を背負って立つであろう41歳の若き名将のもと着実に順位を回復させ、昨季は8位とまずまずの成績に。クラブはその手腕を評価して、シーズン途中の3月に早々と1年の契約延長を決断した。

ポルトガルリーグ優勝経験のある5クラブの一角として、そろそろ古豪復活といきたい「ポルト第2のクラブ」ボアビスタ。ブラガで途中解任され、前途洋々なキャリアが一時後退した若き名将のもと、クラブ・監督ともに名誉挽回の大躍進となるか。今季のポルトガルリーグで台風の目となれる期待感は十分だ。

9位ビトーリア・ギマラインス:ルイス・カストロ

ジョゼ・ペゼイロ(来季:スポルティング)
→ルイス・カストロ(前:シャービス)

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リーグ4位の座を引っさげ、3強体制の撃破とELでの躍進を狙ったビトーリア・ギマラインス。しかし、ELに出場する3強以外のクラブにとってもはやジンクスと言えよう、国内リーグとの両立にやはり失敗。たまらず、クラブは国内屈指の名将の評価を得つつあったペドロ・マルティンスの解任を決断した。後任として、ポルトガルリーグでは、ポルト、ブラガ、そしてこのギマラインスと、3クラブ連続での途中就任となった「名ピンチヒッター」ジョゼ・ペゼイロのもと、何とか1桁順位を確保し、北の強豪クラブの面目は保った。

双方の合意のもとジョゼ・ペゼイロとの契約を解消した今季は、ポルトBで2部リーグ優勝、リオ・アベでリーグ7位、そして昨季は弱小クラブのシャービスでリーグ6位と着実に監督としてのステップアップを遂げてきたルイス・カストロと2年契約を締結した。就任会見では「ヨーロッパの舞台を目指す」と、上位進出をサポーターに誓った同監督。昨季の監督交代時にファーストチョイスとしながらも引き抜きが叶わなかった56歳のポルトガル人監督に、古豪復活を託す。

10位ポルティモネンセ:アントニオ・フォーリャ

ビトール・オリベイラ(来季:パソス・デ・フェレイラ)
→アントニオ・フォーリャ(前:ポルトB)

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5年連続、記念すべき自身10度目の1部昇格を果たした「昇格王」にとって、2004-05シーズン以来となった1部リーグでの挑戦は、大成功のまま幕を閉じた。元鹿島アントラーズ・現浦和レッズFWファブリシオは、3強の各エースに次ぐ得点ランキング4位タイの15ゴール、中島翔哉はリーグで唯一となる2桁ゴール2桁アシスト(※)を記録するなど、攻撃的なプレーヤーが大躍進。(※ポルトガルリーグ公式の記録はアシスト数が7となっているが、ポルトガルサッカーデータベース『zerozero.pt』の記録に準拠し10アシストとした)4強以外のチームでは最も多くの得点を積み上げたチームとなり、破壊的な攻撃力で昇格1年目ながらポルトガルリーグを席巻した。

中島翔哉の恩師ということで日本での知名度も上がったビトール・オリベイラは、クラブからの契約延長オファーを拒否して新たな挑戦へ。2部に降格した古巣パソスに1992年ぶりに復帰し、90-91シーズンに自身が成し遂げたクラブの1部昇格に再度挑むこととなった。そして、クラブは新たにポルトBを率いていたアントニオ・フォーリャを招聘。育成力に定評のある名門クラブの下部組織での経験を、若く攻撃的なタレントを多く要するチームに還元し、今季もダークホースとなれるか。

11位トンデーラ:ペパ

ペパ(契約延長)

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降格の恐怖と戦い続けた一昨季からは一転、37歳の青年監督がシーズン開幕から指揮を執った昨季は、11位と大健闘。監督自身も、ポルトとブラガでそれぞれクラブの最多勝ち点記録を更新したセルジオ・コンセイサオンとアベル・フェレイラと並んで、ポルトガルリーグ年間最優秀監督賞にノミネートされる飛躍の年となった。
その手腕が評価され、1年の契約延長を勝ち取ったペパ。上位クラブへのステップアップが叶うきっかけとなるシーズンとしたい。

12位ベレネンセス:ジョルジ・シラス

ジョルジ・シラス(続投)

ドミンゴス・パシエンシアの解任に伴い、プレーヤーとして4シーズンを過ごした古巣に監督として復帰したジョルジ・シラス。一昨季に現役引退したばかりながら、昨季はいきなりピンチヒッターとしてトップチーム監督に。そして、今季はシーズン開幕からポルトガル屈指の古豪で監督を務めることとなった。

リーグタイトルを獲得したことのある5クラブの一角であるベレネンセスは、近年はスペイン人監督フリオ・ベラスケスや、国内のビッグクラブでの指揮経験が豊富なドミンゴス・パシエンシアら、監督選びで試行錯誤を続けている。これまでの人事とは異なる、キャリアの浅い監督の招聘が、古豪復活の起爆剤となるか。

13位アービス:ジョゼ・モッタ

ジョゼ・モッタ(続投)

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リカルド・ソアレスとリト・ビディガル、2度の監督交代を経た苦難のシーズンだったが、シーズン末にプレゼントが舞い降りる。フーリガンの暴動でまともな練習がままならなかったスポルティングを決勝で下し、クラブ史上初の主要タイトルとなるポルトガルカップ王者を戴冠した。幸運にもカップ戦王者となり、リーグ王者ポルトとのスーペルタッサを戦う権利を得たジョゼ・モッタが、今季もチームを指揮する。

14位ビトーリア・セトゥバル:リト・ビディガル

ジョゼ・コウセイロ(来季:ポルトガル代表テクニカルディレクター)
→リト・ビディガル(昨季:アービス)

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一昨季に13クラブが監督交代に踏み切ったポルトガル1部で、監督の座を死守した5人の監督であったジョゼ・コウセイロがついに退任。今季は新たに、昨季1月にアービスの監督を解任されて以来フリーとなっていたリト・ビディガルを招聘した。
同監督は、15-16シーズンに弱小アロウカをリーグ5位に導いたことで評価を高めた監督。昨季は無念の監督途中交代となったが、近年下位でもがき苦しむセトゥバルをアロウカ時代のように上位に導けるか。

15位モレイレンセ:イボ・ビエイラ

プティ(来季:未定)
→イボ・ビエイラ(前:エストリル)

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マヌエル・マシャード、セルジオ・ビエイラと2度の監督交代を敢行し、3人目プティのもと何とか1部残留を果たした。今季1年契約で招聘したのは、昨季途中就任したエストリルで1部残留に失敗し、現エバートン監督マルコ・シウバが一時はリーグ4位に導いた新興クラブを2部に降格させたイボ・ビエイラ。2014-15シーズンに昇格して以来、しぶとく1部に残り続けたクラブだが、今季は正念場を迎える。

16位フェイレンセ:ヌーノ・マンタ

ヌーノ・マンタ(続投)

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当時38歳だった一昨季に、ジョゼ・モッタの後任としてシーズン途中にトップチーム監督デビューを果たしたヌーノ・マンタ。1部昇格初年度のチームを残留に導くどころか、リーグ8位と大成功を収め、その評価を急上昇させた。しかし、さらなる躍進が期待された昨季は、リーグ16位で何とか降格を免れる低調な出来に終わる。ナイジェリア代表でチームの10番を背負ったエテボ・オグヘネカロの穴を埋められず、失意のシーズンを過ごす結果となった。
昨季の不本意な成績もあり、かつてのリーグ8位の栄光は忘れ去られつつある中、名誉挽回を図る勝負の1年となる。

2部1位ナシオナル:コスティーニャ

コスティーニャ(続投)

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一昨季にまさかの2部降格を味わったマデイラの名門クラブは、自国開催のEURO2004や2006年ドイツW杯などで母国の代表を背負ったレジェンド、コスティーニャ監督のもと、1年での1部復帰を達成。監督自身も、2部リーグの最優秀監督に選出された。

1部リーグでの指揮は、13-14シーズンのパソス・デ・フェレイラ以来。当時は、前年にリーグ3位の偉業を成し遂げたパウロ・フォンセッカの後任という難しいタスクをこなせず、シーズン序盤に監督交代の憂き目にあった。2部リーグ最優秀監督の称号を引っさげたかつての名プレーヤーが、1部リーグの壁に再挑戦する。

2部2位サンタ・クラーラ:ジョアン・エンリケス

カルロス・ピント(来季:アカデミカ)
→ジョアン・エンリケス
(前:パソス・デ・フェレイラ)

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アソーレス諸島の小クラブを15年ぶりに1部へ導いたカルロス・ピントは、「レベル3のライセンスを保持していない」との理由で契約更新にこじつけず。代わって、45歳のジョアン・エンリケスに1部残留の望みを託した。

ただし同監督は、昨季パソスをシーズン途中から率いて残留に失敗し、かつてはパウロ・フォンセッカのもとリーグ3位にまで登りつめた新興クラブを13年ぶりの2部に突き落とした当事者。監督就任発表に際して、クラブはモノポリーでジョゼ・モウリーニョやレオナルド・ジャルディン、ビトール・ペレイラらポルトガル人監督のレジェンドを通過して新監督に辿り着く、ユーモア溢れるビデオを公開して反響を呼んだが、開幕から結果を残せないようであれば、解任モノポリーを真っ先にゴールしてしまうだろう。

注目監督ベスト3

1位 アベル・フェレイラ(ブラガ)
昨季は就任1年目ながら、獲得した勝ち点数でクラブレコードを樹立。成熟を図る2年目に、スポルティングが主力を大量に失い、会長も交代する大転換期へ。3強食いが射程年内に迫った。

2位 ジョルジ・シマオン(ボアビスタ)
ブラガではシーズン途中の監督就任ということもあり、チームを立て直せず自身も途中解任に。それでも、パソスやシャービスを上位に躍進させた評価は色あせず。今季1年間で古豪ボアビスタの復興に成功すれば、翌シーズンは自身2度目のビッグクラブ挑戦も起こり得ない夢ではない。

3位 ルイス・カストロ(ビトーリア・ギマラインス)
シャービスを6位に躍進させた手腕は見事の一言。ポルトではピンチヒッターとしての監督途中就任であったため、ギマラインスのような強豪クラブをシーズン開幕から指揮するのは初。キャリアの分岐点となる1年になりそうだが、結果を残せばその評価はうなぎ登りになることだろう。

以上、2018-19シーズン、ポルトガル1部リーグ全18チームの監督人事と3名の注目監督を紹介した。今季こそ3強を食う監督は現れるのか、そして、ジョルジ・シマオンやペパ、ヌーノ・マンタら中位クラブの青年監督にとって、過去を振り返ったときにキャリアの転換期となったと言えるシーズンになるのか。ポルトとベンフィカを中心に激戦が繰り広げられるポルトガルリーグであるが、上記のような、2強以外の要素にも是非とも注目いただきたい。