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【過去コラム再掲】2013-14シーズン、ポルトガルリーグ3強の移籍市場を賑わす3選手

2013-14シーズンの終盤に執筆した記事です。この中から実際に多くの選手が移籍を決めました。いま世界で活躍する彼らが、当時どのようなクラブに狙われていたのか、楽しみながらご確認ください。

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ポルトガルリーグも残るは4節。シーズン終盤に差し掛かり、移籍市場も慌ただしくなってきました。特に、欧州各リーグ強豪クラブへの売り手市場であるポルトガルリーグでは、今まさに移籍の噂が蔓延しています。

そこで、今回は「ポルトガルリーグ3強の移籍市場を賑わす3選手」と題し、来季へのステップアップが有力な選手を、ベンフィカ・スポルティング・ポルトから各3名ずつピックアップしました。近年はフッキやファルカオなどの怪物選手をフットボール界に送り込んでいるポルトガルリーグですので、この中に、すでに将来のモンスター候補がいるかもしれません。W杯後の値上がりを嫌って、各クラブがW杯前に確保するかもしれませんし、逆にW杯で活躍してさらに評価を高める選手もいるでしょう。

今シーズンもあとわずか。ポルトガルリーグからこんな選手が自分の贔屓のチームに来るのかもしれないのか!と知ってもらい、残りの各国リーグ戦やW杯での楽しみが増えればと思います。(データは全て、zerozero.ptとA BOLAより引用)

 

【ベンフィカ】

1.マルコビッチ

セルビア代表 20歳 175cm/65kg 右利き ウイング

今シーズンよりパルチザンから移籍した若きアタッカー。ポルトガルリーグ1年目にしてリーグMVP級の働きを見せ、一気に評価を高める。スピードに乗ったドリブル、ゴール前で魅せるテクニックやクリエイティブなプレーが魅力的。圧倒的な若さが魅力的な将来のビッグスター候補。

<獲得を狙うクラブ>

チェルシー リバプール マンU

特に、チェルシーのモウリーニョ監督が熱視線。またリバプールも獲得に向けて2500万ユーロを用意しているとの噂。

→編集後記:リバプールへ移籍

 

2.シケイラ

ブラジル人 27歳 183cm/76kg 左利き 左サイドバック

今シーズンからスペインのグラナダよりレンタルで移籍。サイドバックとしては大きいサイズが魅力的。豊富な運動量、そして、ダイナミックな攻め上がりと高精度クロスが持ち味。

<獲得を狙うクラブ>

レアル リバプール アーセナル ミラン インテル ユベントス

特にレアルがコエントランの後釜として大注目。またリバプールのスカウトも度々視察に足を運ぶ。

→編集後記:アトレティコへ移籍

 

3.ロドリゴ

ブラジル人 23歳 182cm/74kg 左利き フォワード

昨シーズンに特にELで名をあげた同クラブのカルドーソの負傷離脱もあり、同郷のリマとともに破壊力抜群の2トップを形成。ベンフィカの躍進に貢献した。今シーズンはすでにリーグ2ケタ得点を記録している。スピードに乗ったスペースへの飛び出し、体幹の強さ、そして高精度の左足が魅力的。ベンフィカが2000万ユーロの違約金を設定。

<獲得を狙うクラブ>

リバプール チェルシー トッテナム マンU ローマ

特にリバプールが大注目。前述した同クラブのマルコビッチやシケイラ、CBガライやFWリマの視察も兼ねて、たびたびスカウトが試合に訪れる。

→編集後記:バレンシアへ移籍

 

【スポルティング】

1.ウィリアンカルバーリョ

ポルトガル代表 22歳 187cm/87kg 右利き アンカー

今年のリーグMVPのNo.1候補でありポルトガル代表を背負って立つであろう期待のホープ。22歳とは思えない中盤での落ち着き、機を見た前線への飛び出しが持ち味で、中盤の底のポジションながら、今シーズンはリーグですでに4ゴールをマーク。守備では持ち前の長身から繰り出すリーチの長い足でボールを絡め取る。W杯での活躍が注目される若手の1人でもあり、先月は月間MVPにも選出。スポルティングが4500万ユーロの違約金を設定。

<獲得を狙うクラブ>

マンU チェルシー リバプール トッテナム マンC

特にマンUのモイーズ監督が熱視線。すでに手中に収めたとの噂も。しかし、競争相手がイングランドの錚々たるクラブなので、CLに出られないマンUにとっては厳しい争奪戦が予想される。

 

2.カルロス・マネー

ポルトガル人 20歳 172cm/66kg 右利き ウイング

スポルティングの下部組織出身で、経歴もスポルティング一筋。今シーズンからトップチームに昇格。シーズン折り返し辺りから出場機会を増やし、現在はスタメンとしてプレー。同アカデミーのスターであるCロナ2世との呼び声が高い。スポルティングが4500万ユーロの違約金を設定。

<獲得を狙うクラブ>

マンU チェルシー マンC ユベントス

特にウイングの獲得を望むユベントスのコンテ監督が熱視線。しかし、将来性を見込まれて設定されたであろう4500万ユーロという違約金に見合った活躍は見せていないかも。。。

 

3.マルコス・ロージョ

(スペイン語読みだとホーホ)

アルゼンチン代表 24歳 187cm/80kg 左利き センターバック

2012年よりスパルタク・モスクワから移籍。対人の強さ、背負われた相手からのボール奪取が魅力的。今シーズンのホームでのポルトとのクラシコでは、敵エースのジャクソン・マルティネスを完封。個人的にはポルトガルリーグNo.1センターバック。世界的に希少種である左利きのセンターバックという点も◎

<獲得を狙うクラブ>

リバプール マンU マラガ ドルトムント

今回紹介する9人の中では1番噂の少ない選手。もしかすると、W杯後に評価を上げて争奪戦になる可能性も。そのくらいのポテンシャルを感じる。個人的にですが。。

→編集後記:マンチェスター・ユナイテッドへ移籍

 

【ポルト】

1.ジャクソン・マルティネス

コロンビア代表 27歳 184cm/76kg 右利き フォワード

昨シーズン、移籍初年度ながら、同郷のファルカオの穴を完全に埋める大ブレイク。そこで噂された移籍はせずに、今シーズンもポルトのエースとして、現在までリーグトップの18ゴールを記録。ポルトガルリーグNo.1の人気銘柄であり、今シーズン終了後の移籍は確実か。

<獲得を狙うクラブ>

チェルシー アーセナル マンU レアル アトレティコ ユベントス ナポリ ローマ ドルトムント モナコ ….などほとんどの強豪チームの補強リストに載る。

昨シーズンはナポリへの噂が間近となったが、破断。今シーズンはより大きなクラブに移籍するだろう。特にチェルシーとアーセナルが大注目。またアトレティコはディエゴ・コスタ、モナコはファルカオ、ドルトムントはレバンドフスキの後釜として獲得を狙うとのこと。

 

2.マンガラ

フランス代表 23歳 187cm/74kg 左利き センターバック

日本代表川島選手所属のスタンダール・リエージュ出身。的確なポジショニング、圧倒的な俊足、対人の強さ、パス精度などが武器で、打点の高いベッドでは得点にも貢献。ロージョ同様、世界的に希少種である左利きのセンターバックであり、23歳という若さも魅力的。ポルトが5000万ユーロという法外な違約金を設定。

<獲得を狙うクラブ>

マンU チェルシー マンC

チェルシーのモウリーニョ監督が獲得を熱望していたものの、値段が高すぎて白旗。すでにマンC行きが内定との噂も。コンパニーの相方に悩むマンCにとっては喉から手が出るほど欲しい逸材であり、本気で獲得に動くはずである。

→編集後記:マンチェスター・シティへ移籍

 

3.フェルナンド

ブラジル人 26歳 185cm/70kg 右利き アンカー

ポルトガルの中盤を支える替えの効かない選手。圧倒的なボール奪取能力とタイミングのよいサイドチェンジが武器。今夏に契約が切れる予定だったため、昨冬に移籍が確実かとも言われたが、まさかの残留、そして契約を延長。今夏にタダで獲得できたかもしれない他クラブからすれば、願っていない契約延長であろう。また現在、クラブが協会に彼のポルトガル国籍を申請中との噂もあり、もしかしたら、W杯ではポルトガル代表としてプレーしている可能性も。

<獲得を狙うクラブ>

マンC ナポリ ミラン

特にマンCが大注目。昨冬に、前述のマンガラとセットでの移籍が決まりかけたが、破断。マンCは引き続き獲得を本気で狙っており、2人の獲得に5000万を用意しているとのこと。

→編集後記:マンチェスター・シティへ移籍

 

以上、計9名の選手を紹介しました。どの選手もポルトガルリーグのスター選手であり、ステップアップ先でも活躍できることと思います。噂されるクラブを見ても、イングランドのチームがポルトガルリーグに大注目していることがよくわかりますね。しかもイングランドのトップばかりです。

ポルトガルのチームは、選手に法外な違約金を設定し、移籍金を吊り上げようとしていますが、実際にこの違約金で移籍が決まることはありません。例えばスポルティングは今シーズンチームトップの得点数を誇るモンテーロに6000万ユーロという違約金を設定していますが、彼のパフォーマンスだと1500万でも高いくらいではないかと感じます。昨冬に去年のリーグ年間MVPで、プスカシュ賞の候補にも選ばれたベンフィカのマティッチは、昨冬にチェルシーへ移籍しましたが、移籍金は2500万ユーロ。他の選手もだいたいこのくらいの値段で収まるんじゃないかと予想します。

リーグも佳境を迎え、優勝チームが実質ベンフィカに決まっているポルトガルリーグでは、リーグの結果よりも移籍の噂が楽しみな話題となりそうです。

【過去コラム再掲】ドラゴンズ?学生?チェス?―ポルトガルクラブのあだ名の種類と由来

ポルトガルの各クラブがメディアで呼ばれている「あだ名」についてまとめ、その由来に迫ります。

ポルトガルの新聞が、あるチームの選手を包括的に呼ぶ際に、日本的な概念で、例えば「ベンフィカの選手たちは〜だった」などというような表現はしません。この「ベンフィカの選手たち」という主語をひとつの単語、すなわち、あだ名で表すのです。

そして、このあだ名には様々な由来があり、ひとつのチームが複数のあだ名を持つことがほとんどです。これもポルトガルサッカーの魅力のひとつではないでしょうか。

今回はあだ名を

1.普通形

2.ユニフォームカラー形

3.地域由来形

4.特殊形

の4種類に分類し、それぞれに当てはまる代表例を紹介していきます。

 

1.普通形

普通形のあだ名は、その単語内にクラブの名前が含まれており、一目でどのクラブを指しているのかが分かります。

<例>

ポルト(Porto)=ポルティスタス(Portistas)

エストリル(Estoril)=エストリリスタス(Estorilistas)

マリティモ(Maritimo)=マリティミスタス(Maritimistas)

パソス・デ・フェレイラ(Paços de Ferreira)=パセンセス(Pacenses)

なお、語尾の「ス」は複数形を表すものであり、これがつく場合とつかない場合の両方が見られます。

✳︎ポルトガルではブラジルと違い、”S”は「シュ」に近い発音がされます。例えば、ポルティスタスは「ポルティ”シュ”タ”シュ”」と発音されますが、ここでは分かりやすく「ス」と明記します。

 

2.ユニフォームカラー形

そのクラブが着用するユニフォームがあだ名になることもあります。

例えば、ポルトは「アズイス・イ・ブランコス」”azuis-e-brancos”と呼ばれ、これは「青と白」を意味します。また、ベンフィカは赤を意味する「エンカルナードス」”encarnados”と呼ばれます。ちなみに”encarnados”の”carne”は「お肉」を意味するので、赤のイメージが湧きやすいですね。

この形で特に面白いのが、ボアビスタのあだ名です。白黒のチェックをユニフォームカラーとするボアビスタは「アシャドレザードス」”axadrezados”と呼ばれます。この単語に含まれる”xadrez”は「チェス」を意味し、ユニフォームをチェス盤に見立てたあだ名になっていることが分かります。

 

3.地域由来形

そのチームが拠点を置く地域の名前があだ名になることもしばしばあります。

例えば、ポルトから北西に位置する「ヴィラ・ド・コンデ」”Vila do Conde”をホームとするリオアベは「ヴィラ・コンデンセス」”vila-condenses”と呼ばれます。

また、ブラガは「ミニョット」”minhoto”と呼ばれるのですが、これはブラガ近辺を「ミーニョ(Minho)地方」と呼ぶことに由来します。ブラガの選手たちも「ミーニョ地方の人々」だということでしょうか。

ビトーリア・セツバルのあだ名は「サディーニョ」”sadinho”ですが、これはセツバルを流れる「サド川」”Rio Sado”から来ているのではないかと推測されます。

 

4.特殊形

最後の特殊形ですが、この形はそのチームを象徴する一単語で表されることがほとんどです。

例えば、ポルト、ベンフィカ、スポルティングはそれぞれのチームマスコットである、ドラゴン、ワシ、ライオンを意味する

「ドラゴインス」”dragões”「アーグィアス」”águias”「レオインス」”leões”と呼ばれます。これは野球に近いですね。ベンフィカをアーグィアスと呼ぶのは、楽天をイーグルスと呼ぶと似ているような気がします。

また、アカデミカは「エストゥダンテス」”estudantes”と呼ばれますが、これは「学生」を意味する単語です。

なぜ学生なのでしょうか?

それは、アカデミカが拠点を置く「コインブラ」は、約700年以上の歴史を持つコインブラ大学で有名なポルトガル一の学生の街だからです。チームを象徴するという意味で、その街の特徴があだ名になるのは面白い例ですね。

以上のように、ポルトガルのチームには様々な呼び名があります。また、例えば、ポルトは今回紹介した中でも3種類のあだ名があり、他のチームも多くのあだ名を持ち合わせています。サッカー自体とはかけ離れたことですが、チームのあだ名の由来を文化的な側面から調査していくのも、また面白い作業だと思います。