【過去コラム再掲】「ポルトガル・ドリームチーム」を推し進める3クラブ

(※編集後記:ダニーロ・シウバのバレンシア移籍、イバン・カバレイロのモナコ移籍、ナニのフェネルバフチェ移籍は後日決定)

近年、ポルトガルリーグ出身者の世界的ブランドが急上昇している。議論の余地はあるものの、世界最高の選手はポルトガル人であり、世界最高の監督もポルトガル人、そして、世界最高の代理人すらもポルトガル人であるのだから、このような「ポルトガル・ブーム」は、至極当然の流れと言えよう。

ポルトガルリーグから世界へ羽ばたいた人材が 、期待に違わない活躍をしている事実もまた、この風潮を加速させている。ベンフィカでリーグMVPに輝いたマティッチは、すでにチェルシーには欠かせない、世界でも有数のプレーヤーに成長した。ブラジルワールドカップで得点王に輝き、名門レアルの10番として迎え入れられたポルト出身のハメス・ロドリゲスは、現在のフットボールシーンを代表する若手スター選手の1人である。他にも、ベンフィカからアトレティコの守護神となったオブラクや、バレンシアの躍進を支えたロドリゴやエンゾ・ペレスなど、例を挙げ出したらキリがないほどに、ポルトガルリーグ出身の選手たちが、世界各国で躍動している。

そんな中で、欧州の数カ国においてポルトガルリーグの出身者を掻き集めて、「ポルトガル・ドリームチーム」なるものを形成せんとしているクラブが存在している。スペインのバレンシア、フランスのモナコ、そしてトルコのフェネルバフチェである。これらクラブの共通点は2つ。まず、どのクラブもポルトガル人監督が指揮を執っていること。そして、強靭な財務基盤を武器に青田買いを実行していることである。特に、前者に関連して、世界最高の代理人であるジョルジ・メンデスの影響力は大きい。この敏腕代理人の傘下には、ポルトガルリーグ出身の監督と選手が数多く所属している。そのネットワークを活かし、各国のポルトガル人監督のもとへ有力なポルトガルリーグ出身選手を送り届けているのだ。

そこで今回は、「ポルトガル・ドリームチーム」の実現に挑む、スペイン、フランス、そしてトルコの3クラブに迫った。3クラブともに、将来有望な若手ポルトガル人監督が指揮を執っており、今後もチームのポルトガル化を推し進めると予想されるクラブである。

 

<スペイン>

バレンシア

・監督 : ヌーノ・エスピリト・サント(元リオ・アベ監督)

2つの国内カップ準優勝を置き土産にリオ・アベからバレンシアへ。新オーナーのピーター・リム氏とジョルジ・メンデスの繋がりは強固であり、その影響からバレンシアの監督に抜擢された。今季は、就任初年度ながらリーグ4位に輝き、高評価を受けた。

・ポルトガルリーグ出身の所属スター選手

ロドリゴ、アンドレ・ゴメス、エンゾ・ペレス(以上、元ベンフィカ)、オタメンディ(元ポルト)

リオ・アベ時代に手を焼いたポルトガルリーグのスター選手をベンフィカから強奪。おそらくリオ・アベ時代から自チームに欲していたのだろう。弱小クラブでは叶わず、豊富な資金力を誇るバレンシアに移籍したことで、彼らを指揮する夢を叶えた。

・獲得を狙うポルトガルリーグのスター選手

  1. ダニーロ・シウバ(ブラガ所属)

U-20ブラジル代表キャプテン。ユベントスも獲得を狙う。

  1. イスラム・スリマニ(スポルティング所属)

これまたリオ・アベ時代に手を焼いたセンターフォワード。スポルティングでは不動のエースストライカー。

 

<フランス>

モナコ

・監督 : レオナルド・ジャルディン(元スポルティング監督)

低迷していたスポルティングをリーグ2位に導き、モナコからヘッドハンティングされる。CLでもベスト8と躍進を果たし、その名を全世界に轟かせた。3チームの中では、最もポルトガル化推進の噂が強い。

・ポルトガルリーグ出身の所属スター選手

リカルド・カルバーリョ、ジョアン・モウティーニョ(以上、元ポルト)、ベルナルド・シウバ(元ベンフィカ)。かつては、ラダメル・ファルカオやハメス・ロドリゲスも所属(元ポルト)。

・獲得を狙うポルトガルリーグのスター選手

1. ウィリアン・カルバーリョアドリエン・シウバ、カルロス・マネ(スポルティング所属)

スポルティング時代に率いたチームの主軸を、こぞってモナコへ呼び寄せようと試みる。監督のアイディアを理解する中盤の2選手、すなわち、U-21欧州選手権でMVPに輝いたウィリアンとスポルティングの要アドリエンは、喉から手が出るほど欲しいことだろう。

  1. カルロス・エドゥアルド(ポルト所属)

ポルトからレンタルされたフランスのニースにて、2桁得点を記録。ポルトへ帰還予定だが、横奪を狙う。

  1. イバン・カバレイロ(ベンフィカ所属)

今季はベンフィカからデポルティボにレンタルされていた。U-21欧州選手権でベストイレブンに選ばれる活躍を見せた。獲得間近との噂も。

  1. バレンシアと同じく、ダニーロ・シウバと、スポルティング時代の教え子イスラム・スリマニも。

 

<トルコ>

フェネルバフチェ

・監督 : ビトール・ペレイラ(元ポルト監督)

ポルトで2年連続リーグ優勝、オリンピアコスでも就任1年目で王者に。もっと評価されても良さそうだが。来季からは、フェネルバフチェを率いる。

・ポルトガルリーグ出身の所属スター選手

ブルーノ・アウベス、ラウール・メイレレス(元ポルト)

ポルトガル代表を長らく支えた2枚看板。彼らもポルトガルリーグ出身選手の入団を望んでいることだろう。

・獲得を決めたポルトガルリーグの有力選手

ファビアーノ、アブドュライエ(元ポルト)

指揮官の古巣ポルトから、準レギュラー〜レギュラー格の2選手をレンタルで獲得。

・獲得を狙うポルトガルリーグのスター選手

ナニ(昨季スポルティング所属)、バレンシアとモナコと同じくイスラム・スリマニ(スポルティング)

特に、ナニは獲得間近とも。クアレスマの影響もあり、トルコではポルトガル人ウイングは高評価。

 

以上、ポルトガル人指揮官のもと、チームのポルトガルリーグ化を進める3チームを紹介した。それぞれの監督に、ポルトガル時代から目をつける選手がおり、資金力のあるチームへ移籍したことを引き金に、こぞって彼らの獲得に向かう様は実に興味深い。

今後も、バレンシア、モナコ、フェネルバフチェの3クラブの名前が、ポルトガルメディアを賑わすことが予想される。エスピリト・サント、レオナルド・ジャルディン、ビトール・ペレイラの3者が、どのような「ポルトガル・ドリームチーム」を組織していくのか。注意深く見守りたい。

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