【ミニコラム】大型補強のポルト。その裏に見え隠れする会長から監督へのプレッシャー

プレシーズンマッチでシャルケとの練習試合をスコアレスドローで終えたポルト。主力選手放出によるチーム力の低下を受け、ロペテギ監督がさらなる補強を示唆した。

「何人かの非常に重要な選手が、ヨーロッパのトップクラブ数チームへ移籍して行った。今のチームには満足しているが、私自身もクラブも、もっと何かが必要だということは分かっている」

このシーズンオフに、長らくチームを支えた数名の主力選手が世界に羽ばたいて行った。3年連続リーグ得点王となったジャクソン・マルティネスと、ブラジル代表右サイドバッグのダニーロは、それぞれアトレティコとレアルの、マドリード2大クラブへ活躍の場を移した。ベテランとしてチームを引っ張り、CLでも大活躍を果たしたリカルド・クアレスマは、監督との不仲を理由に古巣ベジクタシュへ復帰した。

また、昨季ロペテギ監督が大量に敢行した有力若手選手のレンタルでの獲得も、プレシーズンに入ってからは、監督自身の首を絞めつけている。中盤でチームを支えたカゼミロはレアルに、攻撃面で存在感を放ったオリベル・トーレスはアトレティコに、それぞれレンタル移籍から所属チームへ復帰した。

彼らはいずれも昨季のチームの主力を担った選手たちであり、その退団がチーム力の低下を招いているのは言うまでもない。そこでポルトは、このプレシーズンでその穴を埋めようと類を見ない積極補強を進めている。主力選手がヨーロッパのビッグクラブから引き抜かれる有様は何も今に始まった事ではない。ただ、例年とは明らかに毛色の違う、巨額の資金を動員する補強戦略の裏には、ピント・ダ・コスタ会長が2年連続無冠に終わったポルトに、今季こそはタイトルをもたらしたいと願う、確固たる野望が見え隠れする。歴代史上最高額でフランス人インビュラを獲得し、ゴールマウスにはレアル・マドリードからイケル・カシージャスを電撃補強した。他にも、フェルナンド・ジョレンテやエディン・ゼコ、エリック・ラメラといった超が付く有名選手を獲得するという噂が報じられている。これほどまでに多くのスター選手が話題に上るのは、まさに異例の事態である。

このような補強戦略の大転換は、クラブ会長からロペテギ監督へのプレッシャーとも見受けられる。昨季は就任1年目というハンデを大目に見られ、無冠でもその試合内容から会長の信頼を勝ち得ることができた。しかし、2年目の来季からは、クラブが積極補強を進めていることも相まって、そのような言い訳は通用しないだろう。3年連続リーグ得点王という快挙を成し得たジャクソンに代わるストライカー探しに失敗し、今後得点力不足に拍車がかかるようならば、ロペテギの監督の座も安泰ではないだろう。

スター選手の大型補強で紙面を賑わせるポルトだが、その裏にはタイトル獲得を熱望するクラブ会長から監督へのかつてない重圧があった。就任2年目、ロペテギ監督は今まさに正念場を迎えている。

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