日本初の放映年、ポルトガルリーグへ復帰した4人のスーパースターを紹介

例年と比べてもの静かな移籍市場を送った18-19シーズンのポルトガルリーグ。前クラブ会長の選手批判により数名の主力選手が退団したスポルティングを除き、ポルトやベンフィカは中心選手を慰留し、大幅な選手の流出を避けることに成功した。

そんな中でも、例年とは異なる形で市場を賑わせたのは、かつてリーグでプレーしたレジェンドたちの復帰であった。ある選手はスーパースターへの階段を駆け上がる第一歩となった古巣に帰還。そしてある選手は所属したことのない新クラブに加入してかつての名声を取り戻すチャレンジに挑む。今回は、それぞれの思惑交わる移籍劇が繰り広げられた末にポルトガルリーグに復帰した4名のスーパースターを紹介する。

1.ジャクソン・マルティネス(ポルティモネンセ)

かつてポルトで3年連続リーグ得点王の栄光を手にしたストライカーは、センターFW不足に苦しむポルティモネンセに加入した。失意のシーズンを送ったアトレティコ・マドリードを経て、中国の広州恒大では大怪我に見舞われ、ついには無所属になるまでキャリアは失墜。欧州の表舞台から忘れ去られた中でのポルトガルリーグ復帰となった。

昨シーズンのリーグ得点ランキング4位の点取り屋ファブリシオ(浦和レッズ)やベテランFWピレス(ペナフィエル)らがチームを去り、本来はウイングの選手がセンターFWを務めるほかない窮地に陥っていたポルティモネンセと、ポルト時代の栄光の日々を取り戻したいジャクソン・マルティネス。両者の思惑が合致した期限終了間際の駆け込み移籍となった。与えられた背番号は9番。10番を背負う中島翔哉との共演にも期待がかかる。

2.ファビオ・コエントラン(リオ・アベ)

ジャクソン・マルティネスのポルティモネンセ加入と同じく、移籍市場閉幕間際のサプライズとなったのが、ファビオ・コエントランのリオ・アベ復帰だ。ベンフィカでの活躍や2010年南アフリカW杯ポルトガル代表でのパフォーマンスを受け、レアル・マドリードに加入した同選手だったが、銀河系軍団加入以降は、レンタル移籍を繰り返した。昨季はベンフィカ時代の恩師ジョルジ・ジェズスの後を追い、スポルティングへの禁断の移籍でポルトガルリーグ復帰を果たしていた。そして、今回は華々しいキャリアを送るきっかけとなったベンフィカよりも前、駆け出し時代の古巣リオ・アベに電撃復帰した。ポルト郊外のこの中小クラブは、コエントランがユース時代を過ごしプロデビューを飾った思い出の地。キャリアの礎を築いてくれたクラブに、世界トップクラスの経験を還元できるか。

3.ルイス・ナニ(スポルティング)

愛するスポルティングに加入すること、実に3度目。またもやクラブのレジェンドがリスボンに帰還した。

2度目の古巣復帰となったナニは、ユース時代を過ごしたスポルティングでプロデビュー。その後、マンチェスター・ユナイテッドでの経験を経て、2014年にレンタルの形で古巣に初復帰した。レンタル期間は1年で終わり、その後フェネルバフチェとラツィオを経由。そして今季、またもスポルティングに舞い戻ったのだった。現在チームの指揮を執るジョゼ・ペゼイロは、ナニをスポルティングのトップチームに引き上げた監督。恩師のもと、数十年リーグタイトルに見放されている強豪に念願のリーグ制覇をもたらせるか。

4.ダニー(マリティモ)

ユース時代を過ごし、プロデビューも果たした古巣に、エースナンバー10番を背負って復帰した。ロシアでは、ディナモ・モスクワとゼニトの2クラブで合わせて10年以上プレーするなどポルトガル人選手としては異才を放つ経験を、愛する古巣の上位定着に還元できるか。

例年、ポルトガルリーグを観る楽しみといえば、ビッグクラブに羽ばたくスターの卵を発見できる点はひとつあるが、今季は、満を持してリーグに復帰した上記4名のスター選手の活躍を拝めるのもまたひとつ見どころになるだろう。特に、今季はスカパーがポルティモネンセの試合の放映権を獲得し、史上初めてポルトガルリーグを日本で見られる年である。ポルティモネンセのエースとして活躍するジャクソン・マルティネス、そして彼らと対戦するファビオ・コエントラン、ルイス・ナニ、ダニーら元ポルトガル代表の名手らのプレーに是非とも注目いただきたい。