公式戦デビューのポルト中島翔哉。「左」サイドでの出場機会増への鍵は「右」サイドにあり!

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CL予選クラスノダール戦で、ポルト加入後初の公式戦出場を飾った中島翔哉。4-2-3-1のトップ下としてスタメンデビューを果たし、前半終盤からは選手交代の影響で右サイドハーフとしてプレーした。

トップ下としてプレーした前半の約30分間は、上々のデビューを飾った。相手の中間ポジションでボールを受けて前を向き、右のヘスス・コローナと左のルイス・ディアスらにテンポよくパスを散らし、チームにリズムを与えていた。しかし、チームとして、両サイドがボールを保持しクロスを上げようとした際に、前線のターゲットはワントップのムサ・マレガのみ。ポルトが得意とする空中戦の勝率がツートップ採用時より見込まれないことから、両サイドは自ら持ち込んでシュートを放つシーンが目立った。10本以上放ったシュートは全て空砲に終わり、一方で、少ないチャンスで3得点をものにしたクラスノダールとの決定機創出の機会の差が顕著に表れた。

中島翔哉のトップ下システムにより、リーグ開幕戦ジウ・ビセンテ戦で課題となったボランチまたはディフェンスラインから前線へのビルドアップが分断された課題は概ね解決した。一方で、低身長の中島がゴール前に待ち構えることが増えるため、空中戦の迫力には欠ける。そんなトレードオフに悩まされる前半だった。

ポルトは、前半途中に守備で後手に回っていたRSBレンゾ・サラビアを下げてゼ・ルイスを投入し、ムサ・マレガとの屈強なツートップ布陣を敷いた。それに伴い、右サイドハーフのヘスス・コローナをRSBに配置した。そのため、トップ下の中島は、後半は主に右サイドハーフとしてプレー。コローナとの連携から右サイドを攻略し、ツートップにクロスを届けるタスクを背負った。

中島の右サイドへの配置転換は、トップ下システムよりもうまく機能しなかったのは否めない。もちろん、相手を引きつけてコローナのスペースを空け、また、自身でもドリブルやパスで推進力を出すことには一定成功していた。しかし、右サイドながらほぼ中央で待ち構えることが多くボールに関与する機会は減り、たまに突如ポジションを替えて得意の左サイドに移る様子も目撃された。このような、右サイドの攻略をほぼコローナ1人に任せるポジジョンをとったのは、監督の指示なのか自身の判断なのかは不明。いずれにせよ、独力での突破力が見込めるコローナだとしても、2人に囲まれた際にはサポートに行く判断をすべきだった。また、肝心のクロスがファーを通り越すなど精度を欠き、結果を焦ってか自身も強引なシュートに持ち込み、決定機を逃すシーンも度々見られた。総じて、ポルトガルメディアの論調がそうであったように、中島の公式戦デビューは、良い面も悪い面、どちらも露出した試合となった。

今後、中島翔哉は試合に出場するとすれば、トップ下か右サイドでの起用が多くなると推察する。RSBは、ジル・ビセンテ戦のウィルソン・マナファ、クラスノダール戦のレンゾ・サラビアともに敗戦の戦犯と言われても仕方がないようなパフォーマンスに終始した。今後は、昨季からオプションとして試し、一定の安定感が証明されているヘスス・コローナが起用されるのではないか。そうすると、右サイドハーフは、最も序列の高いコローナの代わりに、中島が起用される機会も増えるだろう。

中島得意の左サイドは、ここまでコロンビア代表ルイス・ディアスが持ち味を出し、クラスノダール戦では切り込んでの豪快なミドルシュートも決めた。守備面でも、縦へのスピードが圧倒的に早くカウンター対策にもなり、中島がクラスノダール戦の2失点目で、相手選手のカウンタースピードに全く追いつけなかったように、スピードではディアスに一日の長がある。また、守備の取りに行く・行かないの判断も良く、若いうちからコロンビア代表としてプレーしているだけあり、個人能力に加えて、サッカー的な頭の良さも備えていることが明らかになった。このディアスの他に、ジル・ビセンテ戦で絶妙なプレーをしたオタービオも控えるため、左サイドのレギュラー争いはなおも熾烈だろう。

トップ下システムは、前述の通りゴール前での迫力に欠けるため、コンセイサオン監督としては、エクトル・エレーラが退団したことで抱えたビルドアップの課題を解決しながら、ツートップで戦いたいのが本心だろう。

そのため、中島はトップ下システムに期待しすぎることなく、今後右サイドハーフとしてもプレーできるようになる必要があると考える。ポルトのサイドハーフは、オタービオも、コローナも、ディアスも、主力の全員が右も左も遜色なくできる。試合中のポジションチェンジを柔軟にできるため、スタメンから起用されやすい。ジル・ビセンテ戦で、オタービオとコローナの左右を入れ替えたように、右サイドハーフで一旦試合に出ていさえすれば、試合の状況によっては左サイドハーフとしてプレーするチャンスも増えよう。

不慣れなサイドで露呈した課題を改善し、まずは「右」サイドでも試合に出場してアピール機会を増やせるか。すでに序列が決まりつつある得意の「左」サイドで中島翔哉がプレー機会を増やす鍵は、今後起用のチャンスが増えるであろう逆サイドにあるのかもしれない。