【FutePor Scout File Number 11】ブルーノ・フェルナンデス(ウディネーゼ)

かつてチームの10番を背負い、クラブのレジェンドとなったポルトガル人MF、ルイ・コスタ。凋落したイタリアの名門ACミランは、ピッチを支配したファンタジスタの再来を切望している。

日本人としては残念ながら、そこに本田圭佑の復調というシナリオはない。ミランが白羽の矢を立てたのは、「ウディネーゼのルイ・コスタ」の異名を持つ攻撃的MFブルーノ・フェルナンデスであった。レジェンドと同じくトップ下のポジションを主戦場とし、イタリアでプレーするポルトガル人という共通点からこのあだ名がつけられた。この秋、ウディネーゼで攻撃のタクトを振るう21歳の若手ポルトガル人MFをミランが狙っているとの噂がメディアを駆け巡ったのだ。

ポルトのマイア地区で生まれたブルーノは、ポルト第2のクラブであるボアビスタのユースチームを中心に少年サッカー期を過ごした。国内でのプロデビューを第一目標に切磋琢磨するのが常である若手ポルトガル人選手としては珍しく、トップチーム経験のないまま17歳の若さで母国を飛び出した。

ブルーノが向かった先は、当時イタリアのセリエBに所属していたノバーラであった。17歳の少年を即戦力とみなしていたか否かは人知れず。しかし、異国の華奢な少年が、入団わずか数週間足らずで母国でも成し得ていなかったトップチームデビューを飾り、さらにはその年の総試合数の約半分である23試合に出場することになるとは、スカウトを始め誰一人として予期していなかっただろう。

ブルーノ・フェルナンデスは、現代に最適化したファンタジスタだ。絶妙なパスセンスと卓越したボールタッチ、精度の高いキックや創造性溢れるプレーからゴールを生み出す伝統的な10番タイプの特徴を持ち、同時に、スペースへの飛び出しや前線からのチェイス、豪快なミドルシュートなど、現代的な「動けるファンタジスタ」でもあるのだ。

ノバーラの18歳の若者が成し得た偉業はイタリア中に知れ渡り、入団から1年もせずにセリエAの古豪ウディネーゼがブルーノの獲得に漕ぎ着けた。ステップアップを果たした強豪クラブでも1年目から主力として活躍し、2013-15までの2シーズンで61試合に出場して9ゴールを記録。ルイ・コスタとはタイプは異なるが、レジェンドを彷彿とさせる類稀なる才能を存分に発揮したのだった。

2015-16シーズンも、ブルーノはウディネーゼで中盤のタクトを振るうファンタジスタとして活躍している。かつてイタリアを席巻したルイ・コスタのように。その功績もあってか、U-21ポルトガル代表にも選出され、EURO2015で先輩らが一歩届かなかった世界王者を目指して奮闘している。

ワールドユースで優勝し、セリエAの名門で10番を背負った先人の背中はまだ遠い。しかしその道のりは見えてきた。21歳ながら早くも海外生活5年目を迎える「異端児」ブルーノ・フェルナンデスは、没落した名門ミランでルイ・コスタの再現を担うに相応しい選手へと成長できるだろうか。