【FutePor Scout File Number 4】ジョアン・マリオ(スポルティング)

「ポルトガルのスーパー・マリオ」

ジョアン・マリオが活躍した試合の翌日にポルトガルメディアを賑わす表現だ。マリオ・ゴメスでもなく、マリオ・ゲッツェでもなく、マリオ・バロテッリでもなく、ジョアン・マリオ。ポルトガルサッカーファンにとって、「マリオ」と言えばこのジョアン・マリオなのだ。

1993年1月にポルトで生誕したアンゴラルーツのポルトガル人。9歳のときには地元ポルトのジュニアチームに所属したが、翌年からはスポルティング一筋。まさに世界的に名高い「スポルティング・アカデミー」の傑作である。ゴール前には必ず顔を出してチャンスを伺い、ミドルシュートやクロスに合わせたヘディングなどあらゆるパターンでゴールを決める攻撃的MFだ。

スポルティングのAチームとBチームを行き来していたジョアン・マリオにとって、キャリアの転換期となったのが、地元ポルトを離れて以来初めてスポルティングを飛び出した、2013-14シーズンのビトーリア・セトゥバルへのレンタル移籍だ。1部リーグで16試合を戦ったことでゲーム経験を積み、自信を深めた。

そしてスポルティングへ復帰した翌2014-15シーズン、ジョアン・マリオは大ブレイク。当初は、クラブからの期待を一身に集めていたアンドレ・マルティンスの控え選手としか見なされていなかった。しかし、現オリンピアコス監督マルコ・シウバは、ピッチを豊富な運動量で縦横無尽に駆け巡る若手MFの才能を見逃さなかった。

アンドレ・マルティンスが不調に陥ると、マルコ・シウバ監督は迷いなくジョアン・マリオを抜擢。そこから「ポルトガル版スーパーマリオブラザーズ」とでも言えよう、シンデレラストーリーが始まった。結局、本シーズンは45試合に出場して7ゴールと、MFにとっては十分すぎる成績を残した。チームでの大活躍が認められ、ブラジルW杯惨敗後に新監督フェルナンド・サントスが就任したポルトガルフル代表にも初招集された。すでにA代表に定着しつつあり、U-21ポルトガル代表では当然ながら中心選手としてプレーし、欧州選手権では母国の準優勝に大いに貢献した。

2015-16シーズンから新監督に就任したジョルジ・ジェズスからも厚い信頼を得ているジョアン・マリオ。開幕直前には、2020年までの新契約を結び、6000万ユーロの高額移籍金が設けられた。クラブは売却不可の姿勢を貫き、スペインの強豪アトレティコ・マドリードからの1500万ユーロの高額オファーを拒絶したとの報道も流れた。

開幕戦では、負傷したチームの主軸でポルトガルフル代表・アンダー代表でも共演するウィリアン・カルバーリョの代わりとして、本来のポジションではない中盤の底の位置を任された。不慣れなポジションながら持ち前の万能性を発揮し、攻守にわたって貢献。チームの先制点をマークしたのだった。

現在22歳ながら、スポルティングでは欠かせない存在になり、将来はフル代表の中心選手として期待されている。代表の先人であるデコやジョアン・モウティーニョらに続き、ポルトガルが世界に誇る万能型攻撃的MFとして大成する日も近いのかもしれない。