元田中順也指揮官マルコ・シウバが、スポルティング退団後初のロングインタビューに応じる。若き名将は何を語るのか【1/3】

『Record』

エストリルで伝説を築いたのち、スポルティングを7年ぶりのタイトルへ導いたポルトガルの若き名将マルコ・シウバ。日本では田中順也を信頼し、出場機会を与えた監督として知られているだろう。クラブ会長との不和を理由にスポルティングを解任され、今季よりギリシアのオリンピアコスを率いる同監督が、ポルトガルを去ってから初のロングインタビューに応じた。ポルトガルを震撼させた突然の退団を経て、マルコ・シウバは今何を語るのだろうか。今回から3回に分けてお届けする。

第1回目の今回は、新天地オリンピアコスについて語った内容をまとめる。

前任者のポルトガル人指揮官ビトール・ペレイラがフェネルバフチェへ移籍し、マルコ・シウバがオリンピアコスを率いることになった。初の国外経験であるギリシア行きに際し、「先輩」ビトール・ペレイラに意見を求めたようだ。

「もちろん話した。それぞれの監督が各々考えを持っているが、話すことは常に意味のあることだ。ポルトガルでもそのような会話はよくされる。文化が異なり、違った現実のある異国に移って他人を率いるのだから、すでに滞在していた仲間と話すことは普通のことだろう」

また、ビトール・ペレイラがオリンピアコスについて何と語ったかを追質問され、こう答えた。

「彼が私に言った1番のことは『望んでいるもの、すなわちチャンピオンになるために戦える環境を、必ずクラブに要求した方がいい』というものだった。他のことも話したが、我々の間だけに留めさせてほしい」

続いて尋ねられたのは、プレー原則。『ボールを保持し、試合をコントロールする』マルコ・シウバがエストリルとスポルティングに残したプレーのイメージである。同じようなアイディアをオリンピアコスに植え付けるのかを聞かれた際には、迷いなく「イエス」と回答した。

「もちろん。それは私の哲学だ。エストリルでは、ビッグクラブに存在するコンディションがない環境ですでにやってきた。ボールをただ保持するのではない。ボールを保持し、根拠と目的をもって動かすのだ。オリンピアコスも規範から逃げることはできない。初戦は70%のポゼッションを記録した。チャンピオンズリーグでは、相手のクオリティが高く、また違ったものになるだろう。しかし、我々のアイデンティティーを維持できるようトライするし、それに関しては疑問を抱かないでほしい」

今季から就任した監督の影響で、オリンピアコスはこの夏3名の選手をポルトガルリーグから獲得した。パルド(ブラガ)とセバ(エストリル)、エルナーニ(ポルト)の3選手を始めとする今季の補強の満足度についてはこう語った。

「満足しているが、監督が常により多くを望むのは普通のことだ。しかし、我々が実現できる範囲でチームに欲しかった選手を補強することはできた。オリンピアコスがチャンピオンだということを忘れることはできない。チームに来てすぐに全てを変えることなど意味をなさないんだ」

オリンピアコスとは2017年まで2年間の契約を結んだマルコ・シウバ。契約は全うするのか、それとも、例えば来季はポルトガルへ戻るというような可能性はあるのか。

「契約を結んだら最後まで全うするものだ。しかし、いつもそのようになるとは限らないのが真実だ。エストリルでは、偶然にも契約を果たせたが、スポルティングではできなかった。むしろほど遠かったね。オリンピアコスについて言えば、もちろん契約の最終日まで全うするのが考えだし、そうなるように働く。しかしご存知の通り、フットボール界では全てが1日で変わり得る。しなくてはいけないことは、1日1日を考えることだ。明日トレーニングがあるなら、私が考えるのはそのことだけだ」

未だ政治的に不安定な時期を送るギリシア。フットボールを外れ、日常生活で感じる政情も尋ねられた。

「ここ数週間はギリシアにいるが、日常生活では危機は感じられない。特に、こちらに来たばかりで、練習場と家を往復するような閉じた生活をしている者にとってはね。それに住んでいるところは、アテネの中心部から少し離れているんだ。ギリシアでの生活は、完全な平穏の中を過ぎている」

新天地であるオリンピアコスを始めとするギリシアについて多くを語ったマルコ・シウバ。新たな挑戦への期待感と責任感を感じさせるインタビューとなった。第2回はエストリルを始めとするポルトガル時代の内容をお届けする。

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