形容詞

 

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ポルトガル語の形容詞で重要となる原則は2点。すなわち、

  • 名詞の性/単複に合わせて変形する
  • 基本的には名詞を後ろから修飾する

以下、それぞれ詳しく見ていきましょう。

【名詞の性/単複に合わせた変形】

ポルトガル語の形容詞最大の特徴は、前回学習した冠詞と同様、名詞に合わせて変形するという点です。前回学習した例、すなわち「golo(ゴール)」という男性名詞と「bola(ボール)」という女性名詞に、形容詞「branco(白い)」を加えてみましょう。

形容詞の変形

男性名詞 女性名詞
単数形 golo branco bola branca
複数形 golos brancos bolas brancas

繰り返しにはなりますが、修飾する名詞の「男性/女性」および「単数/複数」に合わせて、語尾が-o/-a/-os/-asと変形しているのが分かります。

ただし、やはり例外の多い言語であるポルトガル語。注意すべき例外事項が2点あります。

1点目は、男女同型または男女単複すべて同型の形容詞が存在するという点です。例えば、「grande(大きい)」という形容詞は、「o homen grande(大きい男性)」「a mulher grande(大きい女性)」のように男女同型です。また、「simples(簡単な)」は、-sで終わるため名詞の複数形に合わせて変形したものと混同されがちですが、男女/単複すべて同型(simples)の形容詞です。特に男女同型の形容詞はいくつか存在するので、出会った都度覚えていくと良いでしょう。

2点目は、不規則な変化をする形容詞が存在するという点です。「良い」を意味する「bom」と「悪い」を意味する「mau」の2つの形容詞は、下表のように変形を暗記する必要があります。

形容詞「bom」不規則変形

男性名詞 女性名詞
単数形 bom boa
複数形 bons boas


形容詞「mau」の不規則変形

男性名詞 女性名詞
単数形 mau
複数形 maus más

「mau」の女性複数形「más」は、「しかし」を意味する「mas」と混同されがちなので注意してください。

【名詞を後ろから修飾】

続いて2つ目の原則ですが、英語と違いポルトガル語の形容詞は、名詞を後ろから修飾することが多いです。「ことが多い」と書いたのは、ここにも例外があるためですが、基本的には「名詞+形容詞」という語順であるとご認識いただいて構いません。例えば、サッカーのイエローカードとレッドカードはそれぞれ「o cartão amarelo」「o cartão vermelho」といいます。「o cartão(カード)」という男性名詞を「amarelo(黄色い)」「vermelho(赤い)」という形容詞が後ろから修飾していることが分かります。

さて、ここでも例外が登場します。以下3単語については、名詞の前からも修飾でき、さらに名詞の前につくか後ろにつくかで意味が異なるため注意が必要です。

  • 形容詞novo

o treinador novo若い監督)⇔ o novo treinador(新しい監督)

特に、o novo treinador という、形容詞が名詞を前から修飾する形は、あるクラブの監督が解任され新監督が就任した際のニュースで頻出します。

  • 形容詞grande

o homen grande大きな男)⇔ o grande homen(偉大な男)

こちらも、um grande jogadorで「偉大な選手」と、名詞を前から修飾する形がサッカーメディアではよく見られます。

  • 形容詞pobre

a mulher pobre貧乏な女性)⇔ a pobre mulher(不幸な/かわいそうな女性)

以上のように、ポルトガル語の形容詞で頭に入れるべきことは「名詞に合わせて変形し、名詞を後ろから修飾することが多い」という原則です。加えて、今回紹介したような例外事項を少しずつ覚えていくと良いでしょう。

<参考文献>

『しっかり学ぶポルトガル語』著:カレイラ松崎順子(ペレ出版、2003)

【FP例文】

<FP例文>

Pobre John O’Shea, foi gozado por todos depois de ter sido destruído por Ronaldo.

「かわいそうなジョン・オシェイは、ロナウドにコテンパンにされたあと、みんなにからかわれていたんだ」-ギャリー・ネビル(『O JOGO』2016/11/09)

→クリスティアーノ・ロナウドが、スポルティング時代にマンチェスター・ユナイテッドとの練習試合で大活躍し、その後ファーガソンに引き抜かれた当時を、ギャリー・ネビルが振り返り語ったコメント。ポルトガルメディアが英語から翻訳。

<解説>

  • Pobre John O’Shea→前述の、名詞の前につくか後ろにつくかで意味が異なる形容詞「pobre」。名詞の前につくと「かわいそうな」の意。
  • foi gozado por~→過去受動態。「~にからかわれる」の意。(受動態は、後日詳細にご紹介します)
  • ter sido destruído por~→完了形+受動態の複雑な形。直訳すると「~に壊される」から「~コテンパンにされる」と意訳。「コテンパンにされた」のは「からかわれた」よりも過去の出来事であるため、大過去を表す完了形が用いられている。(完了形についても、後日詳細にご紹介します)

<重要単語>

  • por→この例文に2度登場していますが、どれも英語の「by」、すなわち受動態とセットで「~によって」の意味。
  • todos→「みんな」
  • depois de→「~のあとに」
  • gozar→「からかう」。Estás a gozar comigo?で「からかっているのかい?」は頻出。
  • destruir→「破壊する、壊す」

<その他の文法事項を学ぶ>

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<推薦図書>

→残念ながらポルトガルのポルトガル語に関する日常会話集は日本にはありません。こちらは英語の本ですが、CDをiPhoneに取り込めば通勤・通学中にポルトガル・ポルトガル語の日常会話を繰り返し覚えられます。

→一般的な文法書とは違い、文庫本のようにすらすらとポルトガルのポルトガル語の基礎文法を学べます。机に向かう暇がなく、電車や布団の中で肩を張らずに学びたい方向け。