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【動画付きコラム】スタメンの固定化進むポルティモネンセ、中島翔哉は割り込めるのか?見習うべきはスポルティングの2選手

リオ五輪で日本代表の10番を背負ったFC東京FW中島翔哉が、1年間のレンタル移籍でポルトガル1部ポルティモネンセへ加入することが決定した。

リオ五輪の日本代表では絶対的な地位を確立していたこの中島だが、FC東京では、Jリーグ得点王を獲得したこともある2人の偉人、大久保嘉人とピーター・ウタカの存在もあり、毎試合スタメンとしてプレーするには至っていない。

果たして、そのような状況の中で、中島はポルトガル1部のこのクラブで出場機会を確保し、レギュラーとして活躍できるのだろうか。今回は、すでにポルトガルリーグを代表するプレーヤーとなった2人の若手ポルトガル人選手をベンチマークとして、中島がポルティモネンセでレギュラーとして活躍できる可能性、そして、ポルトガルで名を上げるために必要な能力について論じたい。

中島が移籍するポルティモネンセは、現在スタメンの固定化が進んでいる。ポルティモネンセが1部に復帰した2017-18シーズンのポルトガルリーグもすでに3節を終えたが、開幕ボアビスタ戦、強豪ブラガ戦およびリオ・アベ戦の3試合のすべてで、スタメンには同じメンバーが名を連ねた。

2部で戦った昨季は2トップ気味で戦う試合もあったポルティモネンセだが、今季の基本フォーメーションは4-3-3。

(※以下、カッコ内は年齢ではなく背番号)

GKはチームの絶対的守護神であるリカルド・フェレイラ(33)。

DFの4枚は、右から35歳の大ベテランRSBリカルド・ペッソーア(5)、CBにルーカス・ポッシニョーロ(3)とルーベン・フェルナンデス(26)、LSBにはルーマー・アグベニュー(15)。

MFの3枚は、左利きのポルトガル人ペドロ・サー(21)、昨季はMFながら9ゴールを記録したブラジル人パウリーニョ(8)、そしてエースナンバーを背負うエウェルトン(10)。(※ペドロ・サーとエウェルトンは、左右を入れ替えることもある)全員が23~24歳で中島と同年代の選手たちである。

FWの3枚は、RWGに開幕戦のボアビスタ戦で決勝ゴールを挙げ、ビトーリア・ギマラインスが関心を寄せるという新進気鋭20歳の若手レフティー、ブルーノ・タバタ(11)、CFにチームのエースである元鹿島ファブリシオ(90)、LWGに昨季ペナフィエルでシーズン8ゴールを記録した24歳の新加入ブラジル人FWウェリントン・カルバーリョ(27)。

これらスタメンをベースに、クラブのレジェンドである36歳ジョルジ・ピレス(9)や、23歳のギニアビザウ系ポルトガル人FWウィルソン・マナファ(19)、19歳のナイジェリア人FWチデラ(70)などが交代によって途中出場する戦術が固定化している。

中島翔哉が加入した場合、ポジションを争うことになるのは、主に両ウイングのブルーノ・タバタ(11)とウェリントン(27)になるだろう。彼らは、ほとんどの試合でともに途中交代しており、両ウイングには中島が途中出場できる機会が存分にある。同時に、3枚の交代枠を争うマナファ(19)やチデラ(70)なども試合出場をかけて競うライバルになり得るだろうし、中島がセントラルの位置でプレーするのであれば、ペドロ・サー(21)やエウェルトン(10)とのレギュラー争いも待ち受けることになる。

言及したウィングの4選手はみな中島と同年代、もしくは、中島よりも若く勢いがあり、ブラジルやアフリカにルーツを持つなど、スピードとテクニックに長けたウィンガーである。たとえリオ五輪で10番を背負い、将来日本代表の中心選手としてプレーすることが期待されている中島にとっても、出場機会を簡単に奪える相手ではない。当面は、決まり文句にはなってしまうが、途中出場で機会を伺いながら、ポルトガルサッカーの技術やスピード、プレーリズムに慣れ、同時にポルトガル語を習得してチームの一員として馴染んだ上で、限られたチャンスをものにしていくのが、スタメン出場に向けた現実的な路線だろう。ただ、中島がポルティモネンセで試合に出場するチャンスは、十二分にあるはずだ。

ではその中で、中島翔哉はどのようなプレーを身につけるべきなのか。是非、相手にとってより嫌な選手になるため、また、ポルティモネンセの絶対的なプレーヤーへと成長し、ポルトガルリーグを代表するアタッカーになるために、中島と同年代ながらすでにポルトガルリーグを代表する若手スタープレーヤーとして活躍する2選手のようなプレーを目指してほしい。

その2選手とは、ともにスポルティングに所属するFWジェウソン・マルティンスとMFブルーノ・フェルナンデスだ。

1人目のジェウソン・マルティンスは、現在22歳の若手ポルトガル人。カーボベルデにルーツを持ち、77番を背負うRWGということから、スポルティングのレジェンドFWナニと比較されることが多い。昨2016-17シーズンにポルトガル代表に定着し、代表のキャプテンでスポルティングの先輩でもあるクリスティアーノ・ロナウドが、レアルのペレス会長に獲得を進言したとも噂される、ポルトガル最注目のヤングスターである。

ジェウソン・マルティンス最大の武器は、サイドで相手DFを置き去りにする、圧倒的な突破力。CLで対戦したレアル守備陣、ブラジル代表マルセロやスペイン代表セルヒオ・ラモス、フランス代表ヴァランらも翻弄したほどだ。

このジェウソン・マルティンスは、昨季のポルトガルリーグで唯一2桁アシストを記録し、アシスト王に輝いたリーグを代表するドリブラーである。ルイス・フィーゴやクリスティアーノ・ロナウド、リカルド・クアレスマにルイス・ナニなど、ポルトガルおよびスポルティング伝統のウィンガーの系譜を継ぐ逸材だ。中島は、このジェウソンまでとは言わずとも、ポルトガルリーグでプレーするウィンガーとして、参考にすべき点は多いだろう。ジェウソンのように、個の力で相手守備陣のバランスを崩し、得点に結びつけるアシストを積み上げ、目に見える結果を残すことが、中島がポルティモネンセで絶対的な存在になるための鍵となる。金崎夢生もポルティモネンセでの約2年間で18ゴールと、しっかり結果を残したからこそ信頼を勝ち得ていた。

2人目のブルーノ・フェルナンデスは、今季スポルティングがサンプドリアから獲得したポルトガル人の攻撃的MF。中島と同様にリオ五輪で母国代表の10番を背負った選手である。スポルティングは今季獲得したこのブルーノ・フェルナンデスに、ポルトがフッキにつけたのと同額でリーグ最高額タイの違約金である1億ユーロを設定したことからも、その期待度の高さが伺える。

サンプドリア以前に所属したウディネーゼ時代は、パスセンスに優れ、豊富な運動量を武器に前線に飛び出したり、守備に貢献したりと「走れるファンタジスタ」のような印象が強かったブルーノだが、今季より加入したスポルティングでは、持ち前のテクニックにパワーが上乗せされ、ミドルレンジからのシュートなど新たな武器に磨きをかけている。

スポルティングがアウェイで昨季4位のビトーリア・ギマラインスを0-5で粉砕したポルトガルリーグ第3節の一戦で、ブルーノ・フェルナンデスの新たな武器が覚醒した。目の覚めるようなスーパーミドルを1試合に2度も沈め、スポルティングの新エースに名乗り出た。

中島翔哉もミドルシュートの意識が高い選手であり、実際にリオ五輪アジア予選のイラン戦での2ゴールを始め、いくつものスーパーミドルを沈めてきた。得意のミドルレンジからのシュートにさらに磨きをかけると同時に、ブルーノ・フェルナンデスがウディネーゼ時代から備えていたような豊富な運動量による前線からの守備でチームに貢献することができれば、ポルティモネンセにいる他のウィンガーにはない、中島独自の強みとなるだろう。

もちろん、ジェウソン・マルティンスとブルーノ・フェルナンデスはポルトガル3強の一角スポルティングでプレーする国内トップトップの選手であり、中島翔哉がポルティモネンセでこのレベルを求められることはないだろう。(当然、ポルティモネンセよりも高みを見据え、ポルトガル3強以上のクラブを目指すのであればこのレベルが求められる)

中島翔哉の武器である、敏捷なドリブル突破やゴールへ向かう強烈な意識、ミドルレンジからの得点力などは、十分ポルティモネンセでも通じるものであるし、前線での日本人らしい献身的な守備は、ポルティモネンセの他のウィンガーが備えていない中島特有の武器となり得る。最初は途中出場から徐々にポルトガルおよびポルティモネンセのサッカーに馴染み、スタメン出場の機会を虎視眈々と狙うこと。そして、ポルティモネンセで絶対的なレギュラーとして活躍し、ポルトガル3強以上のクラブへのステップアップを望むのであれば、ジェウソン・マルティンスのような、相手守備陣を独力で切り裂く圧倒的な突破力を身につけ、ブルーノ・フェルナンデスのような、中距離から得点を量産できる走れるファンタジスタへと変貌を遂げてほしい。

ポルトガルリーグのFW陣には、独力で試合を決定づけられる力が大いに求められているのは間違いない。結局、鍵を握るのは、中島本人が移籍に際して「Jリーグより確実に個の能力が高いのは明らか」と語ったように、独力で状況を打破する突破力や、一発で状況をガラッと変える得点力など、ゴール・アシストという結果に繋がる「個」の力を磨きあげることに尽きるのかもしれない。

ポルティモネンセ、2017-18シーズン第3節までのハイライト動画

第1節 ボアビスタ戦 2-1 ○

第2節 ブラガ戦 1-2 ●

第3節 リオ・アベ戦 0-2 ●

UEFAが16-17ポルトガルリーグのベスト11を選出!ポルトが優勝のベンフィカを超える

『maisfutebol』

UEFAのポルトガル語版が、16-17シーズンのポルトガルリーグベストイレブンを選出した。

UEFAが選定したのは、ベストイレブンの11名とその控えとして7名。チームを率いる監督とシーズンMVPも選出した。イレブンには、3位スポルティングから2名、優勝のベンフィカから4名、2位のポルトからは優勝チームをこえる5名の選手が輩出された。

以下、UEFAが選出した16-17ポルトガルリーグベストイレブン

ベストイレブン
GK
イケル・カシージャス(ポルト)

DF
ネウソン・セメード(ベンフィカ)
フェリペ(ポルト)
ビクトル・リンデロフ(ベンフィカ)
アレックス・テレス(ポルト)

MF
ダニーロ・ペレイラ(ポルト)
ビッツィ(ベンフィカ)→シーズンMVP

FW
ジェウソン・マルティンス(スポルティング)
チキーニョ・ソアレス(ポルト)
コンスタンティノス・ミトログル(ベンフィカ)
バス・ドスト(スポルティング)

控え
GK
エデルソン・モラエス(ベンフィカ)

DF
マキシ・ペレイラ(ポルト)
セバルスティアン・コアテス(スポルティング)

MF
アドリエン・シウバ(スポルティング)
ヤシン・ブライミ(ポルト)

FW
ムサ・マレガ(ビトーリア・ギマラインス)
ジョナス(ベンフィカ)

監督
ルイ・ビトーリア(ベンフィカ)

©FutePor -ふとぽる-

16-17季ポルトガルリーグのベスト11を考えよう。メガクラブが狙う注目選手たちが揃う!

2016-17シーズンのポルトガルリーグが幕を閉じた。監督就任1年目でいきなりリーグ優勝を果たしたルイ・ビトーリア率いるベンフィカのリーグ4連覇を阻むべく、昨季は惜しくも勝ち点2差でリーグ優勝を逃したスポルティングは、国内屈指の名将ジョルジ・ジェズスに2年目を託し、ポルトはバレンシアで株を上げたクラブOBヌーノ・エスピリト・サントを招聘し、2012-13シーズン以来となる王者奪還を目指した。

しかし、終わってみればまたもベンフィカが圧倒的な強さを見せつけ、難なくリーグ4連覇を達成した。ポルトは、最後にリーグ王者に輝いた12-13シーズンぶりにホームで無敗を達成するも、アウェイでは勝ちきれない状態が続き、5位以上の上位チームでは最多となる10回のドローを記録。エスピリト・サントはわずか1年で退任となった。スポルティングは、新エースFWバス・ドストがゴールデンブーツ賞が目前に迫るほどのゴールを量産したが、フェイレンセやベレネンセスなど下位チームに歴史的な敗戦を喫すなど、ベンフィカを止めるべき2チームが低調な結果に終わった。

しかし、やはり今季のポルトガルリーグでもベンフィカ、ポルト、スポルティングの「3強」の選手たちが主役を演じた。例年通り、来季もビッグクラブがこぞって獲得に乗り出すであろう注目の選手が多く登場した今季のポルトガルリーグについて、ふとぽるが独自にベストイレブンを選定する。

フォーメーション
1-4-4-2

GK
エデルソン・モラエス(ベンフィカ)

クラブとブラジル代表の先輩であるジュリオ・セーザルから完全にレギュラーを奪取。失点数はリーグ最少となる18にとどめた。マンチェスター・シティらが獲得を狙っており来季の移籍は必至か。

RSB
ネウソン・セメード(ベンフィカ)

6アシストを記録し、攻守にわたりベンフィカの右サイドを蹂躙。ほとんどの試合で90分間出場するなどフル稼した。エデルソンと同様、マンチェスター・ユナイテッドなどプレミア方面からの関心が強く、今季限りでの退団が有力か。

CB
ビクトル・リンデロフ(ベンフィカ)

クラブのレジェンド、ルイゾンに代わるディフェンスリーダーとして、セメードと同様にフル稼働。今季唯一の得点となったスポルティングとのリスボン・ダービーで見せた豪快な直接FKなど、まだまだ隠し持つ武器は多く、今後の活躍を期待させるパフォーマンスを発揮した。ただし、マンチェスター・ユナイテッドが強い関心を抱いており、こちらも同様に移籍の噂が絶えない。

CB
フェリペ(ポルト)

新加入ながらいきなりポルトの守備の要としてチームにフィット。圧倒的な高さ・強さを武器にホーム無敗に貢献し、今季3得点と得点力も発揮した。レアルがぺぺの後継者として注目しており、その去就に注目が集まる。

LSB
アレックス・テレス(ポルト)

左サイドからの高精度クロスを武器にアシストを量産。リーグ2位となる8アシストを記録し、ポルトガルリーグのDFでは最も多くのゴールを生み出した。貴重な左利きのプレースキッカーとしても評価を高め、加入初年度ながらポルトの中心選手となった。

CMF
ウィリアン・カルバーリョ(スポルティング)

毎年安定的なパフォーマンスを発揮し、スポルティングでの4年目を迎えた今季は、負傷に悩まされたキャプテン、アドリエン・シウバに代わる中盤のリーダーとしてフル稼働。毎年退団が噂されており、今季はマンチェスター・シティが強い関心を抱くなど、いよいよ移籍の時期が迫ってきている。

CMF
☆ふとぽる選定リーグ年間MVP
ピッツィ(ベンフィカ)

ベンフィカでの3年目を迎えた今季、キャリア最高となるパフォーマンスを発揮。CLや代表戦を合わせ驚異の全51試合に出場し、リーグでは2010-11シーズン以来の2桁得点となる10ゴールを記録するだけでなく、アシストランキングでも2位となる8アシストを記録した。まさにベンフィカをリーグ4連覇に導いた功労者であり、ふとぽるはピッツィを今季のリーグMVPに選定した。

RMF
ジェウソン・マルティンス(スポルティング)
→アシスト王 10アシスト

レギュラーとしてトップチームに定着した昨季から今季は大きく飛躍。得点王に輝いたバス・ドストとリーグNo.1の破壊力を持つコンビを形成し、リーグで唯一2桁となる10アシストを記録してアシスト王に輝いた。チームのエースにボールを供給するその優れた能力を評価し、CLで対戦し衝撃を与えられたレアル・マドリードのクリスティアーノ・ロナウドが、ペレス会長に獲得を進言したとか。

LMF
ヤシン・ブライミ(ポルト)

昨季はチームMVP級の活躍をしながら、監督が代わった今季はシーズン前半を干され、ベンチを温める日々が続いた。それでも、シーズン後半に好調だったオタービオ・モンテイロの負傷を機にレギュラーを奪還すると、クラブ史上最悪となる4戦連続スコアレスドローを記録していたチームに得点力をもたらし、後半戦の追い上げの原動力となった。もしブライミをシーズン当初から出場させていたらと、事実上の解任を迫られたエスピリト・サント監督も後悔していることだろう。

CF
バス・ドスト(スポルティング)
→得点王 34ゴール

イスラム・スリマニとテオ・グティエレスの2枚看板が退団し、ジョルジ・ジェズス監督も「今のFW陣で彼ら2人と同じようなゴール数を記録するのは不可能」と諦め気味であったスポルティングにおいて、バス・ドストは周囲の期待を遥かに上回るペースでひとりゴールを量産。同監督が「ポケットモンスターを市場に探しに行く」と当時大ブームとなっていたポケモンGOになぞらえていたが、スポルティングは念願のモンスターをゲット。今季のポルトガルリーグでも最大のサプライズとなった。2位チキーニョ・ソアレスの19ゴールを10ゴール差以上も突き放すリーグ戦34ゴールを記録し、スポルティングの得点全体の50%を越える圧倒的な得点力で16-17ポルトガルリーグの得点王に輝いた。

CF
チキーニョ・ソアレス(ビトーリア・ギマラインス→ポルト)

当初は、若き10番として活躍していたエースFWアンドレ・シウバの負担を減らす目的でポルトが冬に好調ビトーリア・ギマラインスから獲得。しかし予想外の活躍ぶりを見せ、ポルト加入直後、リーグ6試合連続ゴールを決めるなど9得点を量産し、シーズン後半はそのアンドレ・シウバをベンチに追いやりワントップの座に君臨した。「ニュー・フッキ」などとクラブのレジェンドと比較されるほどの活躍をし、リーグ得点ランキング2位の19ゴールを記録してシーズンを終えた。

監督
ルイ・ビトーリア(ベンフィカ)
初就任ながらリーグを制した昨季に続き、リーグ2連覇を達成。ベンフィカにリーグ4連覇をもたらし、文句なしの選出。今季は昨季ほど若手選手を抜擢することはなかったが、今シーズンのベンフィカを支えたのは、紛れもなくルイ・ビトーリアが初年度に大抜擢していた選手たちであった。シーズン前半は、冬にパリ・サンジェルマンへ巣立ったゴンサロ・グエデスが、昨季の得点王ジョナスの負傷を埋める活躍。また、シーズンを通して、上記ベストイレブンにも選出したエデルソン・モラエスやネウソン・セメードが後方からチームの守備を支えた。まさに、ルイ・ビトーリアは、昨季植えた種からなった実を今季収穫するような、驚異のマネジメント力を見せつけた。

<惜しくも選外となった選出たち>

GK
イケル・カシージャス(ポルト)

昨季はイージーなミスが続き批判を浴びることが多かったが、今季は安定的なパフォーマンスを発揮。ふとぽるとしても悩みに悩んだが、リーグ優勝GKであるエデルソン・モラエスを優先した。

LSB
アレハンドロ・グリマルド(ベンフィカ)

ファビオ・コエントラン、ギリェルメ・シケイラらに継ぐ、ベンフィカのLSBとして久しぶりに登場した逸材。シーズン序盤の活躍は見事であったが、11月に怪我を負い、4ヶ月の長期離脱を強いられたのが無念。

CF
コンスタンティノス・ミトログル
ジョナス(ベンフィカ)

ミトログルは16ゴール、昨季のリーグMVPで得点王のジョナスは負傷離脱に悩まされながら13ゴールを記録。ともに平均以上の活躍をしたが、バス・ドストやチキーニョ・ソアレスらが残したインパクトに比べると少々劣るため選外とした。

CF
アンドレ・シウバ(ポルト)

トップチーム定着初年度ながら10番を背負い、シーズン序盤にゴールを量産。得点王が有望視されたが、チームの失速とともに自身のゴール数も減少した。後半戦は、新加入チキーニョ・ソアレスの勢いに負け得点ランキングでも徐々に下位に沈む。最終的に3位タイとなる16ゴールを記録したが、終盤にはスタメンの座も奪われるなど、バス・ドストやソアレスに比べ、シーズンを通じた安定的な得点力を発揮するには至らなかった。

CF
ムサ・マレガ(ビトーリア・ギマラインス)

ポルトから戦力外となり、活躍の場を求めてレンタルで加入したギマラインスで大爆発。エースとして13ゴールを記録し、クラブは3位に輝いた2007-08シーズン以来、実に9年ぶりに、北部のライバルであるブラガを上回り、リーグ4位の快挙を成し遂げた。しかし、やはり3強のFW陣に比べるとインパクトは薄く、今季も3強の選手のみが選ばれたベストイレブンに、3強以外から入り込むには至らなかった。

以上、今季のポルトガルリーグベストイレブンを選出した。この中から今季もビッグクラブ移籍が実現する選手が間違いなく登場するだろう。

クリロナ、レアルを苦しめたポルトガル代表の同僚をペレス会長に推薦か

『Record』

レアル・マドリードのクリスティアーノ・ロナウドが、フロレンティーノ・ペレス会長にポルトガル代表の同僚FWジェウソン・マルティンスの獲得を進言したようだ。『Diario Gol』が報じた。

ジェウソン・マルティンスは、今季スポルティングで中心選手としての地位を確立し、ポルトガル代表にも定着した注目の若手選手。今季のCLでは、グループステージでレアル・マドリードと対戦し、サンティアゴ・ベルナベウで行われた一戦ではレアル守備陣を大混乱に陥れた。レアルは、プレミアリーグ移籍が報じられるハメス・ロドリゲスやガレス・ベイルの後釜となる前線の選手を探しており、クリスティアーノが代表のチームメイトをクラブ会長に推薦したようだ。

しかし、クリスティアーノの一言で同選手の獲得が決まるほど簡単ではなく、すでに多くのビッグクラブが関心を寄せている。それは、ライバルであるバルセロナとアトレティコ・マドリードや、マンチェスター・ユナイテッドとシティ、バイエルンにパリ・サンジェルマンなど錚々たる面々である。

現在22歳のジェウソンは、スポルティングとの契約を2022年まで保持。違約金は6000万ユーロに設定されている。クリスティアーノ・ロナウドの後押しを受けたレアルは、競合との獲得競争に勝ち、チームのエースを満足させられるだろうか。

©FutePor -ふとぽる-

16-17季ポルトガルリーグ、16年の振り返りと17年の注目選手/監督/クラブ

新年2017年を迎え、16-17シーズンのポルトガルリーグもいよいよ折り返しを迎える。今回は2016年のポルトガルリーグを振り返り、新年の注目ポイントを考察したい。

2016年振り返り

2016年のポルトガルリーグは、チームの中心となる若手選手の台頭と、多くのクラブで起きた監督交代が特徴的であった。

クラブの中心を担う若手選手の台頭

2016年は、特に3強クラブで多くの若手選手が頭角を現した。しかも、彼らがチームを引っ張り、ポルトガルリーグを代表する注目選手へと成長した。

首位のベンフィカでは、2年連続リーグMVPで昨季はリーグ得点王に輝いたジョナスの負傷離脱を受け、U-21ポルトガル代表FW20歳のゴンサロ・グエデスが新エースに。また、アトレティコに移籍したニコ・ガイタンの後釜として、フランコ・セルビが、リーグ戦だけでなくCLでも輝きを放った。

2位ポルトは、3年連続リーグ得点王に輝いたジャクソン・マルティネスの後継者探しを、昨15-16季は失敗。しかし、今季よりBチームからトップチームに定着し、いきなり10番を与えられたアンドレ・シウバが、ここまでリーグトップとなる10ゴールをあげるなど、一気にポルトの新エースに。ポルトガル代表のワントップを任されるほどのスタープレーヤーへと変貌した。また、アトレティコからレンタル移籍してきたディオゴ・ジョッタも、アンドレ・シウバと若手2トップを組み、アシストを量産している。

4位に低迷するスポルティングでは、CLレアル戦で世界に衝撃を与えたジェウソン・マルティンスがひとり気を吐いた。この快速ドリブラーは、ポルトのアンドレ・シウバと同じくポルトガル代表にも選ばれ、世界が注目する若手スタープレーヤーへと成長した。

2017年から始まる後半戦も、彼らがリーグの話題を一身に集める活躍をすることだろう。

近年稀に見る大量の監督解任

16-17季の前半戦は、監督にとって近年最も厳しいシーズンとなった。監督交代が行われたクラブは、全体の60%にものぼる18チーム中11チーム。ブラガにジョルジ・シマオンを引き抜かれたシャービス以外の10チームが、成績不振により監督を解任した。

1位ベンフィカ
監督交代なし(ルイ・ビトーリア)
2位ポルト
監督交代なし(ヌーノ・エスピリト・サント)
3位ブラガ
ジョゼ・ペゼイロ→ジョルジ・シマオン
4位スポルティング
監督交代なし(ジョルジ・ジェズス)
5位ビトーリア・ギマラインス
監督交代なし(ペドロ・マルティンス)
6位リオ・アベ
ヌーノ・カプーショ→ルイス・カストロ
7位シャービス
ジョルジ・シマオン→リカルド・ソアレス
8位マリティモ
パウロ・セーザル→ダニエル・ラモス
9位ビトーリア・セトゥバル
監督交代なし(ジョゼ・コウセイロ)
10位ボアビスタ
エルウィン・サンチェス→ミゲウ・レアウ
11位ベレネンセス
フリオ・ベラスケス→キン・マシャード
12位アロウカ
監督交代なし(リト・ビディガル)
13位パソス・デ・フェレイラ
カルロス・ピント→バスコ・セアブラ
14位エストリル
ファビアーノ・ソアレス→ペドロ・ゴメス・カルモーナ
15位フェイレンセ
ジョゼ・モッタ→ヌーノ・マンタ
16位ナシオナル
マヌエル・マシャード→プレドラッグ・ヨカノビッチ
17位モレイレンセ
ペパ→アウグスト・イナーシオ
18位トンデーラ
監督交代なし(プティ)

ご覧の通り、中位から下位のほとんどのクラブは監督交代を決断。しかし、6位リオ・アベのように、監督を替えたクラブの多くはこのショック療法により順位を上げた。後半戦は、監督交代の遅れたナシオナルやモレイレンセも順位を上げたり、逆に現状維持となっているビトーリア・セトゥバルやトンデーラが場合によっては順位を下げたり、上位に浮上できなかったりと、中位から下位のチームが順位を入れ替える混戦が予想される。

2017年の注目選手/監督/クラブ

上述した若手スタープレーヤーの活躍と、中位から下位チームの混戦も、もちろん2017年の注目ポイントだろう。ここでは後半戦のポルトガルリーグを盛り上げるであろう注目の選手、監督、クラブをそれぞれ予想する。

注目選手

ヤシン・ブライミ

クラブ史上最悪となる4試合連続スコアレスドローを演じ、一時はヌーノ・エスピリト・サント監督の解任も噂されたポルト。しかし、同監督に干され気味であったこの昨季のポルトのエースが、オタービオ・モンテイロの負傷離脱を機にスタメンを取り戻すと、得点力が大爆発。ブライミがスタメンを取り戻した5試合では、レスター戦の5得点を含む、14ゴールをチームであげ、4勝1分と高い勝率を取り戻した。今冬の移籍市場で、アーセナルやユベントス、ローマなどからの引き抜きの噂もあるが、もしポルトに残留すれば、チェルシーのイバノビッチを翻弄した昨季のような輝きを再度放ってくれるだろう。

注目監督

ジョルジ・シマオン(ブラガ)

昨季はパソス・デ・フェレイラをリーグ上位の7位に導き、今季も2部上がりのシャービスをサプライズとなる7位に押し上げていた。この40歳の若手監督は、現在国内No.1の若手監督といっても過言ではなく、その手腕が評価され、ジョゼ・ペゼイロを解任した強豪ブラガにシーズン途中ながら引き抜かれた。現在チームはリーグ3位を維持しており、あわよくば2位浮上など、3強体制を崩す活躍が期待できる。

注目クラブ

ブラガ

上述のジョルジ・シマオンが監督就任したリーグ3位のブラガ。低迷する4位スポルティングを暫定で上回っており、この好調を維持し、スポルティングが不調から抜け出すことができなければ、3強体制を打ち崩すことも夢ではない。2位ポルトは調子を上げてきたがブラガとの勝ち点差は2。同6の首位ベンフィカはまだ遠いが、ポルトを超えて2位へと上り詰める目標も可能性としては現実的だ。後半戦は、ジョルジ・シマオン率いるブラガが3強体制を終わらせるのか、ポルトガル屈指の強豪クラブが台風の目となれるかが注目である。

以上、ポルトガルリーグ激動の2016年を振り返り、2017年の注目ポイントを予想した。若手選手の宝庫であるポルトガルリーグの後半戦に、世界のメガクラブも引き続き関心を寄せることだろう。

©FutePor -ふとぽる-