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16-17季ポルトガルリーグ、16年の振り返りと17年の注目選手/監督/クラブ

新年2017年を迎え、16-17シーズンのポルトガルリーグもいよいよ折り返しを迎える。今回は2016年のポルトガルリーグを振り返り、新年の注目ポイントを考察したい。

2016年振り返り

2016年のポルトガルリーグは、チームの中心となる若手選手の台頭と、多くのクラブで起きた監督交代が特徴的であった。

クラブの中心を担う若手選手の台頭

2016年は、特に3強クラブで多くの若手選手が頭角を現した。しかも、彼らがチームを引っ張り、ポルトガルリーグを代表する注目選手へと成長した。

首位のベンフィカでは、2年連続リーグMVPで昨季はリーグ得点王に輝いたジョナスの負傷離脱を受け、U-21ポルトガル代表FW20歳のゴンサロ・グエデスが新エースに。また、アトレティコに移籍したニコ・ガイタンの後釜として、フランコ・セルビが、リーグ戦だけでなくCLでも輝きを放った。

2位ポルトは、3年連続リーグ得点王に輝いたジャクソン・マルティネスの後継者探しを、昨15-16季は失敗。しかし、今季よりBチームからトップチームに定着し、いきなり10番を与えられたアンドレ・シウバが、ここまでリーグトップとなる10ゴールをあげるなど、一気にポルトの新エースに。ポルトガル代表のワントップを任されるほどのスタープレーヤーへと変貌した。また、アトレティコからレンタル移籍してきたディオゴ・ジョッタも、アンドレ・シウバと若手2トップを組み、アシストを量産している。

4位に低迷するスポルティングでは、CLレアル戦で世界に衝撃を与えたジェウソン・マルティンスがひとり気を吐いた。この快速ドリブラーは、ポルトのアンドレ・シウバと同じくポルトガル代表にも選ばれ、世界が注目する若手スタープレーヤーへと成長した。

2017年から始まる後半戦も、彼らがリーグの話題を一身に集める活躍をすることだろう。

近年稀に見る大量の監督解任

16-17季の前半戦は、監督にとって近年最も厳しいシーズンとなった。監督交代が行われたクラブは、全体の60%にものぼる18チーム中11チーム。ブラガにジョルジ・シマオンを引き抜かれたシャービス以外の10チームが、成績不振により監督を解任した。

1位ベンフィカ
監督交代なし(ルイ・ビトーリア)
2位ポルト
監督交代なし(ヌーノ・エスピリト・サント)
3位ブラガ
ジョゼ・ペゼイロ→ジョルジ・シマオン
4位スポルティング
監督交代なし(ジョルジ・ジェズス)
5位ビトーリア・ギマラインス
監督交代なし(ペドロ・マルティンス)
6位リオ・アベ
ヌーノ・カプーショ→ルイス・カストロ
7位シャービス
ジョルジ・シマオン→リカルド・ソアレス
8位マリティモ
パウロ・セーザル→ダニエル・ラモス
9位ビトーリア・セトゥバル
監督交代なし(ジョゼ・コウセイロ)
10位ボアビスタ
エルウィン・サンチェス→ミゲウ・レアウ
11位ベレネンセス
フリオ・ベラスケス→キン・マシャード
12位アロウカ
監督交代なし(リト・ビディガル)
13位パソス・デ・フェレイラ
カルロス・ピント→バスコ・セアブラ
14位エストリル
ファビアーノ・ソアレス→ペドロ・ゴメス・カルモーナ
15位フェイレンセ
ジョゼ・モッタ→ヌーノ・マンタ
16位ナシオナル
マヌエル・マシャード→プレドラッグ・ヨカノビッチ
17位モレイレンセ
ペパ→アウグスト・イナーシオ
18位トンデーラ
監督交代なし(プティ)

ご覧の通り、中位から下位のほとんどのクラブは監督交代を決断。しかし、6位リオ・アベのように、監督を替えたクラブの多くはこのショック療法により順位を上げた。後半戦は、監督交代の遅れたナシオナルやモレイレンセも順位を上げたり、逆に現状維持となっているビトーリア・セトゥバルやトンデーラが場合によっては順位を下げたり、上位に浮上できなかったりと、中位から下位のチームが順位を入れ替える混戦が予想される。

2017年の注目選手/監督/クラブ

上述した若手スタープレーヤーの活躍と、中位から下位チームの混戦も、もちろん2017年の注目ポイントだろう。ここでは後半戦のポルトガルリーグを盛り上げるであろう注目の選手、監督、クラブをそれぞれ予想する。

注目選手

ヤシン・ブライミ

クラブ史上最悪となる4試合連続スコアレスドローを演じ、一時はヌーノ・エスピリト・サント監督の解任も噂されたポルト。しかし、同監督に干され気味であったこの昨季のポルトのエースが、オタービオ・モンテイロの負傷離脱を機にスタメンを取り戻すと、得点力が大爆発。ブライミがスタメンを取り戻した5試合では、レスター戦の5得点を含む、14ゴールをチームであげ、4勝1分と高い勝率を取り戻した。今冬の移籍市場で、アーセナルやユベントス、ローマなどからの引き抜きの噂もあるが、もしポルトに残留すれば、チェルシーのイバノビッチを翻弄した昨季のような輝きを再度放ってくれるだろう。

注目監督

ジョルジ・シマオン(ブラガ)

昨季はパソス・デ・フェレイラをリーグ上位の7位に導き、今季も2部上がりのシャービスをサプライズとなる7位に押し上げていた。この40歳の若手監督は、現在国内No.1の若手監督といっても過言ではなく、その手腕が評価され、ジョゼ・ペゼイロを解任した強豪ブラガにシーズン途中ながら引き抜かれた。現在チームはリーグ3位を維持しており、あわよくば2位浮上など、3強体制を崩す活躍が期待できる。

注目クラブ

ブラガ

上述のジョルジ・シマオンが監督就任したリーグ3位のブラガ。低迷する4位スポルティングを暫定で上回っており、この好調を維持し、スポルティングが不調から抜け出すことができなければ、3強体制を打ち崩すことも夢ではない。2位ポルトは調子を上げてきたがブラガとの勝ち点差は2。同6の首位ベンフィカはまだ遠いが、ポルトを超えて2位へと上り詰める目標も可能性としては現実的だ。後半戦は、ジョルジ・シマオン率いるブラガが3強体制を終わらせるのか、ポルトガル屈指の強豪クラブが台風の目となれるかが注目である。

以上、ポルトガルリーグ激動の2016年を振り返り、2017年の注目ポイントを予想した。若手選手の宝庫であるポルトガルリーグの後半戦に、世界のメガクラブも引き続き関心を寄せることだろう。

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ブラガが新監督ジョルジ・シマオンの就任を発表!現国内No.1若手監督がビッグクラブへ

『zerozero.pt』

ポルトガルカップで2部コビリャン相手に敗退し、監督ジョゼ・ペゼイロを解任していたブラガが、新監督ジョルジ・シマオンの就任を発表した。

40歳のジョルジ・シマオンは、現在の国内リーグで最もその手腕が注目されている若手といっても過言ではない期待の青年監督である。昨季はパソスをリーグ7位に導き、今季は2部上がりのシャービスをここまでリーグ7位と上位に押し上げていた。ブラガはその手腕を評価し、シャービスに30万ユーロの違約金を支払い引き抜いた。

今夜のスポルティングとの上位対決はアシスタントコーチであるアベル・フェレイラ氏が指揮を執り、ジョルジ・シマオン新監督は木曜日のモレイレンセ戦でデビューする見通しである。

ポルトガルカップこそ敗退したブラガだが、リーグは現在4位と最低限の順位は維持。期待の青年監督の就任で、3強の牙城を崩せるか注目が集まる。

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元指揮官がポルトで絶好調ディオゴ・ジョッタを絶賛「CR7の後継者になり得る」

『SAPO Desporto』

シャービスを率いる青年監督ジョルジ・シマオンが、昨季パソスを率いた際に指導したディオゴ・ジョッタを「クリスティアーノ・ロナウドの後継者になり得る」と大絶賛した。

シマオンの前任者パウロ・フォンセッカ監督には、「フェルナンド・トーレスのようだ」と例えられたディオゴ・ジョッタ。今季アトレティコ・マドリードからレンタル移籍中のポルトでも、ベンフィカとのクラシコで得点するなど、パソス時代さながら大活躍している。

ジョルジ・シマオンは、『O JOGO』のインタビューに対し、昨季チームで二桁得点を挙げた若きエースの強みについてまず口を開き、パウロ・フォンセッカとは異なる名プレーヤーを挙げて褒め称えた。

「彼の最大の強みは、オープンスペースでゴールに向かってボールを受け、相手を置き去りにできるところだ」

「大胆なことを言っているのは承知だが、クリスティアーノ・ロナウドが引退した後はジョッタが頭角を現すだろう。彼はCR7の後継者になり得る。私は自分の言葉に恐れていない。実現するだろう。彼にはそのポテンシャルがある」

©FutePor -ふとぽる-

【保存版】16-17シーズン、ポルトガル1部リーグ全18チームの監督人事と注目監督

ベンフィカのリーグ3連覇で幕を閉じた15-16シーズンのポルトガル1部リーグは、監督人事に関して言えば、まさに「歴史的な」1年だった。6年間ベンフィカを率いたジョルジ・ジェズス監督が、宿命のライバルであるスポルティングへ禁断の電撃移籍を果たし、ポルトガル全土を震撼させたのだった。(参照:【保存版】2015-16ポルトガル1部リーグを戦う18チームの監督人事)

来る16-17シーズンの監督人事最大の注目は、史上稀に見る3強の名監督対決である。14-15シーズンのジョルジ・ジェズス(ベンフィカ)、マルコ・シウバ(スポルティング)、ロペテギ(ポルト)の三つ巴も見応えのある激戦ではあったが、今季は彼ら以上の実力者が揃った(ジョルジ・ジェズスはチームを替え再び激戦へ)。ベンフィカを率いるは、昨季就任1年目でリーグ制覇やCLベスト8の偉業を成し遂げたルイ・ビトーリア。スポルティングを率いるは、国内トップのタイトルホルダー、ジョルジ・ジェズス。そして、ポルトの新監督に就任したのは、バレンシアで歴代最多勝ち点を稼ぎ、CL経験も有するヌーノ・エスピリト・サント。名実ともに名将に相応しい3者が、16-17シーズンのポルトガルリーグを席巻することは確実だろう。

さて、前置きが長くなってしまったが、今季も例年通り、新シーズンの1部リーグを戦う18チームの監督人事をまとめてみた。今回の特徴は、国内名監督の「名誉挽回」、そして2部クラブからステップアップを果たした若手監督らの「下剋上」であろう。ぜひ、3強以外のクラブを率いるこれら監督にも刮目いただきたい。

(以下、かなりの文量になりますので、閲覧したい項目に絞ってご覧いただくなど、名鑑としてご活用ください)

16-17シーズン18チーム監督一覧

ベンフィカ-ルイ・ビトーリア

昨季1位 ベンフィカ
ルイ・ビトーリア(続投)

6年の長期政権を築いたジョルジ・ジェズスが最大のライバル、スポルティングへ。10つのタイトルを獲得した名将の後釜として迎え入れられたルイ・ビトーリアへの期待値は当初は微々たるものであった。リーグ開幕直後の第2節アロウカ戦では早速黒星をつけられ、前半戦の不調から解任騒動までもが巻き起こった。
しかし蓋を開けてみれば、後半戦に失速したスポルティングとポルトを尻目に破竹の連勝でリーグ3連覇を達成。リーグカップでも優勝を果たし、自身初となるCLではベスト8の快挙を成し遂げた。
当初の期待値を大幅に上回ったルイ・ビトーリアだったが、その功績はタイトルだけにとどまらない。同監督が抜擢し、ポルトガル代表に選ばれたゴンサロ・グエデスネウソン・セメード、バイエルンに移籍し、クラブに莫大な資金をもたらしたレナト・サンチェス、そして、ベンフィカの控えGKからブラジル代表にまで登り詰めたエデルソン・モラエスなど、フットボール界の未来を担う若手選手をわずか1シーズンで大量に輩出した。
EURO2016で大ブレイクを果たしたレナト・サンチェスこそ失ったが、その他有望な若手選手は残留が有力。2年目となる今季も、ベテランと若手が高度に融合し、ユースから次々と新戦力が台頭する理想的なチームになるだろう。リーグ4連覇へ、「絶対王者」の地位を確立するとしたら、今季はまたとない機会だ。

スポルティング-ジョルジ・ジェズス

昨季2位 スポルティング
ジョルジ・ジェズス(契約更新)

名将ジョルジ・ジェズスに率いられ、2001-02シーズン振りのリーグタイトル奪還が期待されたスポルティング。チームはシーズン序盤から好調を維持し、スリマニやジョアン・マリオら中心選手も、キャリアでベストと言えるパフォーマンスを発揮した。しかし、シーズン後半にベンフィカの猛追撃に屈し、最終的には勝ち点2差でリーグ王者の座を逃した。それでも、ブルーノ・デ・カルバーリョ会長のジョルジ・ジェズスへの信頼は厚く、シーズン終了後には2019年までの契約延長を結んだ。
これにてジョルジ・ジェズス政権は2年目に。チームの完成度はポルトガルリーグでも随一である。主力選手の大量引き抜きが噂されているからこそ、ベンフィカ時代に多くのスターを失いながらも国内3冠を達成したその手腕になおのこと注目が集まる。

ポルト-ヌーノ・エスピリト・サント

昨季3位 ポルト
ジョゼ・ペゼイロ(来季:ブラガ)
→ヌーノ・エスピリト・サント(元:バレンシア)

シーズン前半、リーグ無敗をひた走ったチームの好調が嘘かのように、後半戦に大失速したロペテギ率いるポルト。事態がさらに悪化する前にと、ショック療法として招聘したジョゼ・ペゼイロは、大半のポルティスタの予想通り、チームをさらなる泥沼へと陥れてしまった。
当然ながら途中解任となったペゼイロの後任には、クラブの元GKヌーノ・エスピリト・サントが就任。バレンシアをCLの舞台に引き戻し、クラブ歴代最多勝ち点数を獲得するなどスペインで一躍脚光を浴びた若き指揮官と2018年までの契約を結び、クラブの再建を託した。同監督は、中小クラブであるリオ・アベを2つの国内カップ戦で決勝に導くなど、ポルトガルでの実績は合格ライン。ルイ・ビトーリアとジョルジ・ジェズスがシーズンをかけて「仕上げた」ベンフィカとスポルティングを相手に優勝戦線に割り込めるか。クラブ会長ピント・ダ・コスタの目にはもう、3年連続でベンフィカに譲り渡したリーグ王者のタイトルしか映っていない。1年目であろうと絶対的な「結果」が求められる。

ブラガ-ジョゼ・ペゼイロ

昨季4位 ブラガ
パウロ・フォンセッカ(来季:シャフタール・ドネツク)
→ジョゼ・ペゼイロ(前季:ポルト)

ブラガを最低限のミッションであるリーグ4位に導き、ポルトガルカップではクラブに50年ぶりのタイトルをもたらしたパウロ・フォンセッカが、さらなる挑戦を求めて辞任を表明。国内リーグの戦績とともに躍進を遂げたELにおいて、ベスト8で敗れた対戦相手シャフタール・ドネツクと2年契約を結んだ。
後任には、昨季途中ポルトに就任したジョゼ・ペゼイロが抜擢。昨季はポルトを不調から救うどころかさらなる泥沼に陥れ、ポルトガルカップでは新たに就任することとなったブラガ相手に決勝で敗れた同監督。他の後任候補であったロペテギらと比べ、期待値はどうも低そうだ。監督自身の名誉挽回もしたいところだが、フォンセッカが再び強豪クラブへと復興させたブラガを、まずはリーグ4位に「維持」することが現実的な目標だろう。

アロウカ-リト・ビディガル

昨季5位 アロウカ
リト・ビディガル(契約更新)

誰がアロウカの5位など予想しただろうか。そして、誰がリト・ビディガルのこれほどまでの躍進を予想しただろうか。世間の期待を良い意味で裏切りまくったビディガル率いるアロウカ。今季はEL挑戦でヨーロッパ全土を轟かせたい。2年の契約延長を果たした監督自身も「昨季成し遂げたことはもう関係ない」と、さらなる進化に向け意気揚々としている。ただ、近年のパソスやベレネンセスなど、ポッとEL圏に進出してしまった中小クラブは、ELとの両立に失敗し、リーグでも低迷するのがトレンドではあるが…

リオ・アベ-ヌーノ・カプーショ

昨季6位 リオ・アベ
ペドロ・マルティンス(来季:ビトーリア・ギマラインス)
→ヌーノ・カプーショ(前季:バルジン)

2シーズンに渡りリオ・アベを率い、無事上位戦線に引き上げたペドロ・マルティンスは、強豪クラブの復活を任される形でギマラインスへ。後任には、2年契約を結んだヌーノ・カプーショが選ばれた。
同監督は、選手として長らくポルトガル代表を支え、2002年の日韓W杯にも出場した元名選手。監督になってからは、選手時代を捧げた古巣ポルトでユース監督やアシスタントコーチを務め、昨季は2部のバルジンを指揮していた。監督として初の挑戦となる1部リーグで結果を残せるか。前任者の結果が結果だけに、ハードルは極めて高い。

パソス・デ・フェレイラ-カルロス・ピント

昨季7位 パソス・デ・フェレイラ
ジョルジ・シマオン(来季:シャービス)
→カルロス・ピント(前季:サンタ・クラーラ)


最終節に6位を逃し、念願のEL出場の夢が儚く散ったパソス。しかし、ジョルジ・シマオンは、前シーズンの8位からひとつ順位を上げ、クラブの英雄パウロ・フォンセッカの後任という難しいタスクを若手監督ながら存分にやり切った。その手腕を買われ、2年の契約更新を提示されたという報道もあるが、新たな挑戦を決意し、昇格組のシャービスへ移籍した。
39歳の青年監督の後任には、こちらもまだまだ若い43歳カルロス・ピントが就任。1992-94シーズンを選手として過ごした古巣へ、約20年ぶりの復帰となった。二桁得点を記録し、チームの絶対的エースに君臨したワンダーボーイ、ディオゴ・ジョッタ(アトレティコ・マドリード)の退団を補えるかが鍵となる。

エストリル-ファビアーノ・ソアレス

昨季8位 エストリル
ファビアーノ・ソアレス(契約更新)

クラブを3強に迫る地位に押し上げた英雄マルコ・シウバが去った後、次なる監督ジョゼ・コウセイロ解任後の「暫定監督」としてファビアーノ・ソアレスが監督就任してからはや2シーズン。約半年と見積もられていた同監督の暫定政権は、周囲の期待を裏切り、ついには3シーズン目に到達。クラブも期待を込めて4年の長期契約を用意した。目標はELリーグ出場。監督のみならず、クラブとしても「サプライズ」を起こしたい。

ベレネンセス-フリオ・ベラスケス

昨季9位 ベレネンセス
フリオ・ベラスケス(契約更新)

サー・ピント監督のもと、ELとの両立に苦しみ下位に沈んだベレネンセス。古豪クラブに途中就任したスペイン人監督は、見事にチームを一桁順位まで建て直した。シーズン途中に2018年までの契約延長を果たした昨季後半戦の勢いそのままに、上位返り咲きを目指す。

ビトーリア・ギマラインス-ペドロ・マルティンス

昨季10位 ビトーリア・ギマラインス
セルジオ・コンセイサオン
→ペドロ・マルティンス(前季:リオ・アベ)

前年5位のギマラインスは、ルイ・ビトーリアをベンフィカに引き抜かれ、後任監督アルマンド・エバンジェリスタのもとで大失速。そうして降格圏に沈んでいたクラブに途中就任したコンセイサオンは、破竹の勢いで勝ち星を重ね、一時はリーグ5位へと躍り出た。しかし、シーズン後半に失速し、最終的には二桁順位に。監督自身にも、ギマラインスで監督を続ける意思はなく、両者は別れの道を歩むこととなった。
国内屈指の名将の後任には、ペドロ・マルティンスが就任。リオ・アベでの手腕が評価され、ブラガと双璧をなす北の強豪クラブと2018年までの契約を結んだ。1994-95シーズンに選手としたプレーした古巣をELの舞台に引き戻すことが最低限の目標となる。

ナシオナル-マヌエル・マシャード

昨季11位 ナシオナル
マヌエル・マシャード(続投)

年々順位が下降気味のナシオナルだが、マヌエル・マシャードはポルトガルの中位クラブでは「異例」の監督5年目に突入。変化を避けたクラブの決断が吉と出るか凶と出るか。

モレイレンセ-ペパ

昨季12位 モレイレンセ
ミゲウ・レアウ
→ペパ(前季:フェイレンセ)

当時の昇格組モレイレンセを1部にキープさせたミゲウ・レアウが、さらなる経験を求めて2シーズンを過ごしたクラブを退団。
後任には、今季の1部リーグで最年少監督となる35歳のペパが就任。1年の延長オプションが付いた単年契約を結んだ。昨季は、3月に7戦2勝と不調に陥って突然の解任を宣告されるまで2部フェイレンセを指揮しており、今季から1部に昇格する同クラブの土台を形成。3名の2部リーグ最優秀監督賞候補にもノミネートされた。

マリテイモ-パウロ・セーザル・グスマオン

昨季13位 マリティモ
ネロ・ビンガーダ(来季:ノース・イースト・ユナイテッド(インド))
→パウロ・セーザル・グスマオン(前季:ジョインビレ(ブラジル))

イボ・ビエイラの途中解任にともないマリティモへ到来した64歳の老将ビンガーダ。カルロス・ケイロスのアシスタントコーチとして、1989および1991のU-20ワールドユースで母国の優勝に貢献した同監督は、不調に陥るマリティモをリーグ杯で決勝に導くなど、暫定監督としては十二分な成績を残した。
新監督に選ばれたのは、ブラジル人監督パウロ・セーザル・グスマオン。母国ではフラメンゴ、ボタファゴ、セアラー、パウメイラスなど、数々の強豪クラブを率いた経歴を持つ54歳にクラブの再建を託した。

ボアビスタ-エルウィン・サンチェス

昨季14位 ボアビスタ
エルウィン・サンチェス(契約更新)

プティ監督の突然の辞任から、降格の危機にあった古豪を見事残留に導いたかつての名プレイヤー。選手時代を過ごした古巣と1年の契約延長を果たし、上位進出を目指す。

ビトーリア・セトゥバル-ジョゼ・コウセイロ

昨季15位 ビトーリア・セトゥバル
キン・マシャード
→ジョゼ・コウセイロ(元:エストリル)

トンデーラを2部優勝に導き、鳴り物入りでセトゥバルの監督へ就任したキン・マシャード。前半戦こそ好調を維持したが、チームのエースFWソク・ヒョンジョンがシーズン途中にポルトへ引き抜かれてからは大失速。契約を1年残し、無念の退団となった。
後任に選ばれたのは、マルコ・シウバ政権後のエストリルを率いて以来となる現場復帰のジョゼ・コウセイロ。すっかりコメンテーターとしての印象が強くなった同監督と、2年契約を締結した。エストリルでは無念の途中解任となったが、2013-14以来の復帰となるセトゥバルにて名誉挽回し、フットボール監督としての威厳を取り戻したい。

トンデーラ-プティ

昨季16位 トンデーラ
プティ(契約更新)

昨季は、2度の監督交代の大ナタを振るったトンデーラ。2部優勝の成績を引っさげ1部に臨むも、高い壁を越えられず下位に沈んでいた。しかし、昨季途中に突然ボアビスタを辞任し、チームにやってきた「3人目の監督」プティのもと、見事残留に成功。その功績が認められたかつての名プレイヤーは、2018年までの契約延長を果たした。今季も1部残留が現実的な目標となる。

シャービス-ジョルジ・シマオン

昨季2部2位 シャービス(1位は昇格権のないポルトB)
ビトール・オリベイラ(来季:ポルティモネンセ)
→ジョルジ・シマオン(前季:パソス)

3年連続で2部チームを1部に導いていた「昇格請負人」ビトール・オリベイラが監督就任したシャービス。その実力は噂に違わず、同氏9チーム目・4年連続となる2部昇格を果たした。当の監督自身は、例年通り昇格のミッションを果たしてお役御免。昨季は最終節に昇格を逃し、リーグ4位となったポルティモネンセの監督に就任した。日本では金崎夢生が所属したことで有名な同クラブの昇格を請け負うこととなった。
後任には、昨季パソスをEL出場圏目前の7位に導いた39歳の青年監督ジョルジ・シマオンと2年契約を締結した。パソスは、アトレティコ・マドリードに移籍したディオゴ・ジョッタらタレントが揃ったチームであったが、今回は2部上がりのシャービス。残留に向け、我慢強い戦いが求められる。

フェイレンセ-ジョゼ・モッタ

昨季2部3位 フェイレンセ
ジョゼ・モッタ(続投)


順調に勝ち星を重ねたペパ率いるフェイレンセは、年明けに急失速。監督は突然の不調を理由に解任された。後任に選ばれたジョゼ・モッタは、ポルティモネンセとの昇格をかけた接戦を制し、同クラブの敗北を尻目に最終節に辛うじて1部昇格を果たした。
その功績が認められた同監督は続投が決定。1部挑戦の権利を手にした。しかし、強豪並み居る1部リーグである。チームの残留よりも、まずは監督自身が解任されないことが現実的な第一目標だろう。

注目監督ベスト3

同率1位 ルイ・ビトーリア、ジョルジ・ジェズス、ヌーノ・エスピリト・サント

今季は、例年にも増して「3強によるタイトル争い」の様相が強まることだろう。3強による独占体制を切り崩す有力候補ブラガは、パウロ・フォンセッカを招聘した昨季とは違い、ジョゼ・ペゼイロ率いる今季は順位を下げる可能性が否めない。ベンフィカ、スポルティング、ポルトを打ち負かす有力クラブがおらず、また、3強のチーム力が拮抗していることから、今季は熾烈なタイトル争いが見られることだろう。リーグ4連覇で名実ともに名将の仲間入りを果たしたいルイ・ビトーリア、今季こそは是が非でもタイトルが欲しいジョルジ・ジェズス、失墜したポルトのタイトル奪還を課せられたヌーノ・エスピリト・サント。三者三様の使命を課せられた監督によるただ1つのタイトル争いは、史上かつてない激戦が予想される。

ダークホース監督候補

ペドロ・マルティンス(ビトーリア・ギマラインス)
昨季はルイ・ビトーリア→アルマンド・エバンジェリスタと、監督交代の失敗をあからさまに露呈したギマラインス。しかし、前半戦を降格圏に沈みながら、後半戦は一時5位に躍り出るなど、チームの実力は衰えず。リオ・アベを6位に導いたペドロ・マルティンスがうまくハマれば、リーグ4位も夢ではない。

フリオ・ベラスケス(ベレネンセス)
ポルトガルで異彩を放つスペイン人監督ベラスケス。途中就任ながらベレネンセスを一桁台に引き戻した実力はお見事。シーズン開始からチームを率いられる今季は、昨季築いた土台もあり、上位進出が予想される。

以上、新シーズンを控えた監督人事と注目監督を紹介した。ぜひ本コラムを片手に、今季も熱きポルトガルリーグに注目していただきたい。

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ディオゴ・ジョッタら注目選手の宝庫パソス監督が、代表監督へ自チームの選手をアピール

『A BOLA』

パソス・デ・フェレイラの若手監督ジョルジ・シマオンが、ポルトガルリーグ第8節マリティモ戦に向けた記者会見に出席した。マデイラ島で行われるこの試合は、代表監督フェルナンド・サントスが視察予定であり、シマオン監督は、自らのチームの価値をポルトガルサッカー協会に誇示する機会だと意気込んだ。

「フェルナンド・サントスがマデイラまで視察に来ることは知っている。パソスの優れた価値を示す良い機会になるだろう。協会は、U-21代表のためにも、我々の選手数名を注目することだろう」

30代の青年監督に率いられるパソスは注目選手の宝庫だ。

弱小クラブを転々とした28歳の苦労人ブルーノ・モレイラは、昨季パウロ・フォンセッカ現ブラガ監督のもと大ブレイク。31試合で14ゴールを記録し、今季も好調を維持している。リーグでは、ここまで3ゴールを記録し、先日のポルトガルカップ第3戦ナバル戦では、ハットトリックを達成するなど、すでに公式戦出場5試合で7ゴールを記録している。

また、シマオン監督がU-21代表について言及したのは、フォンセッカ元監督が「フェルナンド・トーレスのようだ」と称賛した18歳の若手FWディオゴ・ジョッタの存在があってこそだろう。バルセロナも獲得を狙う同選手も、先のナバル戦で2得点を記録していた。

ここまでは、かつてクラブをリーグ3位に導いた英雄フォンセッカ元監督の遺産で戦っているパソスだが、青年監督シマオンも、自らの存在価値を示すことができるだろうか。

©FutePor -ふとぽる-