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ポルトの新監督候補はビッグネームひしめく7名。会長一番の希望は田中順也の恩師か

『zerozero.pt』

成績不振を理由にフレン・ロペテギ監督の退任を正式発表したポルト。リーグ3位に急転落したクラブを立て直す後任監督には、7名のポルトガル人指揮官が候補に挙げられている。

その中でも、クラブ会長ピント・ダ・コスタが最も強く望む新監督は、現在オリンピアコスを率いるマルコ・シウバであるようだ。ただし、マルコ・シウバ自身はポルトからのコンタクトを公式に否定している。スポルティングでは田中順也に出場機会を与え、就任1年目でリスボンの古豪に7年ぶりのタイトルをもたらした若き名将は、今季もここまでオリンピアコスでリーグ開幕から15戦無敗と絶好調。CLでもバイエルンやアーセナルらと同組になりながら、グループ突破へあと一歩のところまで手にかけていた。38歳という若さも同会長が重視する理想の監督像に相応しい。

第一候補のマルコ・シウバ以外にも、多くのビッグネームが新監督候補として挙げられている。2人目の候補は、ゼニトを率いるアンドレ・ビラス・ボアス。かつてクラブで、リーグ無敗優勝を含む4冠を達成したまさにポルトのレジェンド監督である。会長とも親交があり、今季限りでのゼニト退団を明言していることから、愛する古巣へ電撃復帰する可能性も否めない。

3人目は、元スポルティング監督のレオナルド・ジャルディンである。ただし、同監督は昨季、所属するモナコとの契約を2019年まで延長したばかり。CLで決勝ステージへ進出しているビラス・ボアスと同様に、シーズン途中での引き抜きは容易ではないだろう。また、マルコ・シウバとレオナルド・ジャルディンは、かつてポルトのライバルであるスポルティングを指揮した監督である。同クラブとの契約解除の際には、ポルトガル3強の他クラブを率いる場合には、違約金が生じる契約を結ばれている。

4人目は、今季バレンシアを解任されたヌーノ・エスピリト・サントである。元リオ・アベ監督、かつてはポルトで活躍したクラブの古株であり、ジョルジ・メンデスが代理人を務めていることからも、現在フリーな同監督の招聘は現実味がある。そして5人目は、こちらもクラブのかつての名手、セルジオ・コンセイサオンである。ただし、同監督は今季途中にビトーリア・ギマラインスの監督に途中就任したばかり。倫理的にもわずか半年でポルトの監督に席を移すとは考えにくい。

6人目は、モウリーニョの右腕であるルイ・ファリアだ。モウリーニョのチェルシー解任に伴い、そのアシスタントであるファリアも、現在はフリーの身。ポルト大学で学を修め、クラブやピント・ダ・コスタ会長とも親交が深い。モウリーニョが今季どのクラブにも就任するつもりがないのであれば、期間限定でファリアがキャリア初となるクラブの監督を務めることも十分に考え得るし、そうなれば面白い。

最後7人目が、ポルトBの監督であるルイス・カストロだ。同監督は2年前にも、現ブラガ監督パウロ・フォンセッカがポルト監督を途中解任された際に、シーズン末までの暫定監督を務めた経験がある。今回も、もしポルトが来季以降に正式な新指揮官を据えるのであれば、今季での上記ビッグネームの招聘は避け、ルイス・カストロに再び暫定監督を任せる可能性も否定できない。

ポルトガル国内のみならず、隣国スペインメディアも注目するポルトの監督事情。果たして、次なる監督には、国外で功績を残した若手ポルトガル人監督が、母国への凱旋という形でポルトに到来するのだろうか。はたまた、名アシスタントの監督デビューというウルトラCが飛び出すのだろうか。

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ギマラインスが新監督コンセイサオンの就任を正式発表!初戦は古巣ブラガとのミーニョ・ダービーへ

『A BOLA』

アルマンド・エバンジェリスタを成績不振を理由に解任していたギマラインスは、新監督セルジオ・コンセイサオンの就任を正式発表した。

ギマラインスは、昨季チームを5位に導いたルイ・ビトーリアをベンフィカに引き抜かれ、Bチームのエバンジェリスタを今季より昇格させていたが、41歳、トップチーム経験の浅い若手監督は、開幕から5試合を戦って1勝3分1敗と不振に陥っていた。

新たにクラブを率いるセルジオ・コンセイサオンは、昨季ブラガをリーグ4位に導いた経験豊富な名将。ポルトガルカップで当時マルコ・シウバ率いるスポルティングに、試合を有利に運びながらもまさかの敗北を喫したこともあり、わずか1シーズンで解任されていた。

そんな個人的因縁を持つブラガとは、北部ミーニョ地方のライバルクラブであるギマラインス。その監督に就任したコンセイサオンの初戦の対戦相手は、なんという偶然か、ブラガに決まった。

「他の試合と同じように、この試合にも勝つために立ち向かう。勝利への新たな冒険が始まるという壮大な想いを抱いている。復讐などといったものはない。両クラブに存在するライバル関係については理解している」

新たに率いる強豪クラブを「ミーニョ・ダービー」勝利に導き、自らを切り捨てた古巣相手にリベンジを果たせるだろうか。ちなみに、現在ブラガの監督を務めるパウロ・フォンセッカがポルトを率いていた当時、コンセイサオンはアカデミカの監督としてポルト相手に歴史的勝利を挙げた過去を持つ(写真)。ポルトガル国王が誕生した地ギマラインスで、名将コンセイサオンが新たな冒険に挑む。

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早くも監督解任のギマラインスとアカデミカ。両クラブともに経験豊富な名将に触手

『Record』

今節、チームの低迷を受け、開幕から1ヶ月ほどながら早くも監督解任を敢行したギマラインスとアカデミカ。

昨季5位と上位進出したものの、ルイ・ビトーリア監督をベンフィカに引き抜かれたギマラインスは、若手監督のアルマンド・エバンジェリスタをトップチームへ昇格させた。しかし、チームは開幕から低迷を続け、クラブは7試合で若手監督に見切りをつけた。アカデミカは、昨季チームを残留に導いたジョゼ・ビテルボを続投させたが、ここまでリーグ最下位と振るわず、同監督は解任の道を辿ることになった。

早くも監督解任に踏み込んだ両クラブだが、すでに後任をリストアップしているようだ。両クラブともに、昨季は1部リーグを戦った経験豊富な名将の招聘を目論んでいる。

ギマラインスは、セルジオ・コンセイサオンを後任に選択。同監督は昨季ブラガを4位に導いたものの、ポルトガルカップ決勝のタイトルを悲劇的な形で逃したこともあってシーズン終了後に解任されていた。自身も「ビトーリア・ギマラインスのようなクラブを率いることに、ノーという監督など想像できない。ビトーリアの歴史を知る者は断ることなどできないのだ」と語っており、すでに監督就任へ意欲を見せている。もし実現すれば、昨季率いたブラガのライバルチームの監督を務めることになる。

アカデミカは、ジョゼ・コウセイロとリカルド・シェウの2名をリストアップ。前者は、昨季エストリルを率いていたが、成績不振によりシーズン途中に解任されていた。それでもポルトやスポルティングなどポルトガルを代表する名門クラブを率いた経歴は色あせず、新監督の第一候補として挙げられている。後者は、現在2部リーグ所属のACビゼウの監督を務めている。アカデミカとも関係が深く、2010-11シーズンにジョルジ・コスタ監督率いるテクニカルチームで、フィジカルコーチとして活躍していた過去を持っている。

ともに上位進出を目指しながら開幕を不調で迎えたギマラインスとアカデミカ。これら名将の招聘に成功し、巻き返しを図れるだろうか。

©FutePor -ふとぽる-

【保存版】2015-16ポルトガル1部リーグを戦う18チームの監督人事

ベンフィカのリーグ2連覇及び2冠達成とともに幕を閉じた2014-15シーズンのポルトガルリーグ。プレシーズンに突入し、来季の躍進に向けて各クラブが監督人事に着手している。すでに、歴史に名を残すような禁断の監督移籍も実現しており、今季も例に漏れず、ポルトガル人監督の動向に注目が集まる。

昨季は多くのクラブで玉突き移籍が発生した(筆者過去記事: 『ポルトガルリーグ激動の監督大移動』』参照)。今季は、国内移籍や、Bチームからの昇格、海外をめぐる監督の輸出入など、様々な移籍パターンが見受けられた。そこで、昨年に続き、来季1部リーグを戦うクラブの監督情報をまとめてみた。1部残留15チームのみだった前回とは違い、今回は、2部からの昇格組も含めた全18チームを網羅している。

☆紛らわしいので、使用語の定義を一度共有

「昨季」=2013-14シーズン

→(ベンフィカがリーグチャンピオン)

「今季」=2014-15シーズン

→(ベンフィカがリーグ2連覇)

「来季」=2015-16シーズン

 

<1位 ベンフィカ>

ジョルジ・ジェズス(来季:スポルティング)

ルイ・ビトーリア(前:ギマラインス)

6年間でベンフィカに10タイトルをもたらした老将ジョルジ・ジェズスの退任が決定。今季は、ベンフィカを2年連続でリーグ王者に導き、自身もリーグ最優秀監督に選出された。退任は、契約延長交渉で約半額の減棒を提示されたのが決定的であったようだ。また、本人曰く「ベンフィカでの仕事はやり切った」とか。国内外のビッグクラブからの関心が伝えられた中、ライバルのスポルティングへ、歴史的な禁断の移籍を決断。ポルトガル全土を震撼させた。

後任には、ギマラインスを5位に導いたルイ・ビトーリアが就任。3年契約を結んだ。同氏はベンフィカのユースチームを率いた経歴があり、クラブへの適応には問題ないだろう。懸念点があるとすれば、ヨーロッパ大会での実力が未知数なところか。先日、ルイス・フィリペ・ビイエラ会長がCL制覇の夢を語った。その実現とまではいかずも、リーグ3連覇とCLグループリーグ突破は全サポーターから求められる結果。過酷なプレッシャーに打ち勝つことができるか。

<2位 ポルト>

フレン・ロペテギ(続投濃厚)

パウロ・フォンセッカ監督期に続き、ロペテギ監督下でも優勝トロフィーを掲げられず、2シーズン連続で主要タイトル無冠に終わったポルト。しかし、CLではベスト8と大躍進を果たし、バイエルン相手にホームで3-1と歴史的な勝利を挙げたロペテギの実力を、ピント・ダ・コスタ会長は高評価。ミランやレアルなど国外クラブからの関心が集まったが、会長が売却不可の姿勢を貫いた。来季の続投は濃厚である。今季は、監督の意向により多くの新選手がレンタルで加入し、連携面を含めたチーム作りに時間を費やした。来季のチームの完成度には期待がかかるが、ポルトの監督に就任した宿命であろうか、例年通りに主力選手の退団に頭を抱えている。不動のRSBダニーロと、中盤を支えたカゼミロのレアル行き(後者はレンタルバック)の影響は大きく、特筆すべきは3年連続リーグ得点王に輝いたジャクソン・マルティネスの退団であろう。このリーグ最強ワントップの個人技で「何とかなった」試合は、枚挙にいとまがない。歴代史上最高のエース退団により、ロペテギ流チーム作りの手腕が再び試されることになる。仮にワントップの後任人事に失敗し、勝ち星を落とすような状況が続いたとしたら、会長から高評価を得ている監督の電撃解任というシナリオも絵空事ではない。

<3位 スポルティング>

マルコ・シウバ(来季:オリンピアコス)

→ジョルジ・ジェズス(前:ベンフィカ)

スポルティングに7年ぶりのタイトルをもたらしたマルコ・シウバが、クラブ会長ブルーノ・デ・カルバーリョとの不仲を理由に解任された。両者は、プレシーズンにはすでに方向性の食い違いを感じていたようである。サポーターからも愛されていたポルトガルNo.1若手監督の解任については、勿体無いの一言に尽きる。監督とクラブ間の契約破棄に関する交渉が難航したが、先日ようやく双方が合意。フリーの身になったマルコ・シウバは、ビトール・ペレイラ現フェネルバフチェ監督(元ポルト監督)の後任として、ギリシアのオリンピアコスへ移籍。オリンピアコスからスポルティングの監督へ就任したレオナルド・ジャルディン現モナコ監督とは、真逆方向の移籍が実現した。

後任には、ベンフィカのジョルジ・ジェズスを電撃獲得。ミランやレアルなど国外ビッグクラブへの監督就任も噂された中、ライバルチームへの歴史的な禁断の移籍を選択した。しかし、同監督は根っからのスポルティンギスタであり、青年期はユースチームに所属し、トップチームでプレーした経歴も持つ。キャリアの終盤に心のクラブを率いたいと願うのも当然か。ホームスタジアムで行われた就任会見では、満員のソシオが見守る中、「眠っているライオンを起こさなくてはならない!」と力説した。国内有数のワールドクラスの名将が、ベンフィカとポルトに遅れをとる3強の一角を、宣言通りに復権へと導くのか。それとも、マルコ・シウバという若き実力者の解任が凶と出るのか。来季もスポルティングの動向には大注目だ。

<4位 ブラガ>

セルジオ・コンセイサオン

→パウロ・フォンセッカ(前:パソス・デ・フェレイラ)

リーグ4位と大健闘ながら、コンセイサオンを解任。ポルトガルカップ決勝のスポルティング戦で、試合を圧倒的優位に運びながらまさかの敗北を喫したのが、会長の逆鱗に触れたようだ。

後任には、パソスを率いたパウロ・フォンセッカを指名。2年契約を結んだ。今季は、愛するクラブを8位に躍進させ、前年にポルトで失った評価を取り戻した。「パソスで満足しており、その愛情を超えるほどのプロジェクトが提示されない限りは、チームを離れることはない」という趣旨の発言をしていたが、ころっと移籍。ブラガが抱く野心は相当なものだったのだろう。自身2度目となるビッグクラブでの挑戦となる。ポルトでの反省を活かし、有力選手の多いチームをうまくまとめることができれば、3強撃破も夢ではない。弱小クラブを3位へと躍進させた「パソスの奇跡」を再現したい。

<5位 ギマラインス>

ルイ・ビトーリア(来季:ベンフィカ)

→アルマンド・エバンジェリスタ(前:ギマラインスB)

ルイ・ビトーリアをベンフィカに引き抜かれたギマラインス。注目の後任には、Bチームのアルマンド・エバンジェリスタを昇格させた。41歳の同監督は、6年間Bチームを率いた、まさにチームを知る男。トップチーム昇格を果たしていきなりELにも挑戦する。Aチーム経験の浅さが足を引っ張らないと良いが。

<6位 ベレネンセス>

ジョルジ・シマオン(来季:パソス・デ・フェレイラ)

→サー・ピント(前:アトロミト(ギリシア))

昨季は辛うじて降格を免れたベレネンセスが、今季はEL出場圏内の6位に大躍進。シーズン途中に暫定指揮を執ったジョルジ・シマオンはパソスへ移籍。新監督サー・ピントと2年契約を結んだ。同監督は、42歳と若手ながら、スポルティングやレッドスターなどを率いた過去を持つ経験豊富な人物。元ミランのガットゥーゾが監督就任して注目を集めた、ギリシアのOFIクレタを、彼の前に指揮した監督でもある。躍進の体制は整った。ELとリーグの両立が鍵となる。

<7位 ナシオナル>

マヌエル・マシャード(続投濃厚)

昨季の5位に続き、今季も7位と健闘。マシャード監督への信頼は厚く、今季も残留が既定路線。

<8位 パソス・デ・フェレイラ>

パウロ・フォンセッカ(来季:ブラガ)

→ジョルジ・シマオン(前:ベレネンセス)

パウロ・フォンセッカがチームを3位という奇跡の順位に導いたのも今は昔。クラブの英雄がポルトの監督に就任した昨季は、最下位から2番目の15位に沈んだ。そこで、今季はフォンセッカを呼び戻し、クラブと監督自身の名誉回復に尽力。無事、上位に返り咲いた。ポルトでは不遇の時を過ごした同監督も汚名を返上。移籍市場を賑わす人気監督となり強豪ブラガへ羽ばたいた。

後任には、昨季ベレネンセスの監督に途中就任し、9試合を指揮したジョルジ・シマオンを抜擢。38歳という来季の1部リーグ最年少タイ監督に、英雄フォンセッカの再現を託した。英雄が去りチームが大暴落した昨季の再現だけは避けたいところ。

<9位 マリティモ>

イボ・ビエイラ(続投濃厚)

パウロ・ベントのもとでポルトガル代表アシスタントコーチを務めたレオネル・ポンテスが、馴染みのないクラブチームを率い、失敗。目標の上位進出とはならずも、後任のイボ・ビエイラがチームを立て直した。すでに同監督主導でチームの補強が行われており、プレシーズンのフランス遠征も決定。続投は濃厚であろう。カルロス・ペレイラ会長が掲げた目標であるEL出場圏内の6位を目指す。

<10位 リオ・アベ>

ペドロ・マルティンス(恐らく続投)

リーグ序盤の勢いはどこへ。上位躍進を意気込んだものの、最終的には昨季とあまり変わらない10位に落ち着いた。前監督ヌーノ・エスピリト・サントは、移籍先のバレンシアで高評価を得ており、ペドロ・マルティンスとしては、現監督の威信を、サポーターを始めポルトガル全土に見せつけたいところ。ただ、今のところは監督について移籍の噂も解任の噂もなく、注目度が低い感は否めない。

<11位 モレイレンセ>

ミゲル・レアル(続投)

昇格初年度ながらリーグ11位と、思いの外、上位をキープ。その功績が認められ1年間の契約更新。

<12位 エストリル>

ファビアーノ・ソアレス(続投)

マルコ・シウバが築き上げたエストリル帝国を、大方の予想通りジョゼ・コウセイロが崩壊させ、途中解任。マルコ・シウバのテクニカルチームにも所属していたブラジル人ファビアーノ・ソアレスが、暫定監督としてチームを降格の危機から救った。

新監督が決定しないままプレシーズンに突入し、早くも出遅れた感があった中、ファビアーノ・ソアレスの続投が明かされた。今季限りの暫定監督のはずであったが、このタイミングでの残留発表。後任が見つからず、やむを得ない選択だったのかと推測せずにはいられない。マルコ・シウバが、3強に肉薄するチームに育てたエストリルを、再び2部常連の弱小チームに戻すことだけは避けたい。

<13位 ボアビスタ>

プティ(続投)

ポルトガル代表の功労者プティが、1年の契約延長を果たした。2006年ドイツワールドカップで、ポルトガル代表の一員としてベスト4を達成したのは記憶に新しい。2012年からボアビスタで選手兼監督を務め上げ、昨季は3部からの1部特殊昇格(八百長の疑惑が晴れたため)に貢献。今季は1部初年度ながら13位と大健闘した。来季も1部残留が現実的な目標だろう。

<14位 ビトーリア・セツバル>

ブルーノ・ヒベイロ(来季:ルドゴレツ)

→キン・マシャード(前:トンデーラ)

今季は、ドミンゴス・パシエンシアが結果を残せずに途中解任。ブルーノ・ヒベイロがチームを残留へ導いた(パシエンシアは来季よりアポエルの監督に)。来季は、トンデーラを2部優勝に導いたキン・マシャードに指揮を託す。2部優勝の勢いそのままに、上位戦線に食い込みたい。

<15位 アカデミカ>

ジョゼ・ビテルボ(続投濃厚)

パウロ・セルジオの途中解任に揺れたアカデミカは、ジョゼ・ビテルボのもと、何とか残留を決定。ジョゼ・エドゥアルド・シモインス会長が、同監督への信頼を強調しており、残留は濃厚。

<16位 アロウカ>

ペドロ・エマヌエル(来季:アポロン・リマソール(キプロス))

→リト・ビディガル(今季:ベレネンセス途中解任)

ポルト時代にアンドレ・ビラス・ボアスの元でアシスタントコーチを務めたペドロ・エマヌエルが、キプロスへ移籍。今季ベレネンセスを途中解任されたリト・ビディガルが新監督に就任した。同監督は、昨季のベレネンセスを残留に導いた「残留請負人」としての期待がかかる。来季も弱小クラブを1部残留に導くのが使命だ。

<2部1位 トンデーラ>

キン・マシャード(来季:ビトーリア・セツバル)

→ビトール・パネイラ(前:バルジン)

チームを1部昇格に導いたキン・マシャードが、セツバルに引き抜かれた。後任には、49歳のビトール・パネイラを招聘。今季シニアリーグ所属のバルジンをポルトガル2部リーグに昇格させた手腕が評価され、2013年10月以来のトンデーラ復帰となった。同監督は、ポルトガル代表では44試合出場のキャリアを誇るものの、監督としては、ポルト近郊のバルジンやゴンドマルなど弱小クラブから抜け出せていなかった。強豪並み居る1部での実力は、かなりの未知数と言えよう。

<2部2位 ウニアオン・ダ・マデイラ>

ビトール・オリベイラ

→ルイス・ノートン(前:シャービス)

ウニアオンを1部昇格に導き、2部リーグ最優秀監督に輝いたビトール・オリベイラ。61歳の老将は、2012-13シーズンのアロウカや、2013-14シーズンのモレイレンセなどを含め、15回の2部リーグ挑戦において、8つのチームを昇格へ導いたことになる。2部クラブの昇格成功率が53%にも上る「昇格請負人」は、任務を終えお役御免となった。

老将の後任として、今季マリティモを途中解任されたレオネル・ポンテス元ポルトガル代表アシスタントコーチなどに興味を抱いたが、最終的には前監督と同じ61歳のルイス・ノートンと1年契約を結んだ。同監督は、ベンフィカB、ビトーリア・セツバル、ビトーリア・ギマラインス、ギニアビサウ代表などを率いた経歴を持つ。昨季は2部のシャービスを率いていた。経験豊富な指揮官のもと、まずは1部残留を果たしたい。

 

<注目監督ベスト3>

1位 ジョルジ・ジェズス(スポルティング)

愛するクラブへ禁断の移籍を遂げた。ここ10数年低迷する3強の一角を、真の強豪に成長させることが使命である。ベンフィカで3度のリーグ優勝に輝いた手腕に、全スポルティンギスタの期待がかかる。彼が去ったベンフィカが失墜しないかどうかにも注視したい。

2位 パウロ・フォンセッカ(ブラガ)

ポルトでは失意のシーズンを過ごしたが、その実力はパソスで証明済み。リーグ3位となった「パソスの奇跡」を、新チームであるブラガで再現したい。3強の一角を崩す可能性は十分にある。今季の大注目ポイントだ。

3位 ジョルジ・シマオン(パソス・デ・フェレイラ)

9試合ながら、ベレネンセスの大躍進に貢献。38歳という若さで、実力者パウロ・フォンセッカの後釜を務めることに。まずは、今季同監督が築いたチームを維持すること。そこに自分自身のスタイルを融合させ、結果を残すことができれば、若さを武器に一気に注目監督の仲間入りを果たす可能性も。過去3年間で、3位、15位、8位と浮き沈みの激しいチームに安定をもたらしたい。

 

<年齢順>

38歳 プティ(ボアビスタ)

38歳 ジョルジ・シマオン(パソス)

39歳 イボ・ビエイラ(マリティモ)

41歳 エバンジェリスタ(ギマラインス)

42歳 サー・ピント(ベレネンセス)

42歳 フォンセッカ(ブラガ)

44歳 ペドロ・マルティンス(リオアベ)

45歳 ルイ・ビトーリア(ベンフィカ)

45歳 リト・ビディガル(アロウカ)

48歳 ロペテギ(ポルト)

48歳 キン・マシャード(セツバル)

49歳 ビトール・パネイラ(トンデーラ)

49歳 ファビアーノ・ソアレス(エストリル)

50歳 ミゲル・レアル(モレイレンセ)

53歳 ジョゼ・ビテルボ(アカデミカ)

59歳 マヌエル・マシャード(ナシオナル)

60歳 ジョルジ・ジェズス(スポルティング)

61歳 ルイス・ノートン(ウニアオン)

 

ちなみに…

マルコ・シウバ(オリンピアコス)がスポルティングの監督に就任した際の年齢は36歳。ビラス・ボアス(ゼニト)のポルト監督就任に至っては32歳の時。両者の特異的な若さが際立つ。

【過去コラム再掲】2014-15ポルトガルリーグ激動の監督大移動

2014-15シーズン開幕前に執筆した記事です。ポルトガルリーグの監督を大まかに把握するのにお使いください。

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ベンフィカの国内3冠と共に幕を下ろしたポルトガルリーグ2013-14シーズン。次なる14-15シーズンの開幕に向け、早くもそれぞれのクラブがチームの改革に着手し、まず手始めに監督の確定に奔走している。

このオフシーズンに多くのチームが監督交代に踏み切った。そこで今回は、昨シーズンから引き続き1部リーグで戦う15チームの監督交代事情、そして来シーズンの注目監督についてまとめてみた。

 

【ベンフィカ 昨季1位】

ジョルジ・ジェズス(続投)

昨シーズン、国内3冠とEL準優勝という前人未到の記録を打ちたて、名実ともに名監督の仲間入りを果たした知将。先日、バレンシアやミランなど強豪クラブからの監督要請を断り、残り1年の契約を全うすることを発表。全てを勝ち取ったあとの続投という、困難極める道を選んだ名将の来季に多くの注目が集まる。

【スポルティング 昨季2位】

レオナルド・ジャルディン(来季:モナコ)

→マルコ・シルバ(前:エストリル)

就任1年目にして、前シーズン7位に沈んだスポルティングを2位へと復活させたジャルディン監督が、1年で早くも退団。後を継ぐのはポルトガルリーグで最も注目を集める若手監督マルコシルバ。

2011年にエストリルで現役引退すると、そのままクラブの監督へ就任。1年目で2部優勝を果たし、勢いそのまま2年目で1部5位、3年目の昨季は1部4位と、弱小クラブのエストリルをたった3年間で強豪チームへと押し上げた。来季は念願のビッククラブ指揮となるが、彼の監督人生を左右する1年となるのは間違いない。弱小パソスを3位に押し上げてポルトの監督に就任するも、途中解任されたパウロ・フォンセッカコースを辿るのか、はたまた、アカデミカを降格から救いポルトの監督1年目で全てを勝ち取り世界に羽ばたいたビラス・ボアスコースを辿るのか。その分岐点となるのが1年目の来季である。

【ポルト 昨季3位】

ルイス・カストロ(来季:ポルトB)

→フレン・ロペテギ(前:スペインU-21代表)

リーグ4連覇を目指しチームの舵取りを任せたのは、前シーズンに弱小のパソスを3位に導いた青年監督パウロ・フォンセッカ。しかし、チームは不振を極めて監督を途中解任。内部昇格で暫定指揮を採ったルイス・カストロ元Bチーム監督も状況を好転できずに屈辱のリーグ3位に終わる。再起をかけて敏腕会長が選んだのは、スペインU-19とU-21代表で世界一に輝いたロペテギ監督。早くも監督の意向で若手スペイン人選手の獲得に動くなど、来シーズンはチームのスペイン化が予想される。クラブが多く抱えるメキシコ人やコロンビア人も重宝されることであろう。

【エストリル 昨季4位】

マルコ・シルバ(来季:スポルティング)

→ジョゼ・コウセイロ(前:ビトーリア・セツバル)

3年をかけてチームを劇的に進化させたマルコシルバ監督がスポルティングにヘッドハンティングされる。代わって指揮を採るのが、昨シーズンにセツバルを7位という、可もなく不可もない順位に導いたコウセイロ監督。2005年と2011年には、それぞれポルトとスポルティングを率いた経験があるものの、どちらも途中就任。その他の経歴を見る限りも、マルコシルバが築き上げたエストリル帝国を再び泥沼に陥れそうな危険な臭いのプンプンする監督である。

【ナシオナル 昨季5位】

マヌエル・マシャード(続投)

昨季5位の大躍進が認められ、来季末まで契約を延長。ELとリーグの両立を果たしたいところ。

【マリティモ 昨季6位】

ペドロ・マルティンス(来季:リオアベ)

→レオネル・ポンテス(現:ポルトガル代表アシスタントコーチ)

6位という好成績に満足せずに、新たに招聘したのが、現代表アシスタントコーチのポンテス氏。2005-09シーズンのスポルティング時代および、2010-14シーズンの代表チームにて、現代表監督パウロ・ベントのアシスタントコーチを務める、まさに右腕的存在。2009年のパウロ・ベント途中解任時に暫定監督を務めて以来のクラブチーム指揮が軌道に乗るか。

【ビトーリア・セツバル 昨季7位】

ジョゼ・コウセイロ(来季:エストリル)

ドミンゴス・パシエンシア

コウセイロをエストリルに放出したセツバルが来季を託すのは、ポルトの選手であったパシエンシア。ビラス・ボアス少年が、ボビーロブソン氏に彼の出場機会のなさを訴える手紙を送ったのは有名な逸話。2009-10シーズンはブラガを2位の好成績に導き、翌年10-11シーズンにはEL準優勝を果たすも、リーグ4位がまさかの成績不振とみなされて解任。このELの決勝では、大人に成長したビラス・ボアス監督率いるポルトと対戦するという運命的なシーズンを送った。2011-12シーズンにはスポルティングの監督に就任するも、再び4位に終わり1年で解任。ブラガでもスポルティングでも解任されたのは事実だが、決して悪い成績ではなかった。セツバルが来季の台風の目となることをここに予想する。

【アカデミカ 昨季8位】

セルジオ・コンセイサオン(来季:ブラガ)

→パウロ・セルジオ(前:アポエル)

【ブラガ 昨季9位】

ジョルジ・パイシャオン

→セルジオ・コンセイサオン(前:アカデミカ)

近年3強の牙城を崩し大注目を集めてきた新興クラブだが、今季は監督の途中交代もあり、まさかの9位という大不振に終わる。再起をかけて、同様の順位に終わったアカデミカからコンセイサオンを引き抜く。この選択が吉と出るか凶と出るか。勢いを取り戻し、欧州の舞台に返り咲きたいところである。

【ビトーリア・ギマラインス 昨季10位】

ルイ・ビトーリア(恐らく続投)

【リオアベ 昨季11位】

ヌーノ・エスピリト・サント(来季:バレンシア)

→ペドロ・マルティンス(前:マリティモ)

昨年シーズンは、リーグカップとポルトガルカップ、2つの国内カップで決勝に進出し、リーグ11位ながらも来季のEL出場権を獲得。その立役者であるエスピリト・サント監督が、さらなる野望を求めて退団。バレンシアの新監督に就任した(2014年7月3日)。後を継ぐのが昨シーズンマリティモを6位の好成績に導いたマルティンス監督。躍進のベースは整ったが、ELと国内リーグの両立が鍵となる。

【アロウカ 昨季12位】

ペドロ・エマヌエル(続投)

モウリーニョ監督時代に選手として、またビラスボアス監督時代にはアシスタントコーチとして、ポルトの黄金期を支えた青年監督。1年の契約延長を果たし、2人のレジェンドの後を追い、躍進を目指す。

【ジル・ビセンテ 昨季13位】

ジョアン・デ・デウス(恐らく続投)

【ベレネンセス 昨季14位】

リト・ビデガル(続投)

昨季途中に監督就任し、チームを降格から救ったビデガル監督が2015年まで契約を延長。

【パソス・デ・フェレイラ 昨季15位】

ジョルジ・コスタ(来季:ガボン代表)

→パウロ・フォンセッカ(前:ポルト)

前シーズン3位の大躍進を遂げるも、その立役者であるフォンセッカ監督と最優秀若手賞を受賞したジョズエを揃ってポルトに引き抜かれた影響もあり、CLとリーグにおいて共倒れ。プレーオフでなんとか1部残留を果たした。来季はポルトを解任されたフォンセッカ監督がチームに復帰。監督自身の名声を取り戻すためにも、昨年の再現を実現させたいところ。

 

以上、全15チームの監督大移動をまとめました。過半数以上の8チームが監督の交代に踏み切り、そのほとんどが上位チームとなった今年の監督交代。さらにその中でも、4名が1部チーム間の玉突き移籍であり、選手よりも監督の同行に注目している筆者にとっては、非常に興味深いリーグである。

来季の注目監督は

1.スポルティングのマルコシルバ監督が、世界の名将の仲間入りを果たすのか、それとも失墜するのか。個人的な注目ポイント第1位。

2.ロペテギ監督が、ポルトをスペイン化・復興させることができるのか。

3.エストリルのコウセイロ監督が、マルコシルバの遺産をボロボロにするのか。個人的な注目ポイント第3位。

4.セツバルのパシエンシア監督の躍進はあるのか。個人的な注目ポイント第2位。

5.コンセイサオン監督を招聘したブラガが復興を果たすのか。

 

この5点が、新監督たちに期待する個人的な注目ポイントである。

激動の監督大事変を終え、彼らが2014-15シーズンをどのように彩るのか、引き続き注目したい。