タグ別アーカイブ: レオナルド・ジャルディン

早くも激突するポルトガル人両指揮官。CLベスト16レベルの決戦を控えた記者会見を追う

『A BOLA』

今夜開催されるCLプレーオフ1回戦。注目は何と言ってもバレンシア対モナコの一戦だろう。ヌーノ・エスピリト・サントとレオナルド・ジャルディンの両ポルトガル人監督が率いる強豪クラブのどちらかが、CLの舞台に立つことさえ叶わず敗退することになる。決戦に先駆けて、両指揮官と代表選手が記者会見に応じた。

ファーストレグをホームのメスタージャ・スタジアムで戦うバレンシアのヌーノ・エスピリト・サント監督は勝利への意欲を語った。

「失点しないのが重要だ。ホームでの相手のアウェイゴールは決定的なものになる。しかし、我々はゴールを奪われないためにプレーすることはできない。ゴールを奪いにいかなくてはならない。とてもクオリティの高いチームが相手だろうとね。持てるものを全て出し尽くして戦う。チャンピオンズリーグに出場したいからだ」

かつてベンフィカの中心選手として活躍したバレンシアMFエンゾ・ペレスは、セカンドレグを見越した戦い方をする必要性を語った。

「この試合の重要性というものは分かっている。しかしこれは最初の90分だ。バレンシアとモナコに大きな差はない。どちらもとても良いチームだ。確実に言えることは、明日のメスタージャでの試合でCL出場が決まることはないということだろう」

一方のモナコは3名のポルトガル人を含む20選手を、敵地メスタージャ・スタジアムに送り込む。チームの重鎮リカルド・カルバーリョと、U-21欧州選手権ベストイレブンコンビのベルナルド・シウバとイバン・カバレイロの3選手にはポルトガル人も注目するだろう。

モナコを率いるレオナルド・ジャルディン監督も、敵将と同じくプレーオフ突破に向けて並々ならぬ意欲を見せた。

「我々の目標は、CLグループステージを戦うために、まずここを突破することだ。どちらか1チームだけが先に進めるが、それは我々の義務なのだ。攻守ともに良いシステムで戦い、結果を残すことができれば満足だ。このような重要な瞬間に、若手とベテランの両方を重宝するモナコのプロジェクトを強固なものにしなくてはならない」

チームの重鎮、36歳のポルトガル人CBリカルド・カルバーリョは、バレンシアを難しい相手としながらも、モナコがゴールを決められる自信を垣間見せた。

「メスタージャで戦うのは非常に難しい。バレンシアは良い選手が多く、ボールポゼッションを好むチームだ。しかし、我々も強固なチームだ。粘り強く守備をしてカウンターアタックで攻撃に転じることが必要だろう。アウェイゴールを奪うことができれば、我々にとっては素晴らしいことだ」

ポルトガル時代にしのぎを削ったエスピリト・サントとレオナルド・ジャルディン両監督。強豪クラブへ転籍し、CLをかけた重要な決戦で再び相見える。バレンシアは移籍騒動のオタメンディを招集外とし、モナコはジョアン・モウティーニョをケガで欠くなど、両チームともに看板選手が出場できない。ファーストレグは本日水曜日、現地時間19時45分よりバレンシアのホーム、メスタージャ・スタジアムで開催される。

©FutePor -ふとぽる-

【過去コラム再掲】「ポルトガル・ドリームチーム」を推し進める3クラブ

(※編集後記:ダニーロ・シウバのバレンシア移籍、イバン・カバレイロのモナコ移籍、ナニのフェネルバフチェ移籍は後日決定)

近年、ポルトガルリーグ出身者の世界的ブランドが急上昇している。議論の余地はあるものの、世界最高の選手はポルトガル人であり、世界最高の監督もポルトガル人、そして、世界最高の代理人すらもポルトガル人であるのだから、このような「ポルトガル・ブーム」は、至極当然の流れと言えよう。

ポルトガルリーグから世界へ羽ばたいた人材が 、期待に違わない活躍をしている事実もまた、この風潮を加速させている。ベンフィカでリーグMVPに輝いたマティッチは、すでにチェルシーには欠かせない、世界でも有数のプレーヤーに成長した。ブラジルワールドカップで得点王に輝き、名門レアルの10番として迎え入れられたポルト出身のハメス・ロドリゲスは、現在のフットボールシーンを代表する若手スター選手の1人である。他にも、ベンフィカからアトレティコの守護神となったオブラクや、バレンシアの躍進を支えたロドリゴやエンゾ・ペレスなど、例を挙げ出したらキリがないほどに、ポルトガルリーグ出身の選手たちが、世界各国で躍動している。

そんな中で、欧州の数カ国においてポルトガルリーグの出身者を掻き集めて、「ポルトガル・ドリームチーム」なるものを形成せんとしているクラブが存在している。スペインのバレンシア、フランスのモナコ、そしてトルコのフェネルバフチェである。これらクラブの共通点は2つ。まず、どのクラブもポルトガル人監督が指揮を執っていること。そして、強靭な財務基盤を武器に青田買いを実行していることである。特に、前者に関連して、世界最高の代理人であるジョルジ・メンデスの影響力は大きい。この敏腕代理人の傘下には、ポルトガルリーグ出身の監督と選手が数多く所属している。そのネットワークを活かし、各国のポルトガル人監督のもとへ有力なポルトガルリーグ出身選手を送り届けているのだ。

そこで今回は、「ポルトガル・ドリームチーム」の実現に挑む、スペイン、フランス、そしてトルコの3クラブに迫った。3クラブともに、将来有望な若手ポルトガル人監督が指揮を執っており、今後もチームのポルトガル化を推し進めると予想されるクラブである。

 

<スペイン>

バレンシア

・監督 : ヌーノ・エスピリト・サント(元リオ・アベ監督)

2つの国内カップ準優勝を置き土産にリオ・アベからバレンシアへ。新オーナーのピーター・リム氏とジョルジ・メンデスの繋がりは強固であり、その影響からバレンシアの監督に抜擢された。今季は、就任初年度ながらリーグ4位に輝き、高評価を受けた。

・ポルトガルリーグ出身の所属スター選手

ロドリゴ、アンドレ・ゴメス、エンゾ・ペレス(以上、元ベンフィカ)、オタメンディ(元ポルト)

リオ・アベ時代に手を焼いたポルトガルリーグのスター選手をベンフィカから強奪。おそらくリオ・アベ時代から自チームに欲していたのだろう。弱小クラブでは叶わず、豊富な資金力を誇るバレンシアに移籍したことで、彼らを指揮する夢を叶えた。

・獲得を狙うポルトガルリーグのスター選手

  1. ダニーロ・シウバ(ブラガ所属)

U-20ブラジル代表キャプテン。ユベントスも獲得を狙う。

  1. イスラム・スリマニ(スポルティング所属)

これまたリオ・アベ時代に手を焼いたセンターフォワード。スポルティングでは不動のエースストライカー。

 

<フランス>

モナコ

・監督 : レオナルド・ジャルディン(元スポルティング監督)

低迷していたスポルティングをリーグ2位に導き、モナコからヘッドハンティングされる。CLでもベスト8と躍進を果たし、その名を全世界に轟かせた。3チームの中では、最もポルトガル化推進の噂が強い。

・ポルトガルリーグ出身の所属スター選手

リカルド・カルバーリョ、ジョアン・モウティーニョ(以上、元ポルト)、ベルナルド・シウバ(元ベンフィカ)。かつては、ラダメル・ファルカオやハメス・ロドリゲスも所属(元ポルト)。

・獲得を狙うポルトガルリーグのスター選手

1. ウィリアン・カルバーリョ、アドリエン・シウバ、カルロス・マネ(スポルティング所属)

スポルティング時代に率いたチームの主軸を、こぞってモナコへ呼び寄せようと試みる。監督のアイディアを理解する中盤の2選手、すなわち、U-21欧州選手権でMVPに輝いたウィリアンとスポルティングの要アドリエンは、喉から手が出るほど欲しいことだろう。

  1. カルロス・エドゥアルド(ポルト所属)

ポルトからレンタルされたフランスのニースにて、2桁得点を記録。ポルトへ帰還予定だが、横奪を狙う。

  1. イバン・カバレイロ(ベンフィカ所属)

今季はベンフィカからデポルティボにレンタルされていた。U-21欧州選手権でベストイレブンに選ばれる活躍を見せた。獲得間近との噂も。

  1. バレンシアと同じく、ダニーロ・シウバと、スポルティング時代の教え子イスラム・スリマニも。

 

<トルコ>

フェネルバフチェ

・監督 : ビトール・ペレイラ(元ポルト監督)

ポルトで2年連続リーグ優勝、オリンピアコスでも就任1年目で王者に。もっと評価されても良さそうだが。来季からは、フェネルバフチェを率いる。

・ポルトガルリーグ出身の所属スター選手

ブルーノ・アウベス、ラウール・メイレレス(元ポルト)

ポルトガル代表を長らく支えた2枚看板。彼らもポルトガルリーグ出身選手の入団を望んでいることだろう。

・獲得を決めたポルトガルリーグの有力選手

ファビアーノ、アブドュライエ(元ポルト)

指揮官の古巣ポルトから、準レギュラー〜レギュラー格の2選手をレンタルで獲得。

・獲得を狙うポルトガルリーグのスター選手

ナニ(昨季スポルティング所属)、バレンシアとモナコと同じくイスラム・スリマニ(スポルティング)

特に、ナニは獲得間近とも。クアレスマの影響もあり、トルコではポルトガル人ウイングは高評価。

 

以上、ポルトガル人指揮官のもと、チームのポルトガルリーグ化を進める3チームを紹介した。それぞれの監督に、ポルトガル時代から目をつける選手がおり、資金力のあるチームへ移籍したことを引き金に、こぞって彼らの獲得に向かう様は実に興味深い。

今後も、バレンシア、モナコ、フェネルバフチェの3クラブの名前が、ポルトガルメディアを賑わすことが予想される。エスピリト・サント、レオナルド・ジャルディン、ビトール・ペレイラの3者が、どのような「ポルトガル・ドリームチーム」を組織していくのか。注意深く見守りたい。

【過去コラム再掲】ポルトガルリーグ13-14シーズン ベストイレブンとMVPを考えよう

2013-14シーズンのベストイレブン、MVP発表前に執筆した記事です。実際に選出されたものと比べながらお楽しみください。

———-

ポルトガルリーグ2013-14シーズンも残すところあと1節。今年は3連覇中のポルトがまさかのリーグ3位。ベンフィカの4年ぶりの優勝と、昨季7位スポルティングのリーグ2位への復活が印象的でした。もしシーズン前にこの結果を予想できた人がいれば、今すぐtotoを買いに行くことをオススメします。

今回は、シーズン終了前に発表するプレミアリーグにあやかり、「3強体制の復権」が目撃された今季のポルトガルリーグベストイレブン&MVPを大予想したいと思います。「予想」とは言っても評価点やらなんやらのデータは一切参考にしていませんし、本気で当てにいこうとは考えていません。あくまでも、筆者が3強の試合を中心に、シーズンを通して実際に見てきた試合の印象から選出する、主観でいっぱいのベストイレブン&MVPとなっていますが、お付き合いください。なお、王者ベンフィカの選手が気持ち少なめなのは、ポルトの試合と被ることが多く、あまり見られなかったためですので、悪しからず。。

 

《ベストイレブン》

【GK】

オブラク (ベンフィカ)

選考理由:理由を語るよりも、もう一人のGK、アルトゥール先生との比較データを見る方が、火を見るよりも明らか。(ボーラ紙4月20日号 データはベンフィカの優勝決定時)

先生→14試合12失点

オブラク→16試合3失点

ベンフィカがリーグ序盤につまずいたのは、間違いなく先生の責任であり、ポルトとのルスでのクラシコ以来グーンと調子を上げていったのは、オブラクの安定感のおかげでもあります。なお、スポルティングのルイ・パトリシオはポカの度が過ぎるので選外。

 

【DF】 3名

・ルイゾン (ベンフィカ)

選考理由:チャンピオンチームのキャプテンがベストイレブンに選出されないなんて可哀想!

・マルコスホーホ (スポルティング)

選出理由:個人的にポルトガルリーグNo.1センターバック。世界的希少種である左利きなのも◎

・マンガラ (ポルト)

選考理由:何試合も生で見てたらそりゃ情も移るよ。(※「ガライの方がいいだろ!」という意見のみ聞き入れます)

 

【MF】4名

・マルコビッチ (ベンフィカ)

選出理由:メッシを彷彿とさせるドリブルと、某お笑い芸人狩野○考さんを彷彿とさせるお顔は日本人にも馴染みが深い。

・ウィリアン・カルバーリョ (スポルティング)

選出理由:「ザ・ポルトガルリーグのアンカー」といった感じ。すでにポルトガルリーグのレベルは超越したか。

・フェルナンド (ポルト)

選出理由:崩壊したポルトの救世主。「タコ」というあだ名のセンスの良さも選考に大きく影響。

・アドリエン・シウバ (スポルティング)

選出理由:パス・ドリブル・シュート・イケメンの四拍子揃った、文句の付け所がないアタッカー。個人的にポルトガルリーグで1番好きな選手。

 

【FW】3名

・リマ (ベンフィカ)

選出理由:大事な試合での決定力が抜群。優勝を決めたオリャレンセ戦での2得点や、ELユベントス戦1legでの中距離弾丸決勝点などは記憶に新しい。

・ロドリゴ (ベンフィカ)

選出理由:同郷のリマと共に破壊力抜群のツートップを形成。ニコイチでベストイレブンにも選出。

・ジャクソン・マルティネス (ポルト)

選出理由:得点王。同クラブでは、数人のMFよりもパスセンスがあるという逆転現象すら起きた。

 

【惜しくも選外となった選手たち】

ベンフィカ

・エンゾペレス(MF)

選外理由:影の功労者タイプなので、筆者の中でその真価を確定するまでには、観戦数が及ばず。

・シケイラ(DF)

選外理由:ベストイレブンに相応しいパフォーマンスを見せた左サイドバック。しかし、筆者が4バックで考えたときに右サイドバックの人員に困ったというだけの理由で3バックへ変更したために、なんとも不幸な犠牲に。

 

スポルティング

・スレイマニ(FW)

選外理由:シーズン中盤にスタメンを奪取し、得点力不足に喘いでいたチームを上昇気流に乗せるも、リーグ得点王の壁は超えられず。

 

ポルト

・エウトン(GK)

選外理由:シーズンの4分の1を棒に振ったケガさえなければ…

・ダニーロ(DF)

選外理由:人材の少ない右サイドバックの第一候補だったが、ベストイレブンに値するほどのパフォーマンスは見せられず。彼の選外が筆者に3バックへの変更を強い、ひいてはシケイラの選外にも繋がった。

・クアレスマ(FW)

選外理由:おいたがすぎる

 

《MVP》

ウィリアン・カルバーリョ (スポルティング)

MVPにはスポルティングに所属するポルトガル代表のホープを選出。高身長、リーチの長さ、パスセンス、ボール奪取力、ポジショニングセンスなどなど、ポルトガルリーグではすでに反則レベル。おそらく正式に発表されるMVPも彼なんじゃないかと思います。ここは当てにいきます。

 

おまけ《最優秀監督》

レオナルド・ジャルディン (スポルティング)

スポルティングの近年の不調から3強体制の終焉かと囁かれ、昨季の7位という成績は決定的であった。しかし、多くの人の期待をいい意味で裏切る手腕にはお見事の一言。クラブの会長がベンチに座るという、監督としては避けたい最悪な環境に毎試合置かれ、アラフォー とは思えないほど老け込んだお顔をしているのもそのストレスのためであろう。そんな、クラブ内外からのプレッシャーが厳しい環境に置かれても、120%の実力を出せるのは本物の名監督たる所以。ちなみに彼のインタビューはポルトガル語の勉強にももってこいです。

melhoronze2013-14

いかがでしたか。

ポルトガルサッカーファンの方からすれば、なんであの選手が入ってないんだとか、バランスが悪過ぎんだろとかいろいろ言いたいことがあるかと思いますが、それは心の中にとどめておいてもらえれば幸いです。逆にバランスのとれたベストイレブンがこの世に存在していたら、ぜひ教えてください。それから皆さんのベストイレブンも教えていただけると、このようなドリームチームものが大好物な筆者は大変喜びます。

この中から少しでも多くの選手が、正式なベストイレブンに選出されて、筆者の好みが間違っていなかったと証明されれば喜ばしい限りです。

次回は3強以外のチームからも選出できるようにポルトガルリーグの観戦を続けていきたいと思う所存です。

【過去コラム再掲】2014-15ポルトガルリーグ激動の監督大移動

2014-15シーズン開幕前に執筆した記事です。ポルトガルリーグの監督を大まかに把握するのにお使いください。

———-

ベンフィカの国内3冠と共に幕を下ろしたポルトガルリーグ2013-14シーズン。次なる14-15シーズンの開幕に向け、早くもそれぞれのクラブがチームの改革に着手し、まず手始めに監督の確定に奔走している。

このオフシーズンに多くのチームが監督交代に踏み切った。そこで今回は、昨シーズンから引き続き1部リーグで戦う15チームの監督交代事情、そして来シーズンの注目監督についてまとめてみた。

 

【ベンフィカ 昨季1位】

ジョルジ・ジェズス(続投)

昨シーズン、国内3冠とEL準優勝という前人未到の記録を打ちたて、名実ともに名監督の仲間入りを果たした知将。先日、バレンシアやミランなど強豪クラブからの監督要請を断り、残り1年の契約を全うすることを発表。全てを勝ち取ったあとの続投という、困難極める道を選んだ名将の来季に多くの注目が集まる。

【スポルティング 昨季2位】

レオナルド・ジャルディン(来季:モナコ)

→マルコ・シルバ(前:エストリル)

就任1年目にして、前シーズン7位に沈んだスポルティングを2位へと復活させたジャルディン監督が、1年で早くも退団。後を継ぐのはポルトガルリーグで最も注目を集める若手監督マルコシルバ。

2011年にエストリルで現役引退すると、そのままクラブの監督へ就任。1年目で2部優勝を果たし、勢いそのまま2年目で1部5位、3年目の昨季は1部4位と、弱小クラブのエストリルをたった3年間で強豪チームへと押し上げた。来季は念願のビッククラブ指揮となるが、彼の監督人生を左右する1年となるのは間違いない。弱小パソスを3位に押し上げてポルトの監督に就任するも、途中解任されたパウロ・フォンセッカコースを辿るのか、はたまた、アカデミカを降格から救いポルトの監督1年目で全てを勝ち取り世界に羽ばたいたビラス・ボアスコースを辿るのか。その分岐点となるのが1年目の来季である。

【ポルト 昨季3位】

ルイス・カストロ(来季:ポルトB)

→フレン・ロペテギ(前:スペインU-21代表)

リーグ4連覇を目指しチームの舵取りを任せたのは、前シーズンに弱小のパソスを3位に導いた青年監督パウロ・フォンセッカ。しかし、チームは不振を極めて監督を途中解任。内部昇格で暫定指揮を採ったルイス・カストロ元Bチーム監督も状況を好転できずに屈辱のリーグ3位に終わる。再起をかけて敏腕会長が選んだのは、スペインU-19とU-21代表で世界一に輝いたロペテギ監督。早くも監督の意向で若手スペイン人選手の獲得に動くなど、来シーズンはチームのスペイン化が予想される。クラブが多く抱えるメキシコ人やコロンビア人も重宝されることであろう。

【エストリル 昨季4位】

マルコ・シルバ(来季:スポルティング)

→ジョゼ・コウセイロ(前:ビトーリア・セツバル)

3年をかけてチームを劇的に進化させたマルコシルバ監督がスポルティングにヘッドハンティングされる。代わって指揮を採るのが、昨シーズンにセツバルを7位という、可もなく不可もない順位に導いたコウセイロ監督。2005年と2011年には、それぞれポルトとスポルティングを率いた経験があるものの、どちらも途中就任。その他の経歴を見る限りも、マルコシルバが築き上げたエストリル帝国を再び泥沼に陥れそうな危険な臭いのプンプンする監督である。

【ナシオナル 昨季5位】

マヌエル・マシャード(続投)

昨季5位の大躍進が認められ、来季末まで契約を延長。ELとリーグの両立を果たしたいところ。

【マリティモ 昨季6位】

ペドロ・マルティンス(来季:リオアベ)

→レオネル・ポンテス(現:ポルトガル代表アシスタントコーチ)

6位という好成績に満足せずに、新たに招聘したのが、現代表アシスタントコーチのポンテス氏。2005-09シーズンのスポルティング時代および、2010-14シーズンの代表チームにて、現代表監督パウロ・ベントのアシスタントコーチを務める、まさに右腕的存在。2009年のパウロ・ベント途中解任時に暫定監督を務めて以来のクラブチーム指揮が軌道に乗るか。

【ビトーリア・セツバル 昨季7位】

ジョゼ・コウセイロ(来季:エストリル)

→ドミンゴス・パシエンシア

コウセイロをエストリルに放出したセツバルが来季を託すのは、ポルトの選手であったパシエンシア。ビラス・ボアス少年が、ボビーロブソン氏に彼の出場機会のなさを訴える手紙を送ったのは有名な逸話。2009-10シーズンはブラガを2位の好成績に導き、翌年10-11シーズンにはEL準優勝を果たすも、リーグ4位がまさかの成績不振とみなされて解任。このELの決勝では、大人に成長したビラス・ボアス監督率いるポルトと対戦するという運命的なシーズンを送った。2011-12シーズンにはスポルティングの監督に就任するも、再び4位に終わり1年で解任。ブラガでもスポルティングでも解任されたのは事実だが、決して悪い成績ではなかった。セツバルが来季の台風の目となることをここに予想する。

【アカデミカ 昨季8位】

セルジオ・コンセイサオン(来季:ブラガ)

→パウロ・セルジオ(前:アポエル)

【ブラガ 昨季9位】

ジョルジ・パイシャオン

→セルジオ・コンセイサオン(前:アカデミカ)

近年3強の牙城を崩し大注目を集めてきた新興クラブだが、今季は監督の途中交代もあり、まさかの9位という大不振に終わる。再起をかけて、同様の順位に終わったアカデミカからコンセイサオンを引き抜く。この選択が吉と出るか凶と出るか。勢いを取り戻し、欧州の舞台に返り咲きたいところである。

【ビトーリア・ギマラインス 昨季10位】

ルイ・ビトーリア(恐らく続投)

【リオアベ 昨季11位】

ヌーノ・エスピリト・サント(来季:バレンシア)

→ペドロ・マルティンス(前:マリティモ)

昨年シーズンは、リーグカップとポルトガルカップ、2つの国内カップで決勝に進出し、リーグ11位ながらも来季のEL出場権を獲得。その立役者であるエスピリト・サント監督が、さらなる野望を求めて退団。バレンシアの新監督に就任した(2014年7月3日)。後を継ぐのが昨シーズンマリティモを6位の好成績に導いたマルティンス監督。躍進のベースは整ったが、ELと国内リーグの両立が鍵となる。

【アロウカ 昨季12位】

ペドロ・エマヌエル(続投)

モウリーニョ監督時代に選手として、またビラスボアス監督時代にはアシスタントコーチとして、ポルトの黄金期を支えた青年監督。1年の契約延長を果たし、2人のレジェンドの後を追い、躍進を目指す。

【ジル・ビセンテ 昨季13位】

ジョアン・デ・デウス(恐らく続投)

【ベレネンセス 昨季14位】

リト・ビデガル(続投)

昨季途中に監督就任し、チームを降格から救ったビデガル監督が2015年まで契約を延長。

【パソス・デ・フェレイラ 昨季15位】

ジョルジ・コスタ(来季:ガボン代表)

→パウロ・フォンセッカ(前:ポルト)

前シーズン3位の大躍進を遂げるも、その立役者であるフォンセッカ監督と最優秀若手賞を受賞したジョズエを揃ってポルトに引き抜かれた影響もあり、CLとリーグにおいて共倒れ。プレーオフでなんとか1部残留を果たした。来季はポルトを解任されたフォンセッカ監督がチームに復帰。監督自身の名声を取り戻すためにも、昨年の再現を実現させたいところ。

 

以上、全15チームの監督大移動をまとめました。過半数以上の8チームが監督の交代に踏み切り、そのほとんどが上位チームとなった今年の監督交代。さらにその中でも、4名が1部チーム間の玉突き移籍であり、選手よりも監督の同行に注目している筆者にとっては、非常に興味深いリーグである。

来季の注目監督は

1.スポルティングのマルコシルバ監督が、世界の名将の仲間入りを果たすのか、それとも失墜するのか。個人的な注目ポイント第1位。

2.ロペテギ監督が、ポルトをスペイン化・復興させることができるのか。

3.エストリルのコウセイロ監督が、マルコシルバの遺産をボロボロにするのか。個人的な注目ポイント第3位。

4.セツバルのパシエンシア監督の躍進はあるのか。個人的な注目ポイント第2位。

5.コンセイサオン監督を招聘したブラガが復興を果たすのか。

 

この5点が、新監督たちに期待する個人的な注目ポイントである。

激動の監督大事変を終え、彼らが2014-15シーズンをどのように彩るのか、引き続き注目したい。