【保存版】21-22季、ポルトガル1部全18チームの監督人事を紹介

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メインスポンサーの変更により、新たに「Liga Portugal bwin」へと名称が変わるポルトガル1部リーグ。若き名将に率いられたスポルティングが約20年ぶりにリーグ王者に輝くなど新時代の到来が予感される中、いよいよ2021-22シーズンが開幕する。

今季も例の如く、ポルトガル1部全18チームの監督人事をご紹介する。ちなみに、例年はシーズン途中またはオフシーズン問わず監督交代が多いが、今季は18チーム中14チームが昨季からの監督を継続する珍しい1年となる。是非とも日本で唯一のポルトガルリーグ監督名鑑として、新シーズンのお供にご活用いただきたい。

1位:スポルティング ルーベン・アモリン

ルーベン・アモリン(続投)

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トップチーム監督として初めてフルシーズンを戦った2020-21シーズン。前年のブラガ監督時代から名将としてのポテンシャルの片鱗を見せつつあった元名選手は、ついにクラブの歴史を塗り替える偉業を成し遂げた。スポルティングにとって、2001-02シーズン以来となるリーグ優勝。「ポルトガルの3強」と称されながら、クラブが約20年間待ちわびたリーグタイトルを、36歳の青年監督が奪還した。優勝決定後、リーグ残り2試合のタイミングで宿敵ベンフィカに敗れて無敗優勝とはならなかったが、それまでに記録した「32試合無敗」の記録は、リーグの過去最多レコード。16チーム・30ゲームで争われていたかつてのコンペティションで、ポルトを無敗優勝に導いたアンドレ・ビラス・ボアスやビトール・ペレイラらが保持していた「30試合無敗」の記録を塗り替え、スポルティングのみならずポルトガルリーグの歴史にもその名を刻んだ。

チームの中心を担ったジョアン・マリオのベンフィカ移籍など、痛恨の選手退団はあったものの、チーム編成は今季も磐石。昨季のように、名門スポルティング・アカデミー出身選手を育成しながら、リーグ連覇とCLでの躍進を成し遂げ、次世代の名将としての世界的な評価を確固たるものにしたい。

2位:ポルト セルジオ・コンセイサオン

セルジオ・コンセイサオン(続投)

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後半戦に追い上げを見せたものの、スポルティングに勝ち点5差でリーグタイトルを譲り連覇とはならず。オフシーズンには監督自身にも、インテルやナポリ、エバートンにウルバーハンプトンなど、各国ビッグクラブへの監督就任の噂が報じられたが、結果的にポルトと3年の契約延長を果たした。

リーグタイトルの奪還と、王者チェルシー相手にベスト8で敗退したCLへの再挑戦へ。ローマとのトレーニングマッチではかつての師ジョゼ・モウリーニョと再会を果たし、監督自身も英気は十分だ。

3位:ベンフィカ ジョルジ・ジェズス

ジョルジ・ジェズス(続投)

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昨季は、勝ち点85のスポルティングと同80のポルトと比較し同76と、優勝争いから一歩離脱していた感は否めない。ポルトガルカップでも、ブラガ相手に2-0の完敗を喫し、シーズン無冠。しまいには、オフシーズンにクラブ会長ルイス・フィリペ・ビエイラ氏が脱税容疑で逮捕され、クラブ会長職を解かれる始末。

悪いニュースばかりが報じられる中でも、唯一の光明は副会長であった元ポルトガル代表のレジェンド、ルイ・コスタ氏の新会長就任だろう。テクニカル・ダイレクター時代から信頼を寄せるジョルジ・ジェズス監督については、「昨季はクラブとしてうまくいかなかったが、彼は偉大な成功をしてきた監督」と、その絶大な信頼は揺るがない。若き新会長と老将、国内屈指の2人のカリスマが先頭に立ち、リーグタイトルの奪還を狙う。

4位:ブラガ カルロス・カルバリャウ

カルロス・カルバリャウ(続投)

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ポルトガルリーグ4位、ポルトガルカップ優勝、リーグカップ準優勝、ヨーロッパリーグ32強。勝ち取ったタイトルは1つだが、監督就任1年目にしては十分すぎる成績を残した。狙うはクラブにとって2シーズンぶりとなるリーグ3位以上。就任2年目となる今季は、「出来過ぎ」な昨季を上回る成績を期待したい。

5位:パソス・デ・フェレイラ ジョルジ・シマオン

ペパ(今季:ビトーリア・ギマラインス)

→ジョルジ・シマオン(前:REムスクロン)

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前年13位のパソスを昨季リーグ5位まで導いたペパは、その成績を評価され、1年で強豪ビトーリア・ギマラインスに引き抜かれることに。

新たに監督就任したジョルジ・シマオンにとって、パソスは2015-16シーズンにリーグ7位となり自身の名声を高めるきっかけとなったクラブ。前回のパソス退任後、自身初めて率いたビッグクラブであるブラガ時代こそ振るわなかったが、古巣で名誉挽回を図る。

6位:サンタ・クラーラ ダニエル・ラモス

ダニエル・ラモス(続投)

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シーズン途中に加入した日本代表MF守田英正や、3強以外から唯一ベストイレブンに選ばれたFWカルロス・ジュニオールらタレントを揃え、新設されたカンファレンス・リーグへの出場権を獲得。ダニエル・ラモスは、クラブ史上初めてヨーロッパ大会に挑戦する監督となった。昨季以上の成績を残すことは簡単ではないが、今季もリーグを席巻するダークホース候補の筆頭だ。

7位:ビトーリア・ギマラインス ペパ

モレーノ(今季:未定)

→ペパ(前:パソス・デ・フェレイラ)

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クラブへの不信感を理由に、わずか開幕3試合で辞任したかつての名選手ティアゴ・メンデスの監督交代を機に泥沼のシーズンへ。その後、ジョアン・エンリケス、ビノ・マサエンス、シーズン末までの暫定監督モレーノと、1シーズンに計4人もの監督を取っ替え引っ替えし、目標であった欧州の舞台には辿り着かず。

悲願の上位進出へ。クラブは昨季パソスを5位に躍進させたペパを招聘。異例とも言える3年の長期契約は、その期待の表れだろう。40歳の節目で迎える新シーズン、ペパにとってもキャリア初のビッグクラブであり、自身最大の挑戦となる。トンデーラでの3年間ではクラブ史上最高となる11位、昨季はパソスで自身最高となる5位を達成している。自分自身の成績を超えることが、途中解任されず3年の契約を全うするためには必須条件となるだろう。

8位:モレイレンセ ジョアン・エンリケス

バスコ・セアブラ(今季:未定)

→ジョアン・エンリケス(前:ビトーリア・ギマラインス)

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昨季は、リカルド・ソアレス、セーザル・ペイショット、バスコ・セアブラと3人の監督交代を行いながらも中位に踏み止まる。今季は、新たにジョアン・エンリケスと単年契約を締結した。同監督は、昨季大躍進を遂げたサンタ・クラーラの1部リーグでの礎を築いた人物。ギマラインスというビッグクラブでの挑戦は道半ばで終わったが、心新たに中位クラブで再起を図る。

9位:ファマリカオン イボ・ビエイラ

イボ・ビエイラ(続投)

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前年に1部昇格初年度ながら6位とリーグを席巻したファマリカオン。しかし、昨季は開幕から降格圏に沈み、クラブは英雄となったジョアン・ペドロ・ソウザの解任をやむ無く決断。後任となった名ピンチヒッターのジョルジ・シラスは、例の如く結果を残せず、6試合を率いて1勝2分3敗でまたも監督交代。最終的には、イボ・ビエイラのもと無事に残留を決めた。

クラブは、驚異の追い上げを見せ、チームを9位まで導いた同監督と、2023年まで契約を延長。今季こそリーグ6位の奇跡を上回る結果を残せるか。

10位:ベレネンセス プティ

プティ(続投)

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前年の15位から順位を上げたプティは、昨季の最終節ポルト戦を控えた記者会見で、新シーズンの続投を名言。「ここで幸せだし、自分の仕事が評価されていると感じる」とクラブへの忠誠を語った。ベレネンセスでは3年目を迎え、自身にとって3部リーグを中心に戦った2012-16のボアビスタ時代以来となる長期政権に。今年こそは目立つ結果を残し、監督として一皮剥けたい。

11位:ジウ・ビセンテ リカルド・ソアレス

リカルド・ソアレス(続投)

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チームは昨季、新型コロナウイルスのクラスター騒動から新シーズンを迎えた。加えて、9月にはゼネラルダイレクターであるディト氏、11月には前任監督ビトール・オリベイラ氏が立て続けに急死し、普通ではない精神状態で前半戦を戦った。そのような背景もあってか、ルイ・アウメイダは、自ら志したポゼッションサッカーが実現しないまま監督の職を解かれ、チームはリカルド・ソアレス新監督のもと現実的なスタイルで残留を果たした。

それでもやはり、クラブが目指すのは魅力的なポゼッションサッカーだろう。その姿勢の表れとして、東京ヴェルディから期限付き移籍の延長を果たした藤本寛也にチームの10番を託した。今季こそはクラブが標榜するスタイルを1年間貫き通し、上位進出を狙いたい。

12位:トンデーラ パコ・アジェスタラン

パコ・アジェスタラン(続投)

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前年の14位から12位へと順位をわずかに上げたスペイン人監督が今季もチームを指揮。今年も残留を目指して長いシーズンを戦う。

13位:ボアビスタ ジョアン・ペドロ・ソウザ

ジェズアウド・フェレイラ(来季:未定)

→ジョアン・ペドロ・ソウザ(前:ファマリカオン)

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37歳の青年監督バスコ・セアブラから74歳の老将ジェズアウド・フェレイラへ。監督の年齢が倍増するほどの大転換を図り、昨季は何とか残留を手にした。

クラブは確固たるスタイルを築くべく、新たにジョアン・ペドロ・ソウザと2年契約を締結。リーグ6位の奇跡を起こしたファマリカオン時代のように、GKから丁寧にボールを繋ぎ相手を崩すスタイルをボアビスタに植え付け、古豪クラブの復活とともに監督自身の名誉挽回も図る。

14位:ポルティモネンセ パウロ・セルジオ

パウロ・セルジオ(続投)

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2019-20シーズンは数字上2部に降格しながら、他チームのライセンス不備により残留する幸運に恵まれた。昨2020-21シーズンはしっかりと実力で残留を手にし、今季も無事に1部リーグを戦う。日本でも著名なクラブではあるが、昨季は3名所属していた日本人も、今や1人に(権田修一が清水エスパルスに、安西幸輝が鹿島アントラーズにそれぞれ移籍)。唯一の日本人プレイヤーとして、中村航輔は今年こそパウロ・セルジオ監督を納得させ、正GKのポジションを奪取したい。

15位:マリティモ フリオ・ベラスケス

フリオ・ベラスケス(続投)

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途中解任されたリト・ビディガルと暫定監督ミウトン・メンデスを経て、39歳のスペイン人監督フリオ・ベラスケスが、何とか残留を果たす。同じマデイラ島のクラブであるナシオナルは昨季最下位で2部に降格。後を追うようなことがないよう、今季も残留を目標にリーグを戦う。

2部1位:エストリル ブルーノ・ピニェイロ

ブルーノ・ピニェイロ(続投)

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2011-12シーズンにマルコ・シウバ(現フルハム監督)が達成して以来9シーズンぶりに、クラブに2部優勝のタイトルをもたらした。2017-18シーズン以来となる1部リーグへ。マルコ・シウバは、昇格初年度にリーグ5位、翌年に4位と並外れた結果を残し、海外でも名の知れたポルトガル人監督となった。ブルーノ・ピニェイロも、この英雄の足跡を辿れるか。

2部2位:ビゼーラ アウバロ・パシェコ

アウバロ・パシェコ(続投)

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3部に所属していたチームを2部に昇格させ、わずか1年でさらに1部まで引き上げたアウバロ・パシェコ。昨季の2部リーグ最優秀監督に対し、クラブはさらに2年間の契約延長を提示した。クラブにとって、実に36年ぶりとなる1部リーグへの歴史的な挑戦。「パシェコの奇跡」は続くか。

2部3位:アロウカ アルマンド・エバンジェリスタ

アルマンド・エバンジェリスタ(続投)

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昇格プレーオフでは、1部16位のリオ・アベを2戦合計5-0で圧倒。昨季は不調に陥ったポルトガル屈指の名門クラブを引きずり下ろし、2016-17シーズン以来となる1部復帰を果たした。

かつては1部に複数年所属していながら、その後わずか2年で3部まで転落していたアロウカ。しかし、ビゼーラと同様に、3部から最短2年で1部に昇格する快挙を成し遂げることに。2部から1年での昇格の立役者となったアルマンド・エバンジェリスタが、今季もチームの指揮を執る。