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【保存版】21-22季、ポルトガル1部全18チームの監督人事を紹介

メインスポンサーの変更により、新たに「Liga Portugal bwin」へと名称が変わるポルトガル1部リーグ。若き名将に率いられたスポルティングが約20年ぶりにリーグ王者に輝くなど新時代の到来が予感される中、いよいよ2021-22シーズンが開幕する。

今季も例の如く、ポルトガル1部全18チームの監督人事をご紹介する。ちなみに、例年はシーズン途中またはオフシーズン問わず監督交代が多いが、今季は18チーム中14チームが昨季からの監督を継続する珍しい1年となる。是非とも日本で唯一のポルトガルリーグ監督名鑑として、新シーズンのお供にご活用いただきたい。

1位:スポルティング ルーベン・アモリン

ルーベン・アモリン(続投)

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トップチーム監督として初めてフルシーズンを戦った2020-21シーズン。前年のブラガ監督時代から名将としてのポテンシャルの片鱗を見せつつあった元名選手は、ついにクラブの歴史を塗り替える偉業を成し遂げた。スポルティングにとって、2001-02シーズン以来となるリーグ優勝。「ポルトガルの3強」と称されながら、クラブが約20年間待ちわびたリーグタイトルを、36歳の青年監督が奪還した。優勝決定後、リーグ残り2試合のタイミングで宿敵ベンフィカに敗れて無敗優勝とはならなかったが、それまでに記録した「32試合無敗」の記録は、リーグの過去最多レコード。16チーム・30ゲームで争われていたかつてのコンペティションで、ポルトを無敗優勝に導いたアンドレ・ビラス・ボアスやビトール・ペレイラらが保持していた「30試合無敗」の記録を塗り替え、スポルティングのみならずポルトガルリーグの歴史にもその名を刻んだ。

チームの中心を担ったジョアン・マリオのベンフィカ移籍など、痛恨の選手退団はあったものの、チーム編成は今季も磐石。昨季のように、名門スポルティング・アカデミー出身選手を育成しながら、リーグ連覇とCLでの躍進を成し遂げ、次世代の名将としての世界的な評価を確固たるものにしたい。

2位:ポルト セルジオ・コンセイサオン

セルジオ・コンセイサオン(続投)

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後半戦に追い上げを見せたものの、スポルティングに勝ち点5差でリーグタイトルを譲り連覇とはならず。オフシーズンには監督自身にも、インテルやナポリ、エバートンにウルバーハンプトンなど、各国ビッグクラブへの監督就任の噂が報じられたが、結果的にポルトと3年の契約延長を果たした。

リーグタイトルの奪還と、王者チェルシー相手にベスト8で敗退したCLへの再挑戦へ。ローマとのトレーニングマッチではかつての師ジョゼ・モウリーニョと再会を果たし、監督自身も英気は十分だ。

3位:ベンフィカ ジョルジ・ジェズス

ジョルジ・ジェズス(続投)

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昨季は、勝ち点85のスポルティングと同80のポルトと比較し同76と、優勝争いから一歩離脱していた感は否めない。ポルトガルカップでも、ブラガ相手に2-0の完敗を喫し、シーズン無冠。しまいには、オフシーズンにクラブ会長ルイス・フィリペ・ビエイラ氏が脱税容疑で逮捕され、クラブ会長職を解かれる始末。

悪いニュースばかりが報じられる中でも、唯一の光明は副会長であった元ポルトガル代表のレジェンド、ルイ・コスタ氏の新会長就任だろう。テクニカル・ダイレクター時代から信頼を寄せるジョルジ・ジェズス監督については、「昨季はクラブとしてうまくいかなかったが、彼は偉大な成功をしてきた監督」と、その絶大な信頼は揺るがない。若き新会長と老将、国内屈指の2人のカリスマが先頭に立ち、リーグタイトルの奪還を狙う。

4位:ブラガ カルロス・カルバリャウ

カルロス・カルバリャウ(続投)

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ポルトガルリーグ4位、ポルトガルカップ優勝、リーグカップ準優勝、ヨーロッパリーグ32強。勝ち取ったタイトルは1つだが、監督就任1年目にしては十分すぎる成績を残した。狙うはクラブにとって2シーズンぶりとなるリーグ3位以上。就任2年目となる今季は、「出来過ぎ」な昨季を上回る成績を期待したい。

5位:パソス・デ・フェレイラ ジョルジ・シマオン

ペパ(今季:ビトーリア・ギマラインス)

→ジョルジ・シマオン(前:REムスクロン)

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前年13位のパソスを昨季リーグ5位まで導いたペパは、その成績を評価され、1年で強豪ビトーリア・ギマラインスに引き抜かれることに。

新たに監督就任したジョルジ・シマオンにとって、パソスは2015-16シーズンにリーグ7位となり自身の名声を高めるきっかけとなったクラブ。前回のパソス退任後、自身初めて率いたビッグクラブであるブラガ時代こそ振るわなかったが、古巣で名誉挽回を図る。

6位:サンタ・クラーラ ダニエル・ラモス

ダニエル・ラモス(続投)

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シーズン途中に加入した日本代表MF守田英正や、3強以外から唯一ベストイレブンに選ばれたFWカルロス・ジュニオールらタレントを揃え、新設されたカンファレンス・リーグへの出場権を獲得。ダニエル・ラモスは、クラブ史上初めてヨーロッパ大会に挑戦する監督となった。昨季以上の成績を残すことは簡単ではないが、今季もリーグを席巻するダークホース候補の筆頭だ。

7位:ビトーリア・ギマラインス ペパ

モレーノ(今季:未定)

→ペパ(前:パソス・デ・フェレイラ)

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クラブへの不信感を理由に、わずか開幕3試合で辞任したかつての名選手ティアゴ・メンデスの監督交代を機に泥沼のシーズンへ。その後、ジョアン・エンリケス、ビノ・マサエンス、シーズン末までの暫定監督モレーノと、1シーズンに計4人もの監督を取っ替え引っ替えし、目標であった欧州の舞台には辿り着かず。

悲願の上位進出へ。クラブは昨季パソスを5位に躍進させたペパを招聘。異例とも言える3年の長期契約は、その期待の表れだろう。40歳の節目で迎える新シーズン、ペパにとってもキャリア初のビッグクラブであり、自身最大の挑戦となる。トンデーラでの3年間ではクラブ史上最高となる11位、昨季はパソスで自身最高となる5位を達成している。自分自身の成績を超えることが、途中解任されず3年の契約を全うするためには必須条件となるだろう。

8位:モレイレンセ ジョアン・エンリケス

バスコ・セアブラ(今季:未定)

→ジョアン・エンリケス(前:ビトーリア・ギマラインス)

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昨季は、リカルド・ソアレス、セーザル・ペイショット、バスコ・セアブラと3人の監督交代を行いながらも中位に踏み止まる。今季は、新たにジョアン・エンリケスと単年契約を締結した。同監督は、昨季大躍進を遂げたサンタ・クラーラの1部リーグでの礎を築いた人物。ギマラインスというビッグクラブでの挑戦は道半ばで終わったが、心新たに中位クラブで再起を図る。

9位:ファマリカオン イボ・ビエイラ

イボ・ビエイラ(続投)

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前年に1部昇格初年度ながら6位とリーグを席巻したファマリカオン。しかし、昨季は開幕から降格圏に沈み、クラブは英雄となったジョアン・ペドロ・ソウザの解任をやむ無く決断。後任となった名ピンチヒッターのジョルジ・シラスは、例の如く結果を残せず、6試合を率いて1勝2分3敗でまたも監督交代。最終的には、イボ・ビエイラのもと無事に残留を決めた。

クラブは、驚異の追い上げを見せ、チームを9位まで導いた同監督と、2023年まで契約を延長。今季こそリーグ6位の奇跡を上回る結果を残せるか。

10位:ベレネンセス プティ

プティ(続投)

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前年の15位から順位を上げたプティは、昨季の最終節ポルト戦を控えた記者会見で、新シーズンの続投を名言。「ここで幸せだし、自分の仕事が評価されていると感じる」とクラブへの忠誠を語った。ベレネンセスでは3年目を迎え、自身にとって3部リーグを中心に戦った2012-16のボアビスタ時代以来となる長期政権に。今年こそは目立つ結果を残し、監督として一皮剥けたい。

11位:ジウ・ビセンテ リカルド・ソアレス

リカルド・ソアレス(続投)

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チームは昨季、新型コロナウイルスのクラスター騒動から新シーズンを迎えた。加えて、9月にはゼネラルダイレクターであるディト氏、11月には前任監督ビトール・オリベイラ氏が立て続けに急死し、普通ではない精神状態で前半戦を戦った。そのような背景もあってか、ルイ・アウメイダは、自ら志したポゼッションサッカーが実現しないまま監督の職を解かれ、チームはリカルド・ソアレス新監督のもと現実的なスタイルで残留を果たした。

それでもやはり、クラブが目指すのは魅力的なポゼッションサッカーだろう。その姿勢の表れとして、東京ヴェルディから期限付き移籍の延長を果たした藤本寛也にチームの10番を託した。今季こそはクラブが標榜するスタイルを1年間貫き通し、上位進出を狙いたい。

12位:トンデーラ パコ・アジェスタラン

パコ・アジェスタラン(続投)

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前年の14位から12位へと順位をわずかに上げたスペイン人監督が今季もチームを指揮。今年も残留を目指して長いシーズンを戦う。

13位:ボアビスタ ジョアン・ペドロ・ソウザ

ジェズアウド・フェレイラ(来季:未定)

→ジョアン・ペドロ・ソウザ(前:ファマリカオン)

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37歳の青年監督バスコ・セアブラから74歳の老将ジェズアウド・フェレイラへ。監督の年齢が倍増するほどの大転換を図り、昨季は何とか残留を手にした。

クラブは確固たるスタイルを築くべく、新たにジョアン・ペドロ・ソウザと2年契約を締結。リーグ6位の奇跡を起こしたファマリカオン時代のように、GKから丁寧にボールを繋ぎ相手を崩すスタイルをボアビスタに植え付け、古豪クラブの復活とともに監督自身の名誉挽回も図る。

14位:ポルティモネンセ パウロ・セルジオ

パウロ・セルジオ(続投)

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2019-20シーズンは数字上2部に降格しながら、他チームのライセンス不備により残留する幸運に恵まれた。昨2020-21シーズンはしっかりと実力で残留を手にし、今季も無事に1部リーグを戦う。日本でも著名なクラブではあるが、昨季は3名所属していた日本人も、今や1人に(権田修一が清水エスパルスに、安西幸輝が鹿島アントラーズにそれぞれ移籍)。唯一の日本人プレイヤーとして、中村航輔は今年こそパウロ・セルジオ監督を納得させ、正GKのポジションを奪取したい。

15位:マリティモ フリオ・ベラスケス

フリオ・ベラスケス(続投)

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途中解任されたリト・ビディガルと暫定監督ミウトン・メンデスを経て、39歳のスペイン人監督フリオ・ベラスケスが、何とか残留を果たす。同じマデイラ島のクラブであるナシオナルは昨季最下位で2部に降格。後を追うようなことがないよう、今季も残留を目標にリーグを戦う。

2部1位:エストリル ブルーノ・ピニェイロ

ブルーノ・ピニェイロ(続投)

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2011-12シーズンにマルコ・シウバ(現フルハム監督)が達成して以来9シーズンぶりに、クラブに2部優勝のタイトルをもたらした。2017-18シーズン以来となる1部リーグへ。マルコ・シウバは、昇格初年度にリーグ5位、翌年に4位と並外れた結果を残し、海外でも名の知れたポルトガル人監督となった。ブルーノ・ピニェイロも、この英雄の足跡を辿れるか。

2部2位:ビゼーラ アウバロ・パシェコ

アウバロ・パシェコ(続投)

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3部に所属していたチームを2部に昇格させ、わずか1年でさらに1部まで引き上げたアウバロ・パシェコ。昨季の2部リーグ最優秀監督に対し、クラブはさらに2年間の契約延長を提示した。クラブにとって、実に36年ぶりとなる1部リーグへの歴史的な挑戦。「パシェコの奇跡」は続くか。

2部3位:アロウカ アルマンド・エバンジェリスタ

アルマンド・エバンジェリスタ(続投)

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昇格プレーオフでは、1部16位のリオ・アベを2戦合計5-0で圧倒。昨季は不調に陥ったポルトガル屈指の名門クラブを引きずり下ろし、2016-17シーズン以来となる1部復帰を果たした。

かつては1部に複数年所属していながら、その後わずか2年で3部まで転落していたアロウカ。しかし、ビゼーラと同様に、3部から最短2年で1部に昇格する快挙を成し遂げることに。2部から1年での昇格の立役者となったアルマンド・エバンジェリスタが、今季もチームの指揮を執る。

【保存版】18-19季、ポルトガル1部全18チームの監督人事と3名の注目監督を紹介!

2017-18シーズンのポルトガル1部リーグは、ジョゼ・モウリーニョが記録したクラブ最多勝ち点数を更新する史上最高のシーズンを送ったポルトが、5年ぶりのリーグタイトルを獲得して幕を閉じた。リーグ5連覇を目指したベンフィカは主力選手の穴を埋められないまま、後半戦の猛追も実らず2位に。積極補強を敢行したスポルティングは、クラブの大混乱に巻き込まれ期待外れの1年を送った。
相変わらず3強が上位を独占する1年となったが、その中でも、4位ブラガはクラブ史上最多勝ち点を稼ぎスポルティングに肉薄。国内屈指の戦術家に率いられたリオ・アベも5位と躍進するなど、近年上位常連となっているクラブが、新たな監督のもとリーグを席巻した。

今季もリーグのタイトル争いはポルトとベンフィカを中心に繰り広げられるだろう。しかし、スポルティングがいまだ混乱を引きづる中、ブラガらにも3強体制の撃破を狙えるまたとないチャンスが訪れる。その他中小クラブにも、将来のポルトガル人監督界を背負って立つであろう有望な指揮官が控えており、彼らの躍進にも注目が集まる。

それでは、2018-19シーズンのポルトガル1部リーグを戦う全18チームの監督人事と、注目すべき3人の指揮官を紹介する。是非とも、新シーズンに向けた監督名鑑としてご活用いただきたい。

1位ポルト:セルジオ・コンセイサオン

セルジオ・コンセイサオン(契約延長)

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アンドレ・ビラス・ボアスとビトール・ペレイラが無敗優勝を含むリーグ3連覇を達成してから約5年の月日が経過した。その間、ライバルのベンフィカがトロフィーを掲げる瞬間を4度も見届けてきたポルトがついに王座を奪還した。

かつてジョゼ・モウリーニョが率いたポルトでプレーし、監督として古巣に舞い戻ったセルジオ・コンセイサオンは、恩師が自身初のリーグタイトルを獲得した2002-03シーズンに記録した勝ち点86のクラブ記録を塗り替える偉業を達成。新たに勝ち点88の記録を打ち立て、クラブ史にその名を刻んだ。これは、ベンフィカが15-16シーズンに達成したリーグ歴代記録に並ぶ数字。リーグ公式のベストイレブンには最多の5名を輩出し、監督自身も最優秀監督賞に輝くなど、まさにコンセイサオン率いるポルトがリーグを象徴する1年となった。

クラブは同監督の手腕を評価し、1年の契約延長を締結。ボビー・ロブソンやジョゼ・モウリーニョ、アンドレ・ビラス・ボアスなど、クラブのミュージアムに銅像を擁する偉大な先人を追い越した未来のレジェンド候補のもと、王者の新たな歴史の針が動き出す。

2位ベンフィカ:ルイ・ビトーリア

ルイ・ビトーリア(続投)

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自身リーグ3連覇、クラブとしてはリーグ5連覇を目指したシーズンだったが、エデルソン・モラエス、ビクトル・リンデロフ、ネウソン・セメードらビッグクラブに羽ばたいた主力選手の穴を埋められず、シーズン開幕のスタートダッシュに失敗した。CLは6戦6敗という不名誉な記録を打ち立て早々にグループステージ敗退。シーズン折り返しの時点で、ポルトガルカップとリーグカップの2つのカップ戦からも早々に姿を消した。

タイトルの可能性が残されたリーグ戦では、序盤のつまずきを猛烈な勢いで取り返し、一時はポルトから首位を奪還したが、終盤に迎えた事実上のタイトル決定戦、ホームのクラシコでは、ポルトMFエクトル・エレーラに劇的な決勝点を浴びて万事休す。5連覇を目指したシーズンは、主要タイトル無冠で幕を閉じ、涙を飲んだ。

タイトル奪還を狙う今季もチームの指揮を託したのはルイ・ビトーリア。背水の陣で臨むシーズンは、国内タイトルの奪取はもちろん、予選から出場するCLでの上位進出も必須となる、まさに勝負の1年だ。成果を残せなければ、4年目を迎える同監督の長期政権が終わりを告げる可能性も否定できないだろう。クビを切られないため、そして、いよいよ欧州のトップステージへと飛躍するためにも、リーグタイトルの奪還とCLベスト16進出は最低ノルマだ。

3位スポルティング:ジョゼ・ペゼイロ

ジョルジ・ジェズス(来季:アル・ヒラル)
→ジョゼ・ペゼイロ
(前:ビトーリア・ギマラインス)

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天国から地獄へ。希望から絶望へ。そんな言葉が当てはまる1年だった。

レアル・マドリードからファビオ・コエントラン、バルセロナからジェレミ・マテュー、ローマからセイドゥ・ドゥンビア、そしてサンプドリアからポルトガル史上最高額タイとなる違約金1億ユーロを設定したブルーノ・フェルナンデスら、近年稀に見る大型補強を敢行し、2001-02以来実に17シーズンぶりのリーグタイトルが期待されたシーズン。この年リーグMVPに輝いたブルーノ・フェルナンデスの想像以上の活躍もあり、シーズン序盤はポルトと熾烈な首位争いを演じ、中盤にはポルトガルリーグカップのタイトルを獲得。順風満帆な1年が期待されたが、シーズン終盤に1人の傲慢な男によりクラブは泥沼へと足を踏み入れていく。

事の発端は、ELアトレティコ・マドリード戦の敗北。当時のクラブ会長ブルーノ・デ・カルバーリョが、一部の主力選手を自身のSNSで公然と批判した。最後まで選手との間に生まれた亀裂は修復せず、シーズン終了後にはソシオにより会長が罷免される事態に陥った。また、期待外れのシーズンに終わったことへの不満から、覆面を被った50名のフーリガンが練習場に押し入り、選手・コーチらを襲撃する未曾有の大事件も勃発。カップ戦の決勝を控える中、エースFWバス・ドストらが心身ともに深い傷を負った。そして直後、シーズン2冠を目指したポルトガルカップ決勝では、格下アービスにまさかの敗北を喫した。この大混乱を受けて、ルイ・パトリシオ、ウィリアン・カルバーリョ、ブルーノ・フェルナンデス、ジェウソン・マルティンスなど、この年ロシアW杯にも出場したチームの主軸選手が、痺れを切らしてこぞってクラブとの契約解除を申し出た。

結局、シーズン最後の最後まで混乱は収束せず。前会長時代に新監督として招聘されたシニシャ・ミハイロビッチが、会長交代により試用期間中にクビにされ、新監督には前年にビトーリア・ギマラインスでリーグ9位に終わったジョゼ・ペゼイロを古巣復帰させるゴタゴタな監督人事を敢行。主力選手が一斉に退団しチームは崩壊、新監督への期待感も醸成されず、新たな1年を迎えることとなった。

新会長を中心とする新たなマネジメント体制の尽力実り、リーグMVPブルーノ・フェルナンデスや、チーム得点王バス・ドストらはクラブと再契約を締結。ペゼイロ監督期にプロデビューを果たしたルイス・ナニが3度目の古巣復帰を果たすなど、明るい兆しも。しかし、クラブ・サポーターが、彼ら世界レベルの選手たちがフットボールに集中できる環境を醸成できない限り、前年以上の悲劇、つまり3強の一角から引きずり降ろされる可能性も十分。マネジメント、現場ともに大刷新された新体制のもと生まれ変わり、ポルトガル屈指の名門としての面目を保てるか。

4位ブラガ:アベル・フェレイラ

アベル・フェレイラ(契約延長)

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クラブレゴードとなる勝ち点75を積み上げ、史上最高のシーズンを送ったブラガ。3位スポルティングには同3差まで詰めより、5位リオ・アベとは同24も引き離すなど、「ポルトガルの4強」の地位を確固たるものにした1年となった。シーズンを通したドローの回数は3で、優勝したポルトの4を超えるリーグNo.1。引き分けの試合を勝ちに持っていく粘り強さを発揮していた。

ジョゼ・ペゼイロ、ジョルジ・シマオンと監督交代を繰り返す非常事態となった一昨季から、挽回を期したシーズンに歴史を築いたアベル・フェレイラ。その功績を評価して、クラブは同監督と2021年までの長期契約を締結した。リーグ3強のうち、足元をすくえる可能性が最も高いであろうスポルティングは、かつてブラガを泥沼に陥れた凡将ジョゼ・ペゼイロを招聘して、クラブは会長交代により大混乱に陥るという願ってもない状況。昨季はあと白星1つ分にまで迫った3強撃破を叶える環境は、これ以上ないほどに整った。

5位リオ・アベ:ジョゼ・ゴメス

ミゲウ・カルドーゾ(来季:ナント)
→ジョゼ・ゴメス(アル・タアーウン)

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トップチーム監督初年度で、ソリッドなサッカーをチームに植え付け、リオ・アベを5位に導いた稀代の戦術家ミゲウ・カルドーゾは、フランス1部ナントに引き抜かれる。シャフタールで名アシスタントコーチとしてにわかに話題を集めていた次世代の名将は、わずか1年で国外のトップリーグへと活躍の場を移した。

後任には、サウジアラビアのアル・タアーウンで指揮を取っていたジョゼ・ゴメスを招聘した。近年はハンガリーのビデオトンやこのアル・タアーウンなどで監督を務めるなど、欧州の表舞台からは長らく遠ざかっていた47歳。ヌーノ・エスピリト・サントやペドロ・マルティンス、ルイス・カストロにミゲウ・カルドーゾら国内屈指の名将が積み上げで強化をしてきたクラブを任せるには少々荷が重い。ブラガに次いで3強体制への対抗勢力としてのポジションを確固たるものにするのか、それとも新監督のもとかつての凡庸な中位クラブへと戻ってしまうのか。分岐点となる1年を迎える。

6位シャービス:ダニエル・ラモス

ルイス・カストロ
(来季:ビトーリア・ギマラインス)
→ダニエル・ラモス(前:マリティモ)

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昇格3年目の弱小クラブを6位と大躍進させたルイス・カストロが、不本意なシーズンに終わった北の古豪ビトーリア・ギマラインスに引き抜かれる。代わって、マリティモを2シーズンにわたりリーグ6位(2016-17)、7位(2017-18)と上位にキープさせたダニエル・ラモスと2年契約を締結した。

ダニエル・ラモスにとっては、2部リーグ時代の2004-05シーズン以来の古巣復帰となる。 マリティモで積み上げた1部リーグでの経験を古巣に還元し、前監督が残した偉業を超えないまでも、最低でも1桁順位はキープしたいところだ。

7位マリティモ:クラウディオ・ブラガ

ダニエル・ラモス(来季:ジャービス)
→クラウディオ・ブラガ
(前:フォルトゥナ・シッタート)

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マリティモを上位に定着させたダニエル・ラモスは、昨季6位と大健闘したシャービスの新監督に就任。代わって、オランダリーグのフォルトゥナ・シッタートからクラウディオ・ブラガを招聘した。

クラウディオ・ブラガは、これまでPSVやユトレヒトなどオランダの名門クラブでユースチームを率いた経験を豊富に持つ。昨季はオランダ2部でフォルトゥナ・シッタートの監督に途中就任すると、クラブを16年ぶりの1部昇格に導いた。ポルトガルリーグでの指導は、2014-15にサンタ・クラーラでアシスタントコーチを務めたのが最後で、トップチーム監督としての経験はない。ゼニトなどでプレーした生え抜きのレジェンドFWダニーが10番を背負って復帰したメモリアルシーズンに、オランダで築き上げてきた異彩のキャリアを持つポルトガル人監督のもと、さらなる上位定着に向けて一皮剥けたい。

8位ボアビスタ:ジョルジ・シマオン

ジョルジ・シマオン(契約延長)

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成績不振に陥ったミゲウ・レアウを早々に見限ったボアビスタ。この思い切った決断は、ちょうど一昨年にブラガで途中解任の憂き目にあって以来フリーの身となっていた国内最高峰の若手監督ジョルジ・シマオンの招聘という幸運を呼び込んだ。次世代のポルトガル人監督を背負って立つであろう41歳の若き名将のもと着実に順位を回復させ、昨季は8位とまずまずの成績に。クラブはその手腕を評価して、シーズン途中の3月に早々と1年の契約延長を決断した。

ポルトガルリーグ優勝経験のある5クラブの一角として、そろそろ古豪復活といきたい「ポルト第2のクラブ」ボアビスタ。ブラガで途中解任され、前途洋々なキャリアが一時後退した若き名将のもと、クラブ・監督ともに名誉挽回の大躍進となるか。今季のポルトガルリーグで台風の目となれる期待感は十分だ。

9位ビトーリア・ギマラインス:ルイス・カストロ

ジョゼ・ペゼイロ(来季:スポルティング)
→ルイス・カストロ(前:シャービス)

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リーグ4位の座を引っさげ、3強体制の撃破とELでの躍進を狙ったビトーリア・ギマラインス。しかし、ELに出場する3強以外のクラブにとってもはやジンクスと言えよう、国内リーグとの両立にやはり失敗。たまらず、クラブは国内屈指の名将の評価を得つつあったペドロ・マルティンスの解任を決断した。後任として、ポルトガルリーグでは、ポルト、ブラガ、そしてこのギマラインスと、3クラブ連続での途中就任となった「名ピンチヒッター」ジョゼ・ペゼイロのもと、何とか1桁順位を確保し、北の強豪クラブの面目は保った。

双方の合意のもとジョゼ・ペゼイロとの契約を解消した今季は、ポルトBで2部リーグ優勝、リオ・アベでリーグ7位、そして昨季は弱小クラブのシャービスでリーグ6位と着実に監督としてのステップアップを遂げてきたルイス・カストロと2年契約を締結した。就任会見では「ヨーロッパの舞台を目指す」と、上位進出をサポーターに誓った同監督。昨季の監督交代時にファーストチョイスとしながらも引き抜きが叶わなかった56歳のポルトガル人監督に、古豪復活を託す。

10位ポルティモネンセ:アントニオ・フォーリャ

ビトール・オリベイラ(来季:パソス・デ・フェレイラ)
→アントニオ・フォーリャ(前:ポルトB)

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5年連続、記念すべき自身10度目の1部昇格を果たした「昇格王」にとって、2004-05シーズン以来となった1部リーグでの挑戦は、大成功のまま幕を閉じた。元鹿島アントラーズ・現浦和レッズFWファブリシオは、3強の各エースに次ぐ得点ランキング4位タイの15ゴール、中島翔哉はリーグで唯一となる2桁ゴール2桁アシスト(※)を記録するなど、攻撃的なプレーヤーが大躍進。(※ポルトガルリーグ公式の記録はアシスト数が7となっているが、ポルトガルサッカーデータベース『zerozero.pt』の記録に準拠し10アシストとした)4強以外のチームでは最も多くの得点を積み上げたチームとなり、破壊的な攻撃力で昇格1年目ながらポルトガルリーグを席巻した。

中島翔哉の恩師ということで日本での知名度も上がったビトール・オリベイラは、クラブからの契約延長オファーを拒否して新たな挑戦へ。2部に降格した古巣パソスに1992年ぶりに復帰し、90-91シーズンに自身が成し遂げたクラブの1部昇格に再度挑むこととなった。そして、クラブは新たにポルトBを率いていたアントニオ・フォーリャを招聘。育成力に定評のある名門クラブの下部組織での経験を、若く攻撃的なタレントを多く要するチームに還元し、今季もダークホースとなれるか。

11位トンデーラ:ペパ

ペパ(契約延長)

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降格の恐怖と戦い続けた一昨季からは一転、37歳の青年監督がシーズン開幕から指揮を執った昨季は、11位と大健闘。監督自身も、ポルトとブラガでそれぞれクラブの最多勝ち点記録を更新したセルジオ・コンセイサオンとアベル・フェレイラと並んで、ポルトガルリーグ年間最優秀監督賞にノミネートされる飛躍の年となった。
その手腕が評価され、1年の契約延長を勝ち取ったペパ。上位クラブへのステップアップが叶うきっかけとなるシーズンとしたい。

12位ベレネンセス:ジョルジ・シラス

ジョルジ・シラス(続投)

ドミンゴス・パシエンシアの解任に伴い、プレーヤーとして4シーズンを過ごした古巣に監督として復帰したジョルジ・シラス。一昨季に現役引退したばかりながら、昨季はいきなりピンチヒッターとしてトップチーム監督に。そして、今季はシーズン開幕からポルトガル屈指の古豪で監督を務めることとなった。

リーグタイトルを獲得したことのある5クラブの一角であるベレネンセスは、近年はスペイン人監督フリオ・ベラスケスや、国内のビッグクラブでの指揮経験が豊富なドミンゴス・パシエンシアら、監督選びで試行錯誤を続けている。これまでの人事とは異なる、キャリアの浅い監督の招聘が、古豪復活の起爆剤となるか。

13位アービス:ジョゼ・モッタ

ジョゼ・モッタ(続投)

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リカルド・ソアレスとリト・ビディガル、2度の監督交代を経た苦難のシーズンだったが、シーズン末にプレゼントが舞い降りる。フーリガンの暴動でまともな練習がままならなかったスポルティングを決勝で下し、クラブ史上初の主要タイトルとなるポルトガルカップ王者を戴冠した。幸運にもカップ戦王者となり、リーグ王者ポルトとのスーペルタッサを戦う権利を得たジョゼ・モッタが、今季もチームを指揮する。

14位ビトーリア・セトゥバル:リト・ビディガル

ジョゼ・コウセイロ(来季:ポルトガル代表テクニカルディレクター)
→リト・ビディガル(昨季:アービス)

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一昨季に13クラブが監督交代に踏み切ったポルトガル1部で、監督の座を死守した5人の監督であったジョゼ・コウセイロがついに退任。今季は新たに、昨季1月にアービスの監督を解任されて以来フリーとなっていたリト・ビディガルを招聘した。
同監督は、15-16シーズンに弱小アロウカをリーグ5位に導いたことで評価を高めた監督。昨季は無念の監督途中交代となったが、近年下位でもがき苦しむセトゥバルをアロウカ時代のように上位に導けるか。

15位モレイレンセ:イボ・ビエイラ

プティ(来季:未定)
→イボ・ビエイラ(前:エストリル)

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マヌエル・マシャード、セルジオ・ビエイラと2度の監督交代を敢行し、3人目プティのもと何とか1部残留を果たした。今季1年契約で招聘したのは、昨季途中就任したエストリルで1部残留に失敗し、現エバートン監督マルコ・シウバが一時はリーグ4位に導いた新興クラブを2部に降格させたイボ・ビエイラ。2014-15シーズンに昇格して以来、しぶとく1部に残り続けたクラブだが、今季は正念場を迎える。

16位フェイレンセ:ヌーノ・マンタ

ヌーノ・マンタ(続投)

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当時38歳だった一昨季に、ジョゼ・モッタの後任としてシーズン途中にトップチーム監督デビューを果たしたヌーノ・マンタ。1部昇格初年度のチームを残留に導くどころか、リーグ8位と大成功を収め、その評価を急上昇させた。しかし、さらなる躍進が期待された昨季は、リーグ16位で何とか降格を免れる低調な出来に終わる。ナイジェリア代表でチームの10番を背負ったエテボ・オグヘネカロの穴を埋められず、失意のシーズンを過ごす結果となった。
昨季の不本意な成績もあり、かつてのリーグ8位の栄光は忘れ去られつつある中、名誉挽回を図る勝負の1年となる。

2部1位ナシオナル:コスティーニャ

コスティーニャ(続投)

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一昨季にまさかの2部降格を味わったマデイラの名門クラブは、自国開催のEURO2004や2006年ドイツW杯などで母国の代表を背負ったレジェンド、コスティーニャ監督のもと、1年での1部復帰を達成。監督自身も、2部リーグの最優秀監督に選出された。

1部リーグでの指揮は、13-14シーズンのパソス・デ・フェレイラ以来。当時は、前年にリーグ3位の偉業を成し遂げたパウロ・フォンセッカの後任という難しいタスクをこなせず、シーズン序盤に監督交代の憂き目にあった。2部リーグ最優秀監督の称号を引っさげたかつての名プレーヤーが、1部リーグの壁に再挑戦する。

2部2位サンタ・クラーラ:ジョアン・エンリケス

カルロス・ピント(来季:アカデミカ)
→ジョアン・エンリケス
(前:パソス・デ・フェレイラ)

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アソーレス諸島の小クラブを15年ぶりに1部へ導いたカルロス・ピントは、「レベル3のライセンスを保持していない」との理由で契約更新にこじつけず。代わって、45歳のジョアン・エンリケスに1部残留の望みを託した。

ただし同監督は、昨季パソスをシーズン途中から率いて残留に失敗し、かつてはパウロ・フォンセッカのもとリーグ3位にまで登りつめた新興クラブを13年ぶりの2部に突き落とした当事者。監督就任発表に際して、クラブはモノポリーでジョゼ・モウリーニョやレオナルド・ジャルディン、ビトール・ペレイラらポルトガル人監督のレジェンドを通過して新監督に辿り着く、ユーモア溢れるビデオを公開して反響を呼んだが、開幕から結果を残せないようであれば、解任モノポリーを真っ先にゴールしてしまうだろう。

注目監督ベスト3

1位 アベル・フェレイラ(ブラガ)
昨季は就任1年目ながら、獲得した勝ち点数でクラブレコードを樹立。成熟を図る2年目に、スポルティングが主力を大量に失い、会長も交代する大転換期へ。3強食いが射程年内に迫った。

2位 ジョルジ・シマオン(ボアビスタ)
ブラガではシーズン途中の監督就任ということもあり、チームを立て直せず自身も途中解任に。それでも、パソスやシャービスを上位に躍進させた評価は色あせず。今季1年間で古豪ボアビスタの復興に成功すれば、翌シーズンは自身2度目のビッグクラブ挑戦も起こり得ない夢ではない。

3位 ルイス・カストロ(ビトーリア・ギマラインス)
シャービスを6位に躍進させた手腕は見事の一言。ポルトではピンチヒッターとしての監督途中就任であったため、ギマラインスのような強豪クラブをシーズン開幕から指揮するのは初。キャリアの分岐点となる1年になりそうだが、結果を残せばその評価はうなぎ登りになることだろう。

以上、2018-19シーズン、ポルトガル1部リーグ全18チームの監督人事と3名の注目監督を紹介した。今季こそ3強を食う監督は現れるのか、そして、ジョルジ・シマオンやペパ、ヌーノ・マンタら中位クラブの青年監督にとって、過去を振り返ったときにキャリアの転換期となったと言えるシーズンになるのか。ポルトとベンフィカを中心に激戦が繰り広げられるポルトガルリーグであるが、上記のような、2強以外の要素にも是非とも注目いただきたい。

16-17季ポルトガルリーグ、16年の振り返りと17年の注目選手/監督/クラブ

新年2017年を迎え、16-17シーズンのポルトガルリーグもいよいよ折り返しを迎える。今回は2016年のポルトガルリーグを振り返り、新年の注目ポイントを考察したい。

2016年振り返り

2016年のポルトガルリーグは、チームの中心となる若手選手の台頭と、多くのクラブで起きた監督交代が特徴的であった。

クラブの中心を担う若手選手の台頭

2016年は、特に3強クラブで多くの若手選手が頭角を現した。しかも、彼らがチームを引っ張り、ポルトガルリーグを代表する注目選手へと成長した。

首位のベンフィカでは、2年連続リーグMVPで昨季はリーグ得点王に輝いたジョナスの負傷離脱を受け、U-21ポルトガル代表FW20歳のゴンサロ・グエデスが新エースに。また、アトレティコに移籍したニコ・ガイタンの後釜として、フランコ・セルビが、リーグ戦だけでなくCLでも輝きを放った。

2位ポルトは、3年連続リーグ得点王に輝いたジャクソン・マルティネスの後継者探しを、昨15-16季は失敗。しかし、今季よりBチームからトップチームに定着し、いきなり10番を与えられたアンドレ・シウバが、ここまでリーグトップとなる10ゴールをあげるなど、一気にポルトの新エースに。ポルトガル代表のワントップを任されるほどのスタープレーヤーへと変貌した。また、アトレティコからレンタル移籍してきたディオゴ・ジョッタも、アンドレ・シウバと若手2トップを組み、アシストを量産している。

4位に低迷するスポルティングでは、CLレアル戦で世界に衝撃を与えたジェウソン・マルティンスがひとり気を吐いた。この快速ドリブラーは、ポルトのアンドレ・シウバと同じくポルトガル代表にも選ばれ、世界が注目する若手スタープレーヤーへと成長した。

2017年から始まる後半戦も、彼らがリーグの話題を一身に集める活躍をすることだろう。

近年稀に見る大量の監督解任

16-17季の前半戦は、監督にとって近年最も厳しいシーズンとなった。監督交代が行われたクラブは、全体の60%にものぼる18チーム中11チーム。ブラガにジョルジ・シマオンを引き抜かれたシャービス以外の10チームが、成績不振により監督を解任した。

1位ベンフィカ
監督交代なし(ルイ・ビトーリア)
2位ポルト
監督交代なし(ヌーノ・エスピリト・サント)
3位ブラガ
ジョゼ・ペゼイロ→ジョルジ・シマオン
4位スポルティング
監督交代なし(ジョルジ・ジェズス)
5位ビトーリア・ギマラインス
監督交代なし(ペドロ・マルティンス)
6位リオ・アベ
ヌーノ・カプーショ→ルイス・カストロ
7位シャービス
ジョルジ・シマオン→リカルド・ソアレス
8位マリティモ
パウロ・セーザル→ダニエル・ラモス
9位ビトーリア・セトゥバル
監督交代なし(ジョゼ・コウセイロ)
10位ボアビスタ
エルウィン・サンチェス→ミゲウ・レアウ
11位ベレネンセス
フリオ・ベラスケス→キン・マシャード
12位アロウカ
監督交代なし(リト・ビディガル)
13位パソス・デ・フェレイラ
カルロス・ピント→バスコ・セアブラ
14位エストリル
ファビアーノ・ソアレス→ペドロ・ゴメス・カルモーナ
15位フェイレンセ
ジョゼ・モッタ→ヌーノ・マンタ
16位ナシオナル
マヌエル・マシャード→プレドラッグ・ヨカノビッチ
17位モレイレンセ
ペパ→アウグスト・イナーシオ
18位トンデーラ
監督交代なし(プティ)

ご覧の通り、中位から下位のほとんどのクラブは監督交代を決断。しかし、6位リオ・アベのように、監督を替えたクラブの多くはこのショック療法により順位を上げた。後半戦は、監督交代の遅れたナシオナルやモレイレンセも順位を上げたり、逆に現状維持となっているビトーリア・セトゥバルやトンデーラが場合によっては順位を下げたり、上位に浮上できなかったりと、中位から下位のチームが順位を入れ替える混戦が予想される。

2017年の注目選手/監督/クラブ

上述した若手スタープレーヤーの活躍と、中位から下位チームの混戦も、もちろん2017年の注目ポイントだろう。ここでは後半戦のポルトガルリーグを盛り上げるであろう注目の選手、監督、クラブをそれぞれ予想する。

注目選手

ヤシン・ブライミ

クラブ史上最悪となる4試合連続スコアレスドローを演じ、一時はヌーノ・エスピリト・サント監督の解任も噂されたポルト。しかし、同監督に干され気味であったこの昨季のポルトのエースが、オタービオ・モンテイロの負傷離脱を機にスタメンを取り戻すと、得点力が大爆発。ブライミがスタメンを取り戻した5試合では、レスター戦の5得点を含む、14ゴールをチームであげ、4勝1分と高い勝率を取り戻した。今冬の移籍市場で、アーセナルやユベントス、ローマなどからの引き抜きの噂もあるが、もしポルトに残留すれば、チェルシーのイバノビッチを翻弄した昨季のような輝きを再度放ってくれるだろう。

注目監督

ジョルジ・シマオン(ブラガ)

昨季はパソス・デ・フェレイラをリーグ上位の7位に導き、今季も2部上がりのシャービスをサプライズとなる7位に押し上げていた。この40歳の若手監督は、現在国内No.1の若手監督といっても過言ではなく、その手腕が評価され、ジョゼ・ペゼイロを解任した強豪ブラガにシーズン途中ながら引き抜かれた。現在チームはリーグ3位を維持しており、あわよくば2位浮上など、3強体制を崩す活躍が期待できる。

注目クラブ

ブラガ

上述のジョルジ・シマオンが監督就任したリーグ3位のブラガ。低迷する4位スポルティングを暫定で上回っており、この好調を維持し、スポルティングが不調から抜け出すことができなければ、3強体制を打ち崩すことも夢ではない。2位ポルトは調子を上げてきたがブラガとの勝ち点差は2。同6の首位ベンフィカはまだ遠いが、ポルトを超えて2位へと上り詰める目標も可能性としては現実的だ。後半戦は、ジョルジ・シマオン率いるブラガが3強体制を終わらせるのか、ポルトガル屈指の強豪クラブが台風の目となれるかが注目である。

以上、ポルトガルリーグ激動の2016年を振り返り、2017年の注目ポイントを予想した。若手選手の宝庫であるポルトガルリーグの後半戦に、世界のメガクラブも引き続き関心を寄せることだろう。

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ブラガが新監督ジョルジ・シマオンの就任を発表!現国内No.1若手監督がビッグクラブへ

『zerozero.pt』

ポルトガルカップで2部コビリャン相手に敗退し、監督ジョゼ・ペゼイロを解任していたブラガが、新監督ジョルジ・シマオンの就任を発表した。

40歳のジョルジ・シマオンは、現在の国内リーグで最もその手腕が注目されている若手といっても過言ではない期待の青年監督である。昨季はパソスをリーグ7位に導き、今季は2部上がりのシャービスをここまでリーグ7位と上位に押し上げていた。ブラガはその手腕を評価し、シャービスに30万ユーロの違約金を支払い引き抜いた。

今夜のスポルティングとの上位対決はアシスタントコーチであるアベル・フェレイラ氏が指揮を執り、ジョルジ・シマオン新監督は木曜日のモレイレンセ戦でデビューする見通しである。

ポルトガルカップこそ敗退したブラガだが、リーグは現在4位と最低限の順位は維持。期待の青年監督の就任で、3強の牙城を崩せるか注目が集まる。

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元指揮官がポルトで絶好調ディオゴ・ジョッタを絶賛「CR7の後継者になり得る」

『SAPO Desporto』

シャービスを率いる青年監督ジョルジ・シマオンが、昨季パソスを率いた際に指導したディオゴ・ジョッタを「クリスティアーノ・ロナウドの後継者になり得る」と大絶賛した。

シマオンの前任者パウロ・フォンセッカ監督には、「フェルナンド・トーレスのようだ」と例えられたディオゴ・ジョッタ。今季アトレティコ・マドリードからレンタル移籍中のポルトでも、ベンフィカとのクラシコで得点するなど、パソス時代さながら大活躍している。

ジョルジ・シマオンは、『O JOGO』のインタビューに対し、昨季チームで二桁得点を挙げた若きエースの強みについてまず口を開き、パウロ・フォンセッカとは異なる名プレーヤーを挙げて褒め称えた。

「彼の最大の強みは、オープンスペースでゴールに向かってボールを受け、相手を置き去りにできるところだ」

「大胆なことを言っているのは承知だが、クリスティアーノ・ロナウドが引退した後はジョッタが頭角を現すだろう。彼はCR7の後継者になり得る。私は自分の言葉に恐れていない。実現するだろう。彼にはそのポテンシャルがある」

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